Amazon BedrockでClaude 2のAPIを使う方法!使い方から実践まで
9月29日、ついにAWSにAmazon Bedrockが導入され、様々な企業のAIモデルを手軽に使えるようになりました。
AmazonやStability AIなど、5つもの企業のAIモデルを、AWS上で自由に使えるのです。その中には、GPT-3.5よりも精度の高いと言われるClaude 2 / 2.1や、画像生成で有名なStable Diffusionも利用可能です。
この記事では、Amazon Bedrockの概要や、AIモデルの利用方法などをご紹介します。最後まで読んだ方は、AWS上で簡単に、有名なAIモデルを動かしたり、自社データを使ってカスタマイズしたりできるようになります。
ぜひ、最後までご覧ください。
Amazon Bedrockがついに一般利用可能に!
9月29日の早朝に、Amazonから「Amazon Bedrock」がリリースされました。これにより、一般ユーザーでも簡単に生成AIを利用できるようになります。
Amazon公式からの情報も、完全に開示されているわけではないので、今後の動きにも目が離せません。
以下では、今回のAmazon Bedrockのアップデートにより何ができるようになったのか、実例を交えてご紹介します。
Amazon Bedrockとは
Amazon Bedrockは、AWSの生成AIサービスです。このサービスを利用することで、「様々な企業のAI基盤モデル」を、APIを通じて利用できます。
そのため、さまざまなAI基盤モデルから好きなものを選び、自分のタスクに好きなAIを活用できるようになったのです。AmazonのAIはもちろん、あの「Stable Diffusion」で有名なStability AIのAIモデルも、AWSを通して利用できます。
ちなみに、ここで言う基盤モデルとは、事前学習済みの大規模なAIモデルのことです。自社データを用いたファインチューニングやエンベディングによって、様々なカスタマイズも可能になります。
Amazon Bedrockは何ができる?
Amazon Bedrockを使えば、以下のようなことが実現できます。
- 主要なAIスタートアップ企業のAI基盤モデルを利用できる
- 各企業のAI基盤モデルを使って生成系AIを拡張する
- 各企業のAIを自社のデータで学習できる
- AWSの機能を使用して、自社のアプリケーションに統合する
例えば、テキスト生成のAIを、自社のデータで学習させて、自社アプリに組み込むことだって可能になります。しかも自社サーバ無しで。
Amazon Bedrockでは、以下の5つの企業のAIモデルが利用可能です。
- AI21 Labs
- Amazon
- Anthropic
- Cohere
- Stabilability AI
GPT-3.5よりも優れているClaude 2や、画像生成で有名なStable Diffusionも、当然ですがサーバー無しで利用可能です。
Open AIのGPT-4は使えなさそうですね。
なお、Claude 2について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→Claude 2の日本での使い方解説!ChatGPT超えの最強LLMをご紹介
Amazon Bedrockの使い方
まずは、以下の手順に従って、モデルを選ぶ画面まで進みましょう。
- AWSマネジメントコンソールにサインイン
- 「Amazon Bedrock」で検索
- 米国東部(バージニア北部: us-east-1)のリージョンを選択
- 「Get started」をクリック
- 左カラムから「Base models」にアクセス
- AWSマネジメントコンソールにサインイン
2. Amazon Bedrockで検索
3. 米国東部(バージニア北部: us-east-1)のリージョンを選択
4. 「Get started」をクリック
5. 左カラムから「Base models」にアクセス
ここまで行けば、好きな基盤モデルを利用できます。特定の基盤モデル、例えば「Claude」にアクセスするためには、用途を申請する必要があります。現在までで、使えるAIモデルは以下の通りです。
Claude v1.3
Claude v2
Claude Instant v1.2
Command v14.6
Jurassic-2 Mid v1
Jurassic-2 Ultra v1
Stable Diffusion XL v0.8-preview
Titan Embeddings G1 – text v1.2
Titan Text G1 – Express v1-preview
また、左カラムの「Playground」では、Chat・Text・ImageのそれぞれのAIモデルを、実際に使って試すことが可能です。例えば、Claude v2を選択して、Chat画面で質問を投げかけることができます。
なお、CohereのサービスCoralについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【Coral】最強企業用AIチャットボット!OpenAIを超えるCohereとは?
