DeepSeek V3.1徹底解説:思考を切り替える次世代LLM、その実力と可能性を試してみた

- Thinkモード・Non-Thinkモードの切り替えが可能
- R1モデルよりも高性能かつ低コスト
- 128Kコンテキスト対応で長文処理や大規模コード解析に対応し、従来より2倍のコンテキスト長を実現
2025年8月21日、DeepSeekの新たなモデルが登場しました!
今回登場したDeepSeek V3.1はハイブリッド推論モデルであり、ThinkモードとNon-Thinkモードの切り替えが可能。また、知識カットオフは2025年7月と、かなり最近の情報まで網羅しています。
本記事ではDeepSeek V3.1の概要から使い方、実際に使ってみた所感も交えながら解説します。最後までお読みいただければDeepSeek V3.1について網羅できますので、ぜひ最後までお読みください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
DeepSeek V3.1の概要
DeepSeek V3.1は「Think(思考)」と「Non-Think(非思考)」を切り替えられるハイブリッド推論モデルのLLM。マルチモーダルには未対応。
従来の対話能力と高度な推論能力を一つに統合した従来のLLMとはやや異なる形です。Non-Thinkモードは軽量かつ高速応答に最適であり、Thinkモードは複雑な推論やマルチステップタスクに強みを持ちます。
対応コンテキストは128Kコンテキストであり、長文ドキュメントや大規模なコーディングが可能。さらにモデルサイズは685Bと大きく、DeepSeek R1よりも14Bほど大きくなっています。
DeepSeek V3.1の性能
続いてDeepSeek V3.1の性能についてです。

まずは上記の性能から。SWE-bench Verifiedはソフトウェアエンジニアリング課題の正答率を測るベンチマークであり、DeepSeek V3.1はその他のモデルよりも遥かに性能が高いことがわかります。つまり、コード生成や修正において、安定して正確に対応ができるということです。
SWE-bench Multilingualは多言語環境でのソフトウェアエンジニアリング課題を測定。こちらもDeepSeek V3.1がダントツ、Terminal-BenchもDeepSeek V3.1がその他のモデルを上回っていることがわかります。

上記のベンチマークを見てもDeepSeek V3.1がR1よりも性能が向上していることがわかります。特にBrowsecompはR1の3倍、xbench-DeepSearchは1.3倍、Seal0は1.4倍ほど性能アップ。
このことからDeepSeek V3.1は検索能力と探索的推論で性能向上を遂げ、情報収集エージェントとしての力を高めていると言えます。
下記の図はDeep Seek V3.1 ThinkモードとR1を比較したものです。

上記のベンチマークから、DeepSeek V3.1では性能が向上もしくはR1と同等だが、必要トークン量が削減されていることが見て取れます。つまり高性能のものを従来よりも低コストで利用できるモデル、というのがDeepSeek V3.1です。
DeepSeek V3.1のライセンス
DeepSeek V3.1のライセンスはMITライセンスです。特許使用について、ライセンス上に明示的に「特許使用が可能」とは記載されていませんので、不明としています。また、MITライセンスでは配布する場合(修正版・バイナリ含む)、オリジナルの著作権表示とライセンス文を残す義務があります。
利用用途 | 可否 |
---|---|
商用利用 | ⭕️ |
改変 | ⭕️ |
配布 | ⭕️ |
特許使用 | 不明 |
私的使用 | ⭕️ |
なお、OpenAI歴代最強モデルGPT-5について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

DeepSeek V3.1の料金
DeepSeek V3.1はAPIを利用することが可能です。ThinkモードとNon-Thinkモードで料金が異なります。※1
トークン種類 | Non-Thinkモード | Thinkモード | 割引価格 |
---|---|---|---|
1M入力トークン(キャッシュヒット) | $0.07 | $0.14 | $0.035 |
1M入力トークン(キャッシュミス) | $0.27 | $0.55 | $0.135 |
1M出力トークン | $1.10 | $2.19 | $0.550 |
上記はDeepSeek V3.1のAPI料金表です。
割引料金はUTC 16:30–00:30の夜間時間に使用する場合の料金です。ただし2025年9月5日 16:00 UTC以降に夜間料金が撤廃され、以下の料金に統一されることも記載されています。
- 1M入力トークン(キャッシュヒット):$0.07
- 1M入力トークン(キャッシュミス):$0.56
- 1M出力トークン:$1.68
それでもClaudeやGPTに比べるとかなり安価にAPIを使うことができますね。
DeepSeek V3.1の使い方
では実際にDeepSeek V3.1を使ってみたいと思います。
DeepSeekにはChatGPTと同じようなGUIベースのサービスが提供されていますので、下記からアクセス可能です。

