生成AI導入を手伝ってくれるアドバイザリーサービスとは?支援内容、おすすめの会社を解説
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
「生成AIって難しそう」「自社に生成AIを導入するにはどうしたらいいのだろう」などといった悩みがあり、導入を見送っている企業も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決してくれる「生成AIアドバイザリーサービス」はご存じでしょうか。生成AIに関するプロが企業ごとに合った生成AIの導入をサポートしてくれるサービスで、様々な領域の業務に対応しています。
今回は生成AIにどんなことができるのか、そして生成AIに潜むリスクまで解説したうえで、おすすめのアドバイザリーサービスを9つご紹介します。
そもそも生成AIで何ができるか?
広く一般的に知られている生成AIといえば、画像化したい絵を文字で入力するとAIが絵を書いてくれるというものではないでしょうか。
実は生成AIは奥が深く、使いようによっては様々なことに流用できる便利な技術なのです。まずは、生成AIとはどのようなものか見ていきましょう。
生成AIと従来のAIの違い
もともとAIは、事前に学習させたデータの中から最適な回答を出力する技術でした。従来型のAIだと、入力データに対して「Yes」か「No」で出力したり、数値を予測したりといった単一のタスクしか実行できません。
それに対し生成AIは、オンラインで学習した情報をもとに、文章 / 画像 / 音楽など新しいコンテンツの生成が可能。よりマルチでクリエイティブなデータが出力できるんです!
生成AIの導入効果・成功事例
生成AIを業務で活用することによって、新規商品のアイディア出しやカスタマーサポートでの問い合わせ時間短縮、業務の効率化など様々な場面で活躍します。
生成AIを導入する企業はまだまだ多くありませんが、今後多くの企業で導入されることが予想されます。ほんの一例ですが、導入事例を下記にまとめましたので、参考までにご確認ください。
- NEC|資料作成時間を半減、議事録作成も5分に短縮!
- Duolingo|語学アプリ「Duolingo」にGPT-4搭載、AIとの会話で言語学習
- アサヒビール|アサヒビール、生成AIを活用した社内情報検索システムを導入、商品開発や業務効率化に活用
- ナウキャスト|生成AI/LLMの業務利用における「良い開発テーマの選び方」─ナウキャストが活用成果を報告
- サッポロビール|サッポロビール、Teamsと連携したAIチャットボットで社内の問い合わせを効率化、社員の過半数が利用
生成AI導入を阻む5つの課題
前述の通り、生成AIは活用できれば非常に便利なツールであることに間違いありません。
しかし、生成AIを導入するには越ねばならない壁が存在します。今回はその中でも特に重大な5つの課題について紹介します。
ITに強い人材の不足
近年、少子高齢化・IT技術の需要拡大・DX推進企業の増加により、IT人材の需要が拡大しています。それにともなって、IT人材不足が深刻な問題となっているのです。
経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年には最大78.7万人ものIT人材が不足するとのデータが出ており、年々IT人材不足が深刻化すると予想されています。
それに加え、昨今の技術進化により個々のスキルにも格差が広がっており、社員ひとりひとりのスキルを明確に把握できないという問題もあります。
参考記事:IT人材需給に関する調査
生成AI特有のテクニック
生成AIを使用する際には、「プロンプト」と呼ばれる質問や命令を入力します。例えば、「柴犬の絵を出力して」と入力すれば柴犬の絵は出力されますが、想像していた毛色や年齢と違う柴犬が出力されたりと思い通りに出力されないということも多々あります。
このように、プロンプトの内容によって出力される内容や質は大きく変わるため、正確なプロンプトを入力する技術が必要です。
生成AIの回答が含むリスク
膨大なデータから回答を出力してくれる便利な生成AIですが、出力される回答にはリスクが潜んでいます。代表的なものを挙げると……
- 生成AIが実際のデータと異なる情報を生成するハルシネーション
- 生成AIによる個人情報や機密情報の流出
- コンプライアンスに欠ける回答
といったリスクは、生成AIと切っても切れません。
さらに、出力した回答の基となるデータには性別や人種といった差別的な情報が含まれてしまう場合があります。そのため、社会的背景に基づく偏りや差別的な内容など、倫理上のリスクがある回答が生成される可能性があります。
上記のようなリスクを回避するためには、生成AIが出力した回答を最終的に人間が確認することが必要不可欠です。
セキュリティ上のリスク
通常、機密情報や個人情報などは、生成AIから出力されないように制限がかけられているため出力することはできません。しかし、そういった制限も必ずしも完璧ではなく、抜け道が存在します。