Amazon Bedrockの料金体系
Amazon Bedrockでは、以下の実行において、料金がかかります。
- モデルの推論
- カスタマイズ
さらに、それぞれのプラン概要について、以下の表にまとめました。
利用方法 | プラン | 概要 |
---|---|---|
モデルの推論 | On-demand | ・使用した分だけ支払う・テキスト生成モデルの場合、入力トークンと出力トークンごとに課金される・埋め込みモデルの場合、入力トークンごとに課金される・画像生成モデルの場合、生成された画像ごとに課金される |
Provisioned Throughput | ・特定のベースモデルまたはカスタムモデルのモデルユニットを購入できる・時間単位で課金される・1ヶ月または6ヶ月の期間を柔軟に選択できる | |
カスタマイズ | Model customization (fine-tuning) | 自社データを使用して基盤モデルをカスタマイズできる・テキスト生成モデルの場合、モデルの学習に基づいて課金される |
具体的な価格は、利用するAIモデルやプロバイダーによって異なります。以下の表を参考にしてください。
プロバイダー | AIモデル | 価格 |
---|---|---|
AI21 Labs(On-Demand) | Jurassic-2 Mid | 入力/出力トークン1000個あたり$0.0125 |
Jurassic-2 Ultra | 入力/出力トークン1000個あたり$0.0188 | |
Amazon(On-Demand) | Titan Text – Lite | ・入力トークン1000個あたり$0.0003・出力トークン1000個あたり$0.0004 |
Titan Text – Express | ・入力トークン1000個あたり$0.0013・出力トークン1000個あたり$0.0017 | |
Titan Embeddings | 入力トークン1000個あたり$0.0001 | |
Amazon(fine-tuning) | Titan Text – Lite | ・学習のトークン1000個あたり$0.0004・カスタムモデルの月額ストレージ料金は$1.95・カスタムモデルの推論は1モデルユニットあたりの時間料金$7.10 |
Titan Text – Express | ・学習のトークン1000個あたり$0.0008・カスタムモデルの月額ストレージ料金は$1.95・カスタムモデルの推論は1モデルユニットあたりの時間料金$20.50 | |
Amazon(Provisioned Throughput) | Titan Text– Lite | ・コミットメントなしの1モデルユニットあたりの時間料金$7.10・1ヶ月のコミットメントでの1モデルユニットあたりの時間料金$6.40・6ヶ月のコミットメントでの時間料金が$5.10 |
Titan Text – Express | ・コミットメントなしの1モデルユニットあたりの時間料金$20.50・1ヶ月のコミットメントでの1モデルユニットあたりの時間料金$18.40・6ヶ月のコミットメントでの時間料金が$14.80 | |
Titan Embeddings | ・1ヶ月のコミットメントでの1モデルユニットあたりの時間料金$6.40・6ヶ月のコミットメントでの時間料金が$5.10 | |
Anthropic(On-demand) | Claude Instant | ・入力トークン1000個あたり$0.00163・出力トークン1000個あたり$0.00551 |
Claude | ・入力トークン1000個あたり$0.01102・出力トークン1000個あたり$0.03268 | |
Anthropic(Provisioned Throughput) | Claude Instant | ・1ヶ月のコミットメントでの1モデルユニットあたりの時間料金$39.60・6ヶ月のコミットメントでの時間料金が$22.00 |
Claude | ・1ヶ月のコミットメントでの1モデルユニットあたりの時間料金$63.00・6ヶ月のコミットメントでの時間料金$35.00 | |
Cohere(On-Demand) | Command | ・入力トークン1000個あたり$0.0015・出力トークン1000個あたり$0.0020 |
Stability AI(On-demand) | SDXL0.8 | ・512×512以下の画像はステップ数により$0.018または$0.036・512×512より大きい画像は$0.036または$0.072 |
Stability AI(Provisioned Throughput) | SDXL1.0 | ・1ヶ月の場合、モデルユニット1台につき1時間あたり$49.86・6ヶ月の場合、モデルユニット1台につき1時間あたり$46.18 |
Amazon BedrockのLLMモデルを実際に使ってみた
Claudeに関しては、利用申請をしないといけないそうです。
まずは、Base modelsに移動して、右上の「Request model access」をクリックしてください。
この画面に移動したら、右上の「Edit」をクリックしてください。
そして、「Anthropic」の右にある「Request」をクリックしてください。
この画面にくるので、申請理由等の情報を入力し、申請しましょう。
申請が通ったら、再びEdit model accessの画面に移動し、以下の3つを選択し、「Save Changes」をクリックしてください。
- Anthropic
- Claude
- Claude Instant
上記の「Access status」の項目が「In progress」→「Access granted」になっていればOKです。
次に、左カラムから「Playgrounds」→「Chat」をクリックし、プルダウンメニューの「Select model company」→「Anthropic」を選択し、「select model」→「Claude V2」を選択します。
すると、ClaudeとChatができるようになります。試しに「Human: Hello world」と打ってみましょう。すると「Hello!」と返ってきました。
まとめ
Amazon BedrockはAWSのAIサービスで、様々な企業のAI基盤モデルをAPI経由で利用できます。これを利用することで、多岐にわたるAIモデルを選択し、タスクに合わせて活用できます。ここでの「基盤モデル」は、事前に学習された大規模AIモデルを指し、カスタマイズも可能です。Amazon Bedrockの主な特徴は、以下の通りです。
- 主要AIスタートアップのAI基盤モデルへのアクセス
- 各企業のAI基盤モデルで生成AIの拡張が可能
- 自社データでの学習が可能
- AWSの機能で自社アプリに統合できる
利用可能なAIモデルには、AI21 Labs、Amazon、Anthropic、Cohere、Stabilability AIが含まれ、特定のモデルを使用するための申請が必要です。料金体系は、モデルの推論とカスタマイズの2つの部分で構成され、具体的な料金はモデルやプロバイダーによって異なります。
最後に
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