【生成AI企業事例】GPTsを使ってSEO記事をほぼ自動で作成する秘伝の方法
WEELメディア事業部編集長の佐井です。
みなさん、自分専用のGPTsを作ったことはありますか?
WEELメディア事業部では、記事構成やメルマガにGPTsを活用しており、月間最高130万PVを達成しております。
ということで今回は、WEEL秘伝・実用OKなGPTsの作り方をデモンストレーション付きで紹介します。
ぜひ、最後までお読みくださいね。
SEO記事執筆用のGPTsを作ってみた!
さっそく、GPTsの作り方を実践・スクショ付きで解説していきます。今回作るのは……
SEO記事を自動で執筆してくれるGPTs
です。まずは基礎の基礎「要件の洗い出し」から、詳しくみていきましょう!
要件の洗い出し
GPTsは自由度が高い……いや、高すぎます!
生成AIへの感度が高いみなさんなら、一度はGPTsに触れたことがあるはず。
その時に「結局GPTsって何ができるの?」「GPTsを作っているうちに方向性を見失った……」などなど、とっつきにくさを感じませんでしたか?
そこでGPTsを作るにあたって、強くおすすめしたいのが「要件の洗い出し」です。具体的には、GPTsを作る前に……
1.何をしたいのか
2.どこまで自動化したいのか
をブレーンストーミングします。
この一手間を加えるだけであら不思議、方向性を見失うことなく、しっくりくるGPTsが作れちゃうんです!
ではさっそく、上記テンプレートに今回の事例を当てはめてみましょう。すると……
- 何をしたいのか
- SEO記事の執筆の自動化
- キーワードから構成を、構成から記事本文を作る作業
- どこまで自動化したいのか
- メリット・デメリット等の抽象的な内容を扱う記事の執筆のみ
- ハルシネーションを考慮して、ツール紹介・最新情報は外す
- レギュレーションを守らせる
- 過去の記事を参照させる
以上のとおり、方向性が定まりました。これなら、GPTs作りで遭難しなくて済みますね!
データ・知識の準備
GPTsの機能「Knowledge」を使えば、PDFやCSVファイルの読み込みが可能。学習範囲外の知識についても、GPTsなら答えてくれるんです!
ということで、今回は記事の執筆に必要な知識を用意していきましょう。まず、必要な知識は……
● 記事のレギュレーション
● 過去の記事
です。このうちレギュレーションについては、秘伝の「WEELメディア執筆マニュアル.pdf」を読み込ませることにしました。
続いて過去の記事ですが、全記事を用意するのは面倒ですよね。
でも、大丈夫!先ほどの要件に従うと、一部省略できる記事があります。それは……
- ChatGPTを極める
- GoogleGeminiを極める
- 大人気のオープンソースツール
- 明日自慢したいAIトリビア
などなど具体的なツール・最新情報を扱う記事です。
ということで今回は、以下のカテゴリー「情シス・AI担当者向け」内の記事だけを読み込ませることにしました。
ファイル形式としては……
以上のとおり1行目に記事URL、2行目に記事本文を入れたCSVファイルとなっています。
入力と出力の定義
ここからは、GPTsのプロンプトの設計に入ります。まずはプロンプトの基礎設計、GPTsの入力・出力から定義していきましょう!
今作りたいGPTsで考えられる入出力のパターンは……
- キーワード&構成が入力部で、本文が出力部
- キーワードが入力部で、構成&本文が出力部
の2通りです。このうち生成のヒントがより多く示せるのは前者になります。
ということで、今回は「キーワードと構成から本文を生成してくれるGPTs」を作ることにしました。
中間処理の手順の定義
入力・出力の次は、その間の処理についても手順を定義していきます。
ここで重要なのは「いかに手順を言語化できるか」です。ついつい忘れてしまいますが、ChatGPT / GPTsは人間ではなく生成AI。したがって……
- わかりやすい日本語で書く
- こそあど言葉を使わない
- 手順を細かいステップに分ける
- 無意識に踏んでいる手順も説明する
- 現場のプレイヤーにヒアリングする(業務用GPTsの場合)
といったポイントを押さえて、くどいぐらいに言語化しちゃってください!