例えば生成AIだと、自分が開発者であるように誤認させて制限を解除することが可能です。そうなってしまった場合、社内の重要なデータが抜き取られてしまいます。
著作権上のリスク
生成AIは膨大なデータから学習し、プロンプトに対して最適な出力を行います。その結果、既存作品に酷似しているものや派生モデルが出力されてしまい、知らない間に著作権を侵害する可能性があります。
特に画像生成AIにおける著作権問題は複雑です。たとえばアメリカでは、画像生成AIを開発・リリースしているStablity AIやMidjourneyなどを相手取って集団訴訟が提起されました。
しかし、各国における著作権法の違いや著作物としての依拠性を追求することが難しく、まだまだ生成AIにおける著作権問題について未解決な部分が多いのが現状です。
なお、その他のリスクや対策について知りたい方はこちらをご覧ください。
→ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説
生成AIアドバイザリーの支援内容5選
このように、生成AIを導入するには技術的な問題に加え、著作権や人材不足といった大きな壁があることによって導入できない企業も多いでしょう。
しかし、これらの問題を解決できる生成AIアドバイザリーサービスというものが存在します。次の章では、生成AIアドバイザリーサービスとはどのようなものなのかを解説します。
生成AIの導入・活用支援
企業ごとに生成AIが活躍できる場面は異なり、専門知識がなければ適切に生成AIを導入することは困難です。
しかし生成AIアドバイザリーサービスなら、専門家が企業ごとに適用可能性のある業務を選定、企業に適した生成AIの導入・活用方法の提案まで行ってくれます。
プロンプトのアドバイス
前述にもあるように、プロンプトは適切に入力しなければ、求める情報が正確に出力されないということが多々あります。業務効率を上げるために導入したのに、誤った情報ばかり出力されては意味がありませんよね。
生成AIアドバイザリーでは、プロンプト作成のためのヒアリングやアドバイスをはじめ、プロンプトを試行する代行サービスなどがあります。
生成AIやAIツールの開発支援
技術的なアドバイスやプロジェクトの進行を支援するサービスも、生成AIアドバイザリーの一環です。例を挙げると……
- 専門知識の提供
- アルゴリズムの開発支援
- AIの学習支援
といったサポートが受けられるんです。企業や個人が新しいAIソリューションを開発する際に、支援があると助かりますよね。
その他にも、適切なデータセットの選定や性能の最適化など、培ってきたノウハウをベースに効果的なサポートをしてくれます。
社内データ活用のアドバイス
これまでの蓄積された社内データを生成AIに学習させることで、より正確に業務が効率化できます。生成AIアドバイザリーサービスでは、こういった学習の工程もサポートしてくれるんです。たとえば、専門家によるヒアリングなどが受けられますよ。
AIアドバイザリーがあれば、戦略的かつ効果的にデータを活用してくれる生成AIだって、構築できるでしょう。
生成AIに関するリスク管理
生成AIを利用することで、思わぬところで情報漏洩や著作権侵害を起こしてしまうといったリスクが存在します。
生成AIアドバイザリーサービスでは、生成AI特有の新規リスクの抽出と対策方針の検討をし、企業に合わせた支援が可能です。
なお、企業における生成AIのリスクについて知りたい方はこちらをご覧ください。
→生成AIの企業利用・開発のリスクとその対策を解説!開発失敗事例も紹介
生成AIアドバイザリーを行うおすすめ企業9選
生成AIアドバイザリーといっても、企業によって得意な分野がそれぞれ違います。今回は、各企業の特徴とともに、アドバイザリーを行うコンサルを9つ紹介します。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社は、自社での生成AIの業務適用を積極的に推進してきました。
そこで培ってきたノウハウを活かして、伝統工芸と生成AIのコラボレーションなど、他社への生成AIの適用にも取り組んでいます。
生成AIに関する勉強会や生成AIテーマの抽出の技術面の支援・プロンプト代行・生成AIをシステムに組み込むアドバイスなど、幅広い面でサポートしてくれますよ。
公式ページ:お客様の業務や業界特性に合わせた生成AIの利活用を支援するアドバイザリサービス
PwC Japanグループ
PwC Japanグループが提供するサービスは、PwCグループ各社のメンバーで構成された生成AIの専門タスクフォースを組織しているのが特徴です。
AIの実績・知見に加え、多岐にわたる専門家と連携し、企業のニーズに合わせた生成AI市場への参入、利活用の観点から包括的にサポートします。
公式ページ:生成AI(Generative AI)コンサルティングサービス | PwC Japanグループ
デロイト トーマツ
デロイト トーマツ グループでは、AIエキスパート連携組織であるDeloitte AI Instituteを中心に、生成AI活用支援サービスを提供しています。このAIアドバイザリー部門では……
- コンサルティング
- 監査・アシュアランス
- 税務
