【日本語特化GPT-4】日本語の処理スピードがレべチ!OpenAI Japan設立も発表!
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん!ついにOpenAI公式から、日本語に特化したGPT-4が登場しました。
日本語特化版のGPT-4は従来と比べ、なんと処理速度3倍・コスト47%OFFで日本語の入力・生成ができるんだとか……
同時に東京にオフィスを構えるアジア初の支部「OpenAI Japan」についても、アナウンスがありました。
当記事では、この2つのビッグニュースについて詳しく解説していきます。完読いただくと、日本と生成AIのこれからが見えてくる……かも。
ぜひ、最後までお読みください!
GPT-4の日本語特化モデルが登場
2024年4月15日、ついにOpenAIが日本語特化で最適化を施した、GPT-4のカスタムモデルを発表しました!その名前は未定ですが、現時点で判明しているすごいところがあって……
● 無印GPT-4比で、日本語の処理速度が3倍にUP!
● 日本語使用時の消費トークン数が減少、コスト47%減!
と、国内の全ChatGPTユーザーが歓喜する仕様になっているんです!
日本語特化版GPT-4の精度についてはノータッチでしたが……
このように東京の気温や桜祭り等、具体的な情報をスピーディーに返してくれるように進化しています。
そんな日本語特化版GPT-4は、数ヶ月以内にChatGPT APIからリリース予定。先立って同技術を導入した英会話アプリ「Speak」では、チューターの説明速度が2.8倍になったそうです。今後の活躍が期待できますね。
なお、GPT-4の最強モデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【GPT 4 Turbo】ChatGPT最強モデル!APIの使い方や料金、できることを解説
日本語特化版GPT-4で捗りそうなこと3選
先述のとおり、日本語特化版GPT-4はChatGPTのサービス外・ChatGPT APIから登場予定です。このChatGPT APIに日本語特化版GPT-4が仲間入りしてできそうなことは、というと……
- 日本語のニュアンスを反映した「センチメント分析」
- GPT-4を搭載した「顧客向け・B2Cのサービス」
- スピーディーかつ低コストな「RAG・専門知識の付与」
の3点。まずは、かねてより得意としていた「センチメント分析」から、詳しくみていきましょう!
センチメント分析
以前よりGPT-4は、
センチメント分析を行ってください。
の命令で「うれしい / かなしい」「ポジティブ / ネガティブ」といった感情を数値的に評価できました。こちらのセンチメント分析は、アンケートの分析を9時間から6分にまで短縮できてしまうホットな活用法として広く用いられています。
ただ弱点もあって……
- 文脈による意味の変化
- 「グラウンドを走る」と「犯罪に走る」
- 「体にやさしい」と「やさしい算数の問題」
- 「胃がむかつく」と「彼の態度にむかつく」
- ニュアンスの違い
- 好意:「気に入った」と「大好き」は別物
- 背景による意味の変化
- 適当:テスト・契約書なら「ふさわしい」 / 日常会話なら「いい加減・やっつけ」
などなど、日本語のニュアンスまでは拾いきれませんでした。
ですが今回の日本語特化版GPT-4なら、ニュアンスレベルでの理解度が向上しているはず。アンケートや口コミの分析等、一般企業でさらなる活躍をみせてくれそうです。
顧客向け・B2Cのサービス
現時点でも国内企業で活躍中のGPT-4ですが、その日本語処理能力は……
以上のとおり全言語中で16位。1位の英語とは大きな開きがあります。
精度の恩恵をフルに受けている英語圏の企業では……
- 旅行代理店・Expedia:アプリ上での旅行プランニングガイド
- オンライン決済・Stripe:顧客サポートフォーラムにおける詐欺の検知
というふうに、B2C(顧客向け)のサービスでもGPT-4が活躍中!日本語特化型のGPT-4が登場した暁には、国内企業でもB2Cでの活用事例が増えてくるかもしれませんね。
参考記事:Chatgpt Wrote This Press Release — No, It Didn’t, But It Can Now Assist With Travel Planning In The Expedia App
参考記事:Stripe と OpenAI が戦略的協業:OpenAI の主力製品を収益化し、GPT-4 で Stripe を強化
RAG・専門知識の付与
日本語特化版GPT-4は、処理速度3倍・コスト47%減で日本語テキストが処理できます。この進化の恩恵が最大限受けられるGPT-4の用途は……
プロンプトに知識を詰め込み正答率を上げる「RAG・専門知識の付与」です。RAG・専門知識の付与は……
- ヘルプデスク業務の自動化
- 顧客向けAIチャットボットの開発
などなど、国内企業でも広く用いられています。日本語特化版GPT-4の登場で、ますます業務効率化が捗りそうですね。
日本支部「OpenAI Japan」も始動
OpenAIは日本語特化版GPT-4と並行して、同社の日本支部「OpenAI Japan」の立ち上げを発表しました。なんと、アジア初のオフィスが日本にできるんだとか……
こちらについても、詳細をみていきましょう!