今回の記事執筆GPTsではキーワードと構成を入力し、レギュレーションを示しますので……
- PDFのレギュレーションを確認
- キーワードから読者のニーズ(潜在&顕在)を分析
- 分析結果をもとに導入文を出力
- 構成冒頭の見出しについて、文章を生成
- 続く見出しについても、文章を生成
- レギュレーションに従い、関連記事とバナーを挿入
という手順を定義しました。
プロンプトの入力
さて、知識・入出力・中間処理の下準備が終わりました。
次はみなさんお待ちかね、プロンプトの入力です!さっそく、ChatGPTにログインしてGPTsを作っていきましょう!
→ChatGPT
有料版(ChatGPT Plus / Team / Enterprise)のアカウントでログインすると……
おなじみのホーム画面が表示されます。ここで画面左側・サイドバーの青枠部分「Explore GPTs」をクリックしてみましょう。
GPT Storeが表示されましたね。ここから画面右上の青枠部分「+Create」を続けて選択!すると……
GPTsの作成画面が現れます。このままGPT Builderと対話しながらGPTsを作ってもよいのですが、それでは要件を定義した意味がありません。
ですので、青枠部分「Configure」をクリックしてみましょう!
するとConfigure、つまり直接GPTsを設計できる画面に切り替わりました。ここで青枠部分の……
- Instructions / GPTsの動作:プロンプトを入力し、GPTsを設計する欄
- Knowledge / 知識:PDFやCSVファイルをアップロードできる欄
をそれぞれ埋めていきます!今回はInstructionsに以下のプロンプトを、Knowledgeにレギュレーション&過去記事をそれぞれ入れてみました。
以上でGPTsは”ほぼ”完成!あとは動作確認と微調整を行っていきましょう。
動作確認・微調整
自然言語による命令は、ソースコードと比べてあいまい。したがってGPTsを作る場合は、動作確認&微調整が必須です!
さて、その手順なんですが……
このようにGPTs作成画面の右側「Preview」から、プロンプトによる動作確認ができます。そして動作に問題があった場合は、「Instructions」に入力したプロンプトを微修正すればOKです。
ということで、先ほど作った記事執筆GPTsの動作確認と微調整を行っていきましょう!まずは下記のキーワードと構成を「Preview」に入力していきます。
#キーワード
chatgpt マーメイド記法
#構成
H2:マーメイド記法とは
H2:ChatGPTでマーメイド記法を行うメリット
H2:ChatGPTでマーメイド記法で出力する方法
H3:シーケンス図
H3:ガントチャート
H3:フローチャート
H3:画像からマーメイド記法への変換
H2:ChatGPTでマーメイド記法を行う場合の注意点
H3:途中で出力が途切れることがある
H3:ハルシネーションなどのリスクに注意
H2:まとめ
記事の材料を入力してみると……
このように、導入文が返ってきました。ただ、こちらの導入文は319文字。つまり指定した文字数よりも長くなっちゃってますね。そこでInstructionsのプロンプトに……
- 最大 / 最小文字数
- 文字数を数える工程(Code Interpreter)
- 指定文字数までやり直す工程
- その他、抜けている工程の強調(罰の明記)
などを追記しました!修正後にもう一度、記事の材料を入力してみると……
このようにCode Interpreterによる、文字数のカウント機能が加わりました!その他、微修正を繰り返したプロンプトが以下になります。
「自分用の記事執筆GPTsを作ってみたい!」という方は、こちらのツイートのリプにメッセージをください!
ご連絡をいただいた方には感謝を込めて、生成AIに関するご質問にもお答えいたします!
これでGPTsが完成しました!続けて保存の方法もみていきましょう!
GPT Storeへの公開
GPTsの保存・公開は簡単!まずは作成画面右上「Save」をクリックしてみましょう。
するとこのように、公開設定用のバーが出てきます。あとは、バーの各項目で……
- Publish to(青枠):GPTsの公開範囲を指定
- Only me:自分だけに公開
- Anyone with a link:リンク経由でのみ公開
- Everyone:
- Category:GPTsのカテゴリーを指定(自動)
- Confirm:GPTsを保存
といった設定を行なえば、GPTsが完成します。ここまでお疲れ様でした!
