Midjourneyは商用利用できる?条件や料金プラン、注意点まで徹底解説
みなさんは、ハイクオリティな画像を生成できる画像生成AI「Midjourney」を使っていますか?
実は、Midjourneyは企業の方やインフルエンサーなどにとって嬉しい「商用利用ができる」画像生成AIなんです。ただし、商用利用には条件が定められており、その条件を満たさなければ問題が起きてしまうことも。
- 商用利用には有料プランへの加入が必須
- 高スペックなデバイス不要で手軽に始められる
- 最新バージョン「V6.1」では、プロンプトの精度やテキスト描写機能が向上
この記事では、Midjourneyの商用利用とそのメリットや活用事例、料金プランの詳細などについて詳しく解説します。Midjourneyを商用利用する際に注意すべきポイントもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Midjourneyとは
Midjourney(ミッドジャーニー)とは、2022年にLeap Motion社の共同設立者であるDavid Holz氏が代表を務める研究チームによって開発された画像生成AIです。
ボイス・テキストコミュニケーションツールの「Discord」版とWeb版があり、簡単なプロンプト入力のみで非常に精巧な画像を生成できます。
2024年12月12日現在の最新バージョンは「V6.1」で、イラストから写実画、アートまで非常に高いクオリティの画像生成ができることで注目を集めています。
バージョンアップ前は、より高画質な画像を生成するために「4k」や「8k」「Photorealistic」などのプロンプト入力が必要でしたが、「V6.1」のアップデートによってそれらのプロンプトは必要なくなりました。
さらに、「V6.1」では画像内に正しいテキストを入れられる機能も追加されました。文字入れ機能は、Stable DiffusionやDALL-E 3など他の画像生成AIではすでに使えていますが、Midjourneyでは最新バージョンでやっと使えるようになったようです。
なお、Midjourneyについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Midjourneyの商用利用について
結論から言うと、Midjourneyは商用利用が可能です。ただし、商用利用には決められた条件を満たす必要があります。
まず、Midjourneyにおける成果物の権利関係については、利用規約の「4. Copyright and Trademark」に以下のように記載されています。
Rights you give to Midjourney
By using the Services, you grant to Midjourney, its successors, and assigns a perpetual, worldwide, non-exclusive, sublicensable no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare Derivative Works of, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute text, and image prompts you input into the Services, or Assets produced by the service at your direction. This license survives termination of this Agreement by any party, for any reason.
引用:Terms of Service
基本的に生成した資産に関して複製や派生物の作成、公開、サブライセンスの発行、配布などについて著作権を許諾するとなっているので、成果物の権利は生成したユーザーにあるということです。
ただし、権利の所有には例外があると記載されています。例外は、以下の2つのパターンです。
1. If You are not a Paid Member, You don’t own the Assets You create. Instead, Midjourney grants You a license to the Assets under the Creative Commons Noncommercial 4.0 Attribution International License (the “Asset License”). The full text is accessible as of the Effective Date here: https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/legalcode.
引用:Terms of Service
有料会員では無い場合に生成された画像については、MidjourneyからCreative Commons Noncommercial 4.0 Attribution International Licenseが付与され、商用利用は不可となります。
つまり、Midjourneyで生成した画像を商用利用するためには必ず有料プランに加入しなければならないということですね。と言っても、2024年12月時点でMidjourneyに無料プランはありませんので、この点は心配ありません。(プランについては後ほど詳しく説明します。)
もう1つの例外は以下のとおり。
2. If You are an employee or owner of a company with more than $1,000,000 USD a year in gross revenue and You are using the Services on behalf of Your employer, You must purchase a “Pro” membership for every individual accessing the Services on Your behalf in order to own Assets You create. If You are not sure whether Your use qualifies as on behalf of Your employer, please assume it does.
引用:Terms of Service
つまり、年間100万ドル以上(日本円で1.5億円以上)の収入のある企業で商用利用が必要な場合は、Pro Plan(またはMega Plan)への加入が必須ということです。
\画像生成AIを商用利用する際はライセンスを確認しましょう/
Midjourneyを商用利用するメリット
Midjourneyを商用利用するメリットは、主に以下の3つです。
- ほかのユーザーが生成した画像が見れる
- スペックの高いデバイスが不要
- クオリティの高い画像を生成できる
1つずつ見ていきましょう!
