OpenAI史上最高の推論モデル「o3」使い方・性能比較・料金まで徹底解説

OpenAI 推論モデル o3 使い方 性能比較 料金
押さえておきたいポイント
  • OpenAI発の最新大規模言語モデル、従来モデルを圧倒する性能を誇る
  • ツールを自律的に組み合わせて問題解決
  • マルチモーダルなタスクも統合的に対応

2025年4月17日、OpenAIが「o3」モデルをリリースしました!

GPT-4までの従来モデルと比べ、「より長く考えてから回答する」ことを特徴とする「oシリーズ」の第3世代モデルであり、2025年4月時点で最も高性能なモデルの一つです。

「o3」は、ChatGPT環境において、ツールのフル活用が可能で、ウェブ検索・コード実行(Python)・ファイルや画像の解析・画像生成といったあらゆるツールを自律的に組み合わせて問題解決できる初のモデルとなっています。

​本記事では、「o3」の特徴や料金プラン、従来モデルとの性能比較まで徹底解説します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

OpenAI o3の概要

o3は、OpenAIが2025年4月17日(米国時間16日)に公開した最新の大規模言語モデルです。

ユーザからの質問に対し、内部で段階的に推論を重ね、必要に応じてツールを使い分けながら数分以内に詳細な回答を生成します。

参考:https://openai.com/index/introducing-o3-and-o4-mini/

このようなエージェント的な振る舞いにより、複雑なマルチステップの課題にも従来以上に効果的に対処でき、ChatGPTの知的生産性を大きく向上させています。

また、o3は、コーディング、数学、科学、視覚的認識など幅広い分野で最先端の性能を示し、「Codeforces」や「SWE-Bench」、「MMMU」といったベンチマークで新たなSOTA(最高性能)を記録しています​。

参考:https://openai.com/index/introducing-o3-and-o4-mini/

特に、上記画像の「SWE-Bench」においては、これまで最高性能を誇っていたClaude 3.7 Sonnetの「62.3」を約7ポイントも上回る性能となっています。

o3は、多面的な分析が必要な複雑な問いに強く、画像・図表の解析など視覚情報を伴うタスクでも高い能力を発揮します。

外部専門家による評価もOpenAI公式HPにて報告されており、困難な現実世界タスクでo1(初代モデル)に比べ、重大な誤答を20%程度削減し、プログラミングやコンサルティング、創造的アイデア出しなどの領域で大きく性能向上しているとされています。

先行モデルGPT-4と比べても、長い推論を要する問題や、高度な専門知識を伴う質問でより高精度な回答を導き出す傾向があり、総合的な思考力が飛躍的に向上しています。

OpenAI o3の訓練手法

o3は、従来のGPT-3やGPT-4系列とは訓練手法が一部異なっています。

GPT-4が、膨大なテキスト予測による事前学習と人間フィードバック調整を経て高性能化したのに対し、o3は、大規模強化学習を通じて「考えるプロセス」自体を深めるアプローチを取っています。

このアプローチによって、例えば、数学の難問や長いコードのバグ修正といった多段推論が必要な課題で、GPT-4やGPT-4.5を上回る問題解決力を発揮します。

また、ChatGPT上でウェブ情報を検索・引用したり、アップロードファイルを分析したり、画像を生成したりといったマルチモーダルなタスクもo3は統合的にこなせます

従来は、個別のプラグインで対応していた機能がモデル本体に統合された形であり、ユーザから見るとGPT-4世代よりシームレスに高度なツールを利用できる点が大きな違いです。総じて、o3は、知能と有用性の新たな基準を打ち立てた画期的なモデルといえますね・・!

OpenAI o3のライセンス

o3は、OpenAIのクラウドAPIおよびChatGPTサービスを通じて提供されるモデルであり、オープンソースの形でモデル自体が公開されているわけではありません。

そのため、モデルの利用に関するライセンスは、主にサービス利用規約によって定められています。

スクロールできます
利用用途可否備考
商用利用⭕️
改変❌️モデルの重み・コードは非公開のためユーザ側で変更不可
配布❌️モデルはOpenAIのサービス内でのみ利用可能
特許使用❌️
私的使用⭕️

o3のモデルそのものは公開されていないため、ユーザがモデルを直接入手して改良・再配布することはできません

一方で、OpenAIの利用規約により生成されたテキストなどのアウトプットはユーザに権利が帰属し、商用利用を含め自由に使用・共有できます​。

つまり、o3を使って得られた回答や成果物は制限なく活用できますが、モデル本体についてはOpenAIのプラットフォーム上でのみ利用可能となっています。

また、OpenAIは本モデルに関連する技術特許を保有していますが、通常のAPI利用においてユーザが特別な手続きを取る必要はありません。

詳細は、OpenAIコミュニティサイトやOpenAI公式HPを確認するようにしましょう。

o3 料金プラン

o3を利用するには、大きく分けて「ChatGPT経由で使う方法」と、「OpenAI API経由で呼び出す方法」の2つがあります。

それぞれ利用できるプランがいくつか用意されており、基本的には有料プランへの加入やAPIの従量課金が必要です。以下の表に主なプランと料金をまとめます。

スクロールできます
プラン料金(税込)
Plus$20/月(¥2,700)
Pro$200/月(¥30,000)​
Team$30/ユーザ (月額、月払いの場合)
※年契約なら$25/ユーザ/月
Enterprise要問い合わせ (カスタム契約)