OpenAI Japanのオフィスは東京
2024年4月15日、OpenAIは日本支部「OpenAI Japan」の立ち上げも発表しています。そしてアジア初となるオフィスを……
日本の政治・技術・イノベーションの中心、弊社WEELも本拠地を構える「東京」
に設立することを明らかにしました。
際してCEOのサム・アルトマンは、
日本にオフィスを開設できたことを嬉しく思います。日本は長い歴史を通じ、人々と技術が協力し、大変多くのことを成し遂げています。AIが、人々をより創造的で生産的になるのを助け、まだ想像されていない新しい産業にも広範囲に価値を提供することを加速できると信じています。
引用:https://openai.com/blog/introducing-openai-japan
との旨を述べています。これで弊社スタッフもサム・アルトマンに会える……かも!
社長は元AWSジャパンの長﨑忠雄氏
OpenAI Japanの社長には、元・AWSジャパン社長の「長﨑忠雄」氏が就任します。この長﨑忠雄 氏は「日本のクラウド市場の立役者」ともいえるビッグネームで……
- 世界No.1のクラウドベンダーAWSの日本支部「AWSジャパン」元社長
- 人事異動の激しい外資系企業・AWSジャパンで12年7ヶ月も社長を継続
- 米国本社から日本市場へ2兆2600億円の投資を実現
というふうに、AWS時代から辣腕を振るってきました。そんな百戦錬磨の社長を抱えるOpenAI Japanなら、「生成AI先進国・日本」が実現するかもしれませんね。
参考記事:2兆2600億円の投資に値する日本市場を育てたAWSジャパン長崎社長
参考記事:Top 10 biggest cloud providers in the world in 2023 | Technology Magazine
なお、AWSから出ている生成AI開発環境について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→Amazon BedrockでClaude 2のAPIを使う方法!使い方から実践まで
OpenAI Japan発足の理由
生成AIブームのトップランナーOpenAIがここまで日本に熱視線を向ける理由は、何なのでしょうか?
答えは今回の発表で出ています。OpenAIによると日本は……
- 主要企業がChatGPT導入済み
- 行政もChatGPTに積極的
- G7広島AIプロセスの主役
の3点から、アジアでの本拠地に選ばれたとのこと。以下にて、それぞれ詳しくみていきましょう!
理由1.主要企業がChatGPT導入済み
OpenAI曰く、日本企業は世界的にみてもChatGPTをよく活用しているそう。確かに……
【ChatGPT Enterprise導入済み】
● ダイキン
● 楽天
● トヨタコネクテッド
…etc.
【ChatGPT API+Azure OpenAI Service導入済み】
● パナソニック コネクト
● アサヒビール
● 日清
…etc.
などなど名だたる企業が、ChatGPTやそれに類するサービスを導入しています。ついに国内ユーザーの声がOpenAIに届いた、というわけですね。
理由2.行政もChatGPTに積極的
地方自治体・行政がChatGPTに積極的であったことも、OpenAI日本進出の決め手です。
その筆頭は導入後1年間で……
などなど業務効率化を達成した、横須賀市。横須賀市の成功をきっかけに、東京都・神戸市等の自治体へとChatGPT活用の輪が広まっているんです。
参考記事:ChatGPTの全庁的な活用実証の結果報告と今後の展開(市長記者会見)(2023年6月5日)|横須賀市
理由3.G7広島AIプロセスの主役
最後にOpenAIが日本に注目する理由として、「G7広島AIプロセス」が挙げられます。
G7広島AIプロセスは、2023年に日本が先導してG7で合意に至った取り組みで、要約すると……
生成AIとうまく付き合っていくためのルール・指針作り
です。そう、イタリア等各国が生成AIを頭ごなしに規制する中、日本は「生成AI時代のメートル原器」を率先して作っているんです!
参考記事:広島AIプロセスについて
なお、ChatGPTの国内導入事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTの日本企業導入事例をまとめて紹介!業務に導入するメリットや注意点も解説
OpenAI進出で日本は「生成AI先進国」へ
当記事では2024年4月15日にOpenAIが発表した……
● 日本語特化版GPT-4
● アジア初・東京が本拠地の支部「OpenAI Japan」
について、それぞれ解説しました。
実はOpenAI進出以前から、NVIDIA等の生成AI関連企業が日本に熱視線を向けています。日本が世界屈指の「生成AI先進国」になる日も、そう遠くはないかも!今後も各社の動向は要チェックですね。
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携