他のユーザーが生成した画像が見れる
Midjourneyでは、他のユーザーが生成した画像を閲覧できます。
Discord上でも閲覧できますが、MidjourneyのWeb版であればアカウントを持っていなくても他の人の生成した画像を見ることができます。
気に入った画像があれば、その画像のプロンプトをコピーして使うことも可能です。
Midjourneyで参考にする画像のプロンプトをコピーして他の無料画像生成AIで画像を生成する、という使い方もできますね。
スペックの高いデバイスが不要
Midjourneyは、誰でも簡単に始められる点も大きなメリットです。
スペックの高いデバイスは必要なく、Discordを使用するためのデバイスとインターネット環境があればすぐに始められます。
また、MidjourneyのWeb版であればダウンロードをせずに、PC・スマホのどちらでもウェブブラウザを通じてアクセスできるので非常に使いやすいサービスです。
Web版の場合は操作も非常に簡単で、さらにDiscordアカウントに加えてGoogleアカウントでも登録ができるので便利です!
クオリティの高い画像を生成できる
Midjourneyの生成クオリティは非常に高く、最新バージョンの「V6.1」はもはや実写レベルのクオリティです。
最新のアップデートでは、画像の品質とプロンプトの理解度が大幅に向上し、より自然で精巧な画像が生成できるようになりました。特に、人物の描写においては群を抜いており、肌のテクスチャやしわの再現、表情などがよりリアルに近づいています。
また、テキスト生成精度の向上により、プロンプト内の引用符(“ ”)で囲まれた単語を、画像内に正確に描写できるようになりました。
広告デザインやWebコンテンツの画像作成、アート開発など、Midjourneyの進化によってクリエイティブ分野はもはや生成AIの時代と言っても過言ではありません……
Midjourneyの活用事例
ここでは、X上で見つけたMidjourneyの活用事例をいくつかご紹介します。ぜひMidjourney活用の参考にしてください。
事例①CMの作成
こちらのポストでは、複数の生成AIを活用して企業CMを作成しています。
基となる画像をMidjourneyで生成し、それをLumaLabsAIで動画化、さらにSuno AIで動画にピッタリの楽曲を生成して1つの完璧なCMとして仕上げています。
画像のクオリティはもちろん、動画・楽曲ともに全く違和感がありません。
これはまさに、企業CMや広告の在り方を覆す活用方法ですね!
事例②ゲームに登場するキャラクターの生成
こちらのポストでは、Midjourneyでゲームキャラクターを生成し、さらに複数の生成AIを活用してオリジナルゲームを制作しています。
Midjourneyで生成したキャラクター画像をCSM AIで3D化+AdobeのMixamoでアニメーション化。さらに、テキストプロンプト入力でゲームや映像制作に使用できる360度のパノラマ背景を作成できるBlockadeLabsでゲームの3D空間を作成して、まるで本物のゲームのような仕上がりになっています。
Midjourneyを活用すれば、プロ並みのクオリティでゲームキャラクターも作れてしまうんです…!
事例③塗り絵の作成
こちらのポストでは、Midjourneyを活用して塗り絵を作成しています。
インターネット上にあるものだと好みの構図やイラストが見つからないことも多いですが、Midjourneyであれば自分で好きなようにイラストを作成できます。
また、有料プランに登録して生成した画像であれば商用利用ができるので、アート販売プラットフォームやKindleなどを利用して販売することも可能です。
子どもの遊び用としても、大人の趣味としても大活躍しそうですね!