上記のサブスクリプションとは別に、OpenAI APIでo3を呼び出す際は、トークン数に応じた従量課金となります。o3は最も高性能なモデルであるため、料金も高めに設定されているようです。

参考までに、OpenAI公式のAPI価格では、o3は入力1Mトークンあたり$10.00出力1Mトークンあたり$40.00と案内されています​。

OpenAI o3の使い方

o3を利用するまでの基本的な流れを、ChatGPTユーザ向けとAPI開発者向けに分けて解説します。

ChatGPT利用者向け

OpenAI/ChatGPTへの登録:未登録の方は、OpenAIのアカウントを作成し、ChatGPTにログイン。PlusやProの有料プランに加入することでo3モデルが選択可能です。

モデルの選択(ChatGPT UI):ChatGPTのインタフェースから、新規チャットを開きモデルを選択します。無料プランでは既定で高速応答のGPT-4o-miniが使われますが、メッセージ入力欄の左側にある〈Reason〉ボタンを選択することでo3-mini(推論モデル)を使用できます。Plusプランでは、モデル一覧からGPT-4やGPT-4.5に加えOpenAI o1やo3-miniを選択可能です。Proプランの場合は、利用制限なくこれらを選べます。モデルを選択したら通常どおりメッセージを入力し送信するだけで、o3の高度な推論能力を体験できます。

API開発者向け

APIキーの取得:自前のアプリケーションやコードからo3を使いたい方は、OpenAIのダッシュボードからAPIキーを取得します。その上で有料アカウント(Pay-as-you-go課金)を有効化し、必要に応じて上位モデル利用の申請または利用枠の拡大を行います​。

APIでモデルを呼び出す:OpenAIが提供する公式クライアントライブラリを使うか、HTTPリクエストを作成してChat Completions APIエンドポイントにアクセスします。リクエストJSON内で、modelパラメータに「openai-o3」を指定し、messagesフィールドにユーザのプロンプトを含めて送信します。o3はツール使用を伴う高度な推論を行うため、場合によっては追加のパラメータ指定が可能です。

応答の受信と処理:o3からの応答が返ってきたら、ChatGPT UI上ではテキストが表示されますが、API経由の場合はJSON形式で回答が得られるので、自分のアプリで必要に応じて表示形式を整えたり、他の関数に渡したりします。o3は回答中で外部情報を参照した場合、出典URLを【†】付きで明示してくれます​。回答内容の妥当性を検証しつつ、必要なら追加の質問を投げるなど対話を継続してください。

以上が基本的な利用フローです。「ChatGPTのモデル切替機能を使う」か「APIでモデル指定して呼び出す」ことでo3を利用することができます。特に、コード生成やデータ分析などエンジニア向け用途では、o3の推論能力とツール使用を組み合わせることで、人手では困難なタスクも自動化できる可能性があります。

次章では、具体的なタスク例と旧モデルとの比較検証をしていきます!

OpenAIの「o3」 VS 「o1 pro」性能比較してみた!

では実際に、o3の実力をいくつかのタスクで試し、旧世代モデル(ここではo1 pro modeを対象とします)との違いを比較してみましょう。

以下ではコーディング・英語・数学の代表的な3つのタスクについて、o1 proとo3の回答例を簡単に紹介します。

コーディングタスク

プロンプト(意図:複数の条件を組み合わせたソートが必要で、コードの正確性と網羅性が求められる。)
以下の整数リスト{test_numbers}について、素数は小さい順にソートし、それ以外の数は大きい順にソートして結合した新しいリストを返すPython関数を実装せよ。

test_numbers = [
    29, 45, 2, 14, 5,
    37, 21, 11, 44, 8,
    17, 9, 23, 31, 4,
    28, 13, 6, 19, 35
]
o1 pro 結果
import math

def is_prime(n: int) -> bool:
    """nが素数ならTrue、そうでなければFalseを返す"""
    if n < 2:
        return False
    for i in range(2, int(math.sqrt(n)) + 1):
        if n % i == 0:
            return False
    return True

def rearrange_numbers(numbers: list[int]) -> list[int]:
    """素数は小さい順、非素数は大きい順にソートして連結したリストを返す"""
    primes = []
    non_primes = []
    
    for num in numbers:
        if is_prime(num):
            primes.append(num)
        else:
            non_primes.append(num)
    