GPTsで押さえたい3つのポイント
ここからは、GPTsを作る上で押さえたい3つのポイントを紹介します。手始めに、生成AIならではのプロンプトテクニックから、詳しくみていきましょう!
ポイント1.プロンプトテクニック
今回、GPTsの作成で参考にさせていただいたのは、深津貴之さん(note株式会社CXO)考案の「深津式プロンプト」です。深津式プロンプトとは……
#命令:
{キーワード}と{見出し}から最高の記事を出力してください。
#条件:
・{PDF}のレギュレーションを守ること
・{CSV}の文体を参考にする
#入力:
{キーワード}
{見出し}
#参考資料:
{PDF}
{CSV}
#出力:
というふうに、項目ごとに見出しを設ける書き方のこと。一般的な文章よりも、システマチックで無駄がありませんね。
他には「ChatGPT研究所」のnoteも参考とさせていただきました。ChatGPTマスターを目指されているみなさん、ぜひ以下をチェック&フォローしてみてください!
【深津貴之さん】
note:深津 貴之 (fladdict)|note
X(旧Twitter):深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) / X
【ChatGPT研究所】
note:ChatGPT研究所
X(旧Twitter):ChatGPT研究所 (@ctgptlb) / X
その他、GPTsにありがちなトラブルとその解決方法を下表にまとめました。
トラブル | 解決方法 |
---|---|
狙った生成物が出ない | プロンプトやKnowledgeを使って、明確なゴール・模範を示す |
生成物に過不足がある | 必要な要件やドキュメントだけを徹底的に洗い出す |
生成物を微修正したい | GPTs側からユーザーに逆質問させる |
命令への理解度が低い | 階層構造(マークダウン)でプロンプトを記述する |
命令が反映されない | 反映させたい箇所に、「守らないと罰を与える」と加える |
文字数に過不足がある | Code Interpreterで文字数をカウント、過不足があればやり直しを挟む |
なかでも、逆質問&罰は汎用性の高いプロンプトテクニック。ChatGPT/GPTsが思い通りに動いてくれないときは、とりあえず罰を与えてみましょう!
ポイント2.回答精度の限界
ChatGPTを含む生成AIは原理上、「自然にみえるコンテンツを確率的に生成する装置」です。したがって、「かゆい所に手が届く回答」はどうあがいても期待できません。
ただ、継続的に改善を繰り返すことで、完璧に近いGPTsは作れます。一度作ったGPTsに手を加えたい場合は……
GPTsの画面左上「Edit GPT」の欄をクリック!作成画面からGPTsの修正が行えます。
業務用GPTsの場合は、最前線・現場のプレイヤーに使ってもらうことが改善の近道です。トライ&エラーを繰り返していきましょう!
ポイント3.言語化のコツ
プロンプトエンジニアリングとは「手順の言語化」です。したがってGPTsのプロンプト設計者には、手順をよく知る現場のプレイヤーが適任でしょう。
ただこの言語化、一見すると簡単そうですが……
- わかりやすい日本語で書く
- こそあど言葉を使わない
- 手順を細かいステップに分ける
- 無意識に踏んでいる手順も説明する
などなど、人間相手の場合とは勝手が違います。ですので、生成AIに慣れた人材のサポートがほしいところです。
なお、開発の流れについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AI開発のベストな環境の作り方!エンジニアが開発の流れを解説
うまく言語化してGPTsに任せよう!
GPTsなら、言語化次第でさまざまなAIツールが作れちゃいます!
今回はSEO記事執筆用のGPTsを作りましたが、弊社では他にも……
- 記事チェックGPT
- 関連記事GPT
- 構成作成GPT
- テクニカルライティングGPT
- サムネ画像作成GPT
…etc.
を作って業務の自動化に挑戦中!記事執筆では、自然な日本語が生成できる「Claude 3」も導入予定です。生成AIの力で、月間130万PVのその先を目指したいですね。
ニーズがありましたら、各企画についても紹介いたします。引き続きWEELを、ご愛顧くださいね!
「自分用の記事執筆GPTsを作ってみたい!」という方は、こちらのツイートのリプにメッセージをください!
ご連絡をいただいた方には感謝を込めて、生成AIに関するご質問にもお答えいたします!
最後に
いかがだったでしょうか?
弊社では
・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。
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また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。