モデル選択画面がないので、本当にV3.1が使われているのかは不明です。少しやりとりしてる様子が下記です。
DeepSeek V3.1をAPIで使う方法
続いてDeepSeek V3.1をAPIでgoogle colaboratoryを使って実行してみます。
まずはライブラリのインストール。
!pip install openai
サンプルコードはこちら
from openai import OpenAI
client = OpenAI(api_key="8", base_url="https://api.deepseek.com")
response = client.chat.completions.create(
model="deepseek-chat",
messages=[
{"role": "system", "content": "あなたは私の最適なアシスタントです。"},
{"role": "user", "content": "こんにちわ"},
],
stream=False
)
print(response.choices[0].message.content)
結果はこちら
こんにちは!何かお手伝いできることはありますか?😊
DeepSeek V3.1とClaude Opus4.1を比較検証
Claude Opus 4.1の性能も高いため、DeepSeek V3.1と同じプロンプトを投げてみて比較検証してみたいと思います。
比較する内容は「1ヶ月で100万円稼ぐ方法を教えて」です。
なお、DeepSeek V3.1は公式ドキュメントに記載されている方法だとチャットでやりとりができないので、下記のように変更します。※2
サンプルコードはこちら
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key="", # DeepSeekのAPIキー
base_url="https://api.deepseek.com"
)
messages = [
{"role": "system", "content": "You are a helpful assistant"}
]
def chat_with_deepseek():
global messages
while True:
user_input = input("あなた: ")
if user_input.lower() in ["exit", "quit", "bye", "終了"]:
print("終了します。")
break
messages.append({"role": "user", "content": user_input})
response = client.chat.completions.create(
model="deepseek-chat",
messages=messages,
)
reply = response.choices[0].message.content
print("DeepSeek:", reply)
messages.append({"role": "assistant", "content": reply})
chat_with_deepseek()
結果はこちら
あなた: こんにちわ
DeepSeek: こんにちは!
お元気ですか?
何かお手伝いできることがあれば、どうぞお聞かせください 😊
あなた: 君は何ができるの?
DeepSeek: 私は以下のようなことができますので、何でも気軽にご相談ください!
**📚 情報提供**
- 一般知識や時事ネタから専門的な内容まで幅広く解説
- 言葉の意味や語源、翻訳(日英・日中など)
- 旅行・料理・趣味などライフスタイルに関する提案
**💡 創作・アイデア出し**
- 文章の添削や作成のお手伝い
- ストーリーやキャッチコピーの提案
- 勉強法やビジネスアイデアのブラッシュアップ
**📊 実用サポート**
- コードの書き方や簡単なプログラム作成
- 数学や統計の計算・解説
- データの整理や表の作成
**🎭 雑談・エンタメ**
- ジョークやクイズ
- 占いやゲームの提案
- 趣味のトーク(アニメ、音楽、スポーツなど)
「〇〇について教えて」「アイデアを考えて欲しい」など、まずはお気軽にどうぞ!✨
あなた: 一ヶ月で100万円稼ぐ方法を教えて
DeepSeek: 一ヶ月で100万円を稼ぐ方法はいくつかありますが、ほとんどの方法では **スキル・準備・労力・リスク** のいずれか(または複数)が必要です。以下に現実的な選択肢を挙げますが、必ずご自身の状況や法規制に合わせて検討してください。
---
### ✅ **現実的な選択肢と必要条件**
#### 1. **高単価な専門スキルを売る**
- **例**:
- プログラミング(急ぎの開発案件)
- ウェブデザインやコンサルティング
- 翻訳(専門分野や緊急案件)
- **条件**: すでにスキルや実績があることが前提。
#### 2. **物や権利を売る**
- **例**:
- 不要な高価値品(ブランド品、電子機器等)の売却
- 仮想通貨や株式の売買(**リスク高**)
- 不動産の短期賃貸や転貸(契約確認必須)
- **注意**: 投資系は損失リスクがあり、知識なしでの挑戦は危険。