    # 素数は小さい順、非素数は大きい順に並べて連結
    return sorted(primes) + sorted(non_primes, reverse=True)

# 動作確認
test_numbers = [
    29, 45, 2, 14, 5,
    37, 21, 11, 44, 8,
    17, 9, 23, 31, 4,
    28, 13, 6, 19, 35
]

result = rearrange_numbers(test_numbers)
print(result)


# 関数実行結果
[2, 5, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 45, 44, 35, 28, 21, 14, 9, 8, 6, 4]
o3 結果
実装のポイント
素数判定 is_prime

2 だけは特別に素数とみなし、以降は偶数を除外。

√n まで奇数で割り切れるかをチェックし、高速化しています。

リスト内包表記で分割

primes : 素数だけを抜き出して 昇順 sorted()

non_primes : それ以外を抜き出して 降順 sorted(reverse=True)

結合して返却

primes + non_primes で要件どおりの新しいリストが得られます。

def sort_primes_first(nums):
    import math
    def is_prime(n):
        if n < 2: return False
        if n == 2: return True
        if n % 2 == 0: return False
        for i in range(3, int(math.isqrt(n)) + 1, 2):
            if n % i == 0:
                return False
        return True

    primes      = sorted([x for x in nums if is_prime(x)])           # 昇順
    non_primes  = sorted([x for x in nums if not is_prime(x)], 
                          reverse=True)                              # 降順
    return primes + non_primes

実行例(上のセルで確認済み)
入力 test_numbers に対する出力:
[2, 5, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 
 45, 44, 35, 28, 21, 14, 9, 8, 6, 4]

必要に応じて関数名やドキュメント文字列を変更してお使いください。

o1 proは、基本的なアルゴリズムで要件を満たし、結果も正確ですが、素数判定で偶数スキップやisqrt未使用など効率改善余地が大きく、コメントも最小限となっています。

対してo3は、偶数を先に除外しisqrtでループを半減、リスト内包で簡潔化するなど最適化が光っています。丁寧なドキュメントと計算量説明付きで学習コストを下げ、実装意図を言語化している点も高評価ですね!

英語タスク

プロンプト(意図:日本語特有の表現「煮え切らない態度」(=はっきりしない態度)を含み、直訳では不自然になるため文脈を踏まえた意訳が求められる。)
「彼は煮え切らない態度で返事をした。」を英語に翻訳して。
o1 pro 結果
「彼は煮え切らない態度で返事をした。」の自然な英語訳の例としては、以下のように言えます。

He gave a noncommittal response.

He responded in a noncommittal manner.

He answered vaguely, showing no clear commitment.
o3 結果
He gave a half‑hearted reply.

o1 proは、noncommittalを軸に三つの訳を並べ、意味を過不足なく表現していて問題なさそうですが、語感はややフォーマルで硬質な印象です。口語的な温度感が控えめな分、実運用ではトーンを調整する必要がありそうですね。

対してo3は、一文勝負で half‑hearted を採用しており、煮え切らなさを自然な口語に落とし込むセンスが光っていますね。語数はコンパクトながらもニュアンスは十分で、即実運用可能な文章になっていると思います。

数学タスク

プロンプト(意図:大規模言語モデルは桁数の多い計算や累積和を苦手とすることがあるため、その挙動を比較。)
$1+2+...+100$の和を求めよ
o1 pro 結果
o3 結果

o1 proは、公式提示→代入→「50 × 101」の途中計算→結論と段階を丁寧に追い、視覚的にも理解しやすいですが、等差数列 Sn の一般式や記号的背景に触れておらず、数学的汎用性の示唆がやや弱い印象です。

対してo3は、冒頭で Sn = n(n+1)/2 と一般形を明示し、S₁₀₀ を定義して一気に 5050 に導く構成が端的で洗練されている印象。汎用的な記号法を取り入れ、より数学的な厳密さを感じさせる反面、途中計算を省くため初学者への視覚的補助は少なめで、簡潔さと専門性を両立した説明スタイルだといえます。

まとめ

「o3」は、深い推論と自律的なツール連携によってGPT‑4を上回る実用力を発揮する最新モデルです。

生成物は商用利用が自由に行えますが、モデル自体の改変や再配布は許可されていません。料金は、ChatGPTの定額プランとAPI従量課金を組み合わせて柔軟に選択できます。UIでモデルを選ぶかAPI呼び出しで利用するだけで、コード生成・翻訳・数学などでo1 proをも大幅に凌駕する精度と効率を得られます

まだ触れてない方は、ぜひ一度その性能の高さを実感してみてください!

最後に

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投稿者

  • WEEL Media部

    株式会社WEELが運営する生成系AI関連メディア「生成AI Media」は、AIの専門家によるWebメディアです。 AIに特化した編集部がAIの活用方法、導入事例、ニュース、トレンド情報を発信しています。

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