- 法務
- リスクアドバイザリー
- フィナンシャルアドバイザリー
などの各専門家が連携。さらに国内外のAI専門家ネットワークも活用し、生成AIの戦略的活用などの実現をサポートします。
公式ページ:生成AI(Generative AI)から企業価値を生みだす方法|Deloitte AI Institute
KPMGジャパン
監査・税務・アドバイザリーの3分野からなるKPMGジャパンは、独自のノウハウや知見を基にサービスを展開しているのが特徴です。
生成AIの分野においては、財務経理領域や金融機関向け対話AIの開発・導入に係るアドバイザリーサービスを展開しています。
公式ページ:KPMGジャパン、生成AI利活用支援サービスの提供を開始
株式会社LIG
「DX人材の提供・育成で、顧客の課題を解決する」をモットーに掲げる株式会社LIGは、AIを活用したDXを支援するサービスを展開しています。
社外の有識者と連携し、最新のAIの知見を積極的に取り入れており、AI関連の技術・サービスの中から最適な選択肢を提案・導入までサポートしています。
公式ページ:生成AIコンサルティング | 株式会社LIG(リグ)|DX支援・システム開発・Web制作
株式会社リブ・コンサルティング
株式会社リブ・コンサルティングはビジネス主導 & DX主導の2つのアプローチから、生成AIの導入を支援してくれます。生成AI特有のリスクを抑えながら、いち早く生成AIを使いたい場合にうってつけです。
各企業の希望に沿ったサポートが可能で、顧客満足度も95%と高いところもポイントです。
公式ページ:生成AI(Generative AI)活用コンサルティング
Ridgelinez株式会社
Ridgelinezは富士通グループと連携していることもあり、AI技術のトレンドや内容の把握に長けています。
さらに自社内でのChatGPT Plusの活用で得た知見と、富士通人工知能研究所の最新AI技術やAI倫理研究などの知見が組み合わせることで、幅広い分野でのサポートが可能です。
公式ページ:生成系AIコンサルティングサービス | Ridgelinez (リッジラインズ)株式会社
アバナード
世界最大のコンサルファーム・アクセンチュアとMicrosoftの共同出資により設立された戦略的合弁会社であるアバナード。Microsoftが送る、OpenAI公認のAzure OpenAI Serviceを活用した、様々な分野のサポートを行っています。
さらにアバナードは、技術力でも世界トップレベルなんです!Microsoftの認定資格を60,000件以上取得していたり、数千人のAI技術者とAzureデータスペシャリストが在籍していたりと、競合他社にはない強みをもっています。
公式ページ:生成AI | アバナード
クラスメソッド株式会社
クラスメソッドの強みは、社内データを活用した業務の効率化にあります。カスタマーサービスの問い合わせ業務の改善や、音声と生成AIを活用した電話受付業務改善などの実績が多いのが特徴です。
AIアドバイザリーの内容は多岐に渡り、自社専用の生成AI構築から業務改善のコンサルティングまで対応しています。
公式ページ:生成AIコンサルティング | クラスメソッド株式会社
なお、国内企業におけるChatGPTの導入事例について知りたい方はこちらをご覧ください。
→ChatGPTの日本企業導入事例をまとめて紹介!業務に導入するメリットや注意点も解説
弊社の生成AI顧問・アドバイザリーについて
弊社・株式会社WEELでは生成AI顧問・アドバイザリーでは、AI分野の最新情報をお伝えしています。当サービスでは新しいAI技術が登場するたびに、お客様のビジネスについて
● どの業務に適用できるか
● どんなことができそうか
● 情報流出のリスクはないか
● 導入して競合優位性が得られそうか
といった観点から導入を提案・打診いたします。詳しい内容や料金につきましては、下表をご覧ください。
AIツールの導入支援・活用案 | |
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期間 | 2〜4ヶ月 |
内容 | ・現状分析 ・提案書の作成 ・導入支援 |
見積もり額 | ¥ 600,000 ~1,200,000(月額30万〜) ※対象規模により変動 |
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生成AIアドバイザリーの活用が業務改善につながる
このように、生成AIの導入やリスク管理は難しく、自社だけで完結させるにはハードルが高いんす。
しかし生成AIアドバイザリーサービスを利用すれば、過剰なリソースを割くことなく、安全に生成AIが活用できます。
生成AIは今後もますます進化し、我々の生活に溶け込んでくる存在となっていくでしょう。もし、導入を少しでも検討されているのであれば、一度アドバイザリーサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
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