【Kin.art】画像生成AIから作品を守るイラスト投稿サービス!仕組みと使い方を徹底解説
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
クリエイターのみなさん、ついに画像生成AIによる学習を阻止してくれるイラスト投稿サービスが登場しました!その名も「Kin.art」です。
このKin.artは無料で使えて……
- イラストの投稿と保護
- コミッションの発注・受注
- コミッションの探索
といったことが可能!生成AI時代のポートフォリオとして優秀なんです。
ということで、当記事ではKin.artのしくみ・機能・使い方を徹底解説。加えて、Kin.art以外の学習阻止用のツールも紹介していきます。
完読いただくと、生成AI時代でもクリエイターとして食べていける……かも!ぜひぜひ、最後までお読みください。
「Kin.art」の概要
「Kin.art」はアメリカ・シリコンバレーで2024年1月26日にローンチされた、イラスト投稿&コミッション(有料のイラストリクエスト)管理用プラットフォーム。こちらはなんと……
投稿したイラストを、画像生成AIによる学習(LoRA…etc.)から保護してくれる
という優れものになります。「学習への無断使用」や「生成物の著作権」が訴訟・炎上に発展している創作分野において、クリエイター側の味方になってくれるかもしれないサービスなんです。
ちなみにKin.artの設立に携わったのは、Flor Ronsmans De Vry氏 / Mai Akiyoshi氏 / Ben Yu氏の3名。うち、Mai Akiyoshi氏は日本出身の起業家です!
ということは、今後の反応次第で日本語版が登場する……かもしれません。アニメ・マンガ文化の国に住むわれわれとしては、積極的に応援させていただきたいところです。
公式サイト:Kin.art
公式X:kin.art (@kindotart) / X
Kin.artの仕組み
Kin.artが画像生成AIによる学習からイラストを保護するしくみは、意外にもシンプル。下記2つの合わせ技によって、画像生成AIがイラストの特徴や意味を理解できないようにしています。(※1)
- 画像セグメンテーション:画像をバラバラにした状態で保管する
- ラベルファジング:画像に付随するメタデータ(説明書き)をシャッフルした状態で保管する
他の学習防止ツール(Nightshade / Glaze…etc