Midjourneyの料金プラン
2024年12月現在、Midjourney料金プランはBasic・Standard・Pro・Megaの4種類展開されています。
料金と主な機能は、画像下の表を参考にしてください。
Basic Plan | Standard Plan | Pro Plan | Mega Plan | |
---|---|---|---|---|
料金 | 10ドル/月 (年間契約は8ドル/月) | 30ドル/月(年間契約は24ドル/月) | 60ドル/月(年間契約は48ドル/月) | 120ドル/月(年間契約は96ドル/月) |
Fast GPU time | 約3時間/1ヵ月 | 15時間/1ヵ月 | 30時間/1ヵ月 | 60時間/1ヵ月 |
Relax GPU time | – | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
GPU timeの追加購入 | 4ドル/1時間 | 4ドル/1時間 | 4ドル/1時間 | 4ドル/1時間 |
ステルスモード | – | – | 〇 | 〇 |
プロンプトの同時実行 | 3 | 3 | Fast GPU :最大12Relax GPU:最大3 | Fast GPU :最大12Relax GPU:最大3 |
生成の上限 | 月に200枚まで | – | – | – |
- Fast GPU:
GPUの高い並列処理能力を活かして、通常よりも速く画像を生成することができます。 - Relax GPU:
通常の速度で画像を生成します。Fast GPUの有効時間を使い切ると、自動的にRelax GPUに切り替わります。 - ステルスモード:
自分が使用したプロンプトを完全に非公開にできる機能です。Pro Planから利用できます。
2024年8月頃までは、無料プランやWeb版のみ利用できる無料サービスもありましたが、利用者の急増に伴うサーバーへの負荷や生成画像の悪用などの理由で廃止されました。
Midjourneyを利用したい場合は、有料プランへの加入が必要です。
Midjourneyを商用利用する際の注意点
Midjourneyは商用利用可能な画像生成AIですが、商用利用の際にはいくつか注意すべき点があります。
注意点は主に以下の2つです。
- 著作権などの侵害リスクがある
- 日本語からの画像生成ができない
1つずつ解説します。
著作権などの侵害リスクがある
Midjourneyに限らず、画像生成AIを利用する際に最も気を付けるべきポイントは「著作権」についてです。
特に、Midjourneyが学習データに用いた画像のアーティスト名を記載したリストが流出したことで、アメリカで大規模な訴訟問題に発展した経緯があります。※1
リストに記載された1万6千人のアーティストの中には、近現代の著名なアーティストが名を連ねていました。
Midjourneyをはじめとした画像生成AIの学習データに含まれるアート作品の著作権をめぐる問題は、アメリカだけでなく日本でもまだ確定的な法的解釈は定められていません。
著作権問題が解決していない以上は、Midjourneyを利用する際に既存アーティストの作品に類似・酷似した画像を生成する可能性のあるプロンプトを入力しないことが重要です。また、意図せずそのような画像を生成した場合も、自分で楽しむ程度に留め商用利用は避けましょう。
日本語からの画像生成ができない
Midjourneyは主に英語入力をベースとしており、日本語の精度はそれほど高くありません。日本語での入力も可能ですが、英語で入力したほうがより精度の高い結果を得られます。
DeepLなどの翻訳ツールを活用して英語入力を行うのがおすすめですが、どうしても日本語入力をしたい場合は、日本語特有の抽象的な表現は避けて具体的な単語やフレーズを使いましょう。
また、日本語のテキストを画像内に正確に反映させるのもまだ難しく、特に漢字を含む場合は文字化けすることが多いです。
なお、商用利用可能な画像生成AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Midjourneyを活用しよう
Midjourneyは、ハイクオリティな画像を生成できて商用利用も可能な画像生成AIです。
特に人物描写の精度は非常に高く、もはや実写と見間違うほどのクオリティです!
有料会員であれば商用利用が可能なので、企業用広告やYoutubeのサムネイル、SNS用としても安心して使うことができます。
ただし、Midjourneyに限らず画像生成AIの利用には著作権問題が伴うことも忘れてはいけません。特にMidjourneyは、インターネット上に存在するアーティストの作品を学習データに用いており、実際に作品を使用されたアーティストたちから訴訟を起こされた経緯があります。
既存の作品に類似・酷似した画像を生成しないことはもちろん、生成してしまった場合は商用利用しないよう注意しましょう。
商用利用ができる画像生成AIは、個人にとっても企業にとっても非常に便利なAIツールなので、注意点をふまえたうえで上手くMidjourneyを活用してくださいね!
最後に
いかがだったでしょうか?
「Midjourney」の商用利用を検討中の方は、条件や注意点をクリアし、高品質な画像を生成してみてください。また、自社独自の環境を用意することでオリジナリティあふれる画像を作成することも可能になります。
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