#### 3. **緊急・短期案件の仕事を受ける**
- **例**:
- 大規模なイベントスタッフ(例:海外ツアー案内等)
- 短期集中の営業職(成果報酬型)
- 緊急の翻訳・通訳業務
- **条件**: 人脈や特別な能力が必要な場合が多い。
#### 4. **ビジネスを短期で立ち上げる**
- **例**:
- 物販(せどりやオリジナル商品)
- オンライン講座やデジタルコンテンツの販売
- SNSを活用した広告収入・プロモーション
- **条件**: 初期投資やマーケティング力が必須。
#### 5. **副業の組み合わせ**
- 単一の収入源で100万円は難しいため、複数を並行させる(例:デザイン案件+講師業+物販)。
---
### ⚠️ **注意点**
- **詐欺や違法案件に注意**: 「簡単に稼げる」話はほぼリスクや詐欺の可能性があります。
- **初期コストや税金**: 稼いだ金額がそのまま手元に残るわけではありません。
- **現実的な計画**: スキルや環境がない状態で短期達成は極めて困難です。
---
### 📌 まずはできることから
1. 自身のスキル・資源をリストアップ
2. 需要のある市場をリサーチ
3. 小さく始めてテストを繰り返す
もし具体的なスキルや状況があれば、それに合わせたアドバイスもできますのでお聞かせください!
あなた:
色々出力はしてくれましたが、一般的な内容ばかりでした。また出力されるまで少し遅いかな?と感じました。
ただ、ベンチマーク上は高性能であり低コストでもあるので、LLMのAPIを使う場合にはDeepSeek V3.1は候補として上位に上がってくる気がします。
続いてClaude Opus 4.1です。
結果はこちら
一ヶ月で100万円を稼ぐのは簡単ではありませんが、いくつかの現実的なアプローチをご紹介します。ただし、どの方法も相応のスキル、努力、または初期投資が必要です。
## 高収入の専門職・フリーランス
**ITエンジニア・プログラマー**として、高度な開発案件を受注すれば月100万円は可能です。特にAI開発、ブロックチェーン、セキュリティ分野は高単価です。
**コンサルタント**として企業の課題解決を支援する場合、専門性があれば日額10-20万円の案件もあります。
**動画編集・デザイン**の分野で、企業案件を複数並行して進めることで達成可能な場合があります。
## 投資・トレーディング
**株式投資やFX**は可能性がありますが、大きなリスクを伴います。元手が必要で、損失の可能性も高いです。
**不動産投資**も選択肢ですが、初期投資額が大きく、すぐに100万円の利益を出すのは困難です。
## 起業・ビジネス
**オンラインビジネス**(ECサイト、情報商材、オンラインコース)を立ち上げ、需要の高い商品・サービスを提供する方法があります。
**転売ビジネス**で利益率の高い商品を扱えば可能ですが、在庫リスクと資金繰りの課題があります。
## 重要な注意点
- 「簡単に稼げる」という謳い文句の詐欺に注意してください
- 違法な方法や倫理的に問題のある手段は避けるべきです
- 短期間で大金を稼ぐには相応のリスクが伴います
- 持続可能で安定した収入源を築くことが長期的には重要です
現在のスキルや経験、使える時間や資金について教えていただければ、より具体的なアドバイスができます。どのような分野に興味がありますか?
DeepSeek V3.1の方がバリエーションがより豊富だった印象です。また、複数の副業の組み合わせという提案もしてくれていますね。こういう何か知りたい場合には、バリエーションが豊富な方がユーザーとしては嬉しいと思います。
なお、ローカル利用可能なオープンウェイト【gpt-oss-120b/gpt-oss-20b】について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ
本記事ではDeepSeek V3.1の概要から使い方、実際に使ってみた所感について解説しました。従来のLLMよりも性能が高く低コストであることから、個人利用をはじめ幅広い方々にとって使いやすいLLMになるのではないでしょうか。
また、ベンチマーク上でのコーディング性能も高く、128Kコンテキストと長文にも対応していることから個人開発のみならず中規模〜大規模開発にも使えそうです。
ぜひ本記事を参考にDeepSeek V3.1を使ってみてください!
最後に
いかがだったでしょうか
あなたのプロジェクトにDeepSeek V3.1は最適?導入相談やユースケースの壁打ちも可能です。お気軽に無料でご相談ください。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
生成AIを活用したプロダクト開発の支援内容は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
➡︎株式会社WEELのサービスを詳しく見る。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、大規模言語モデル(LLM)を対象に、言語理解能力、生成能力、応答速度の各側面について比較・検証した資料も配布しております。この機会にぜひご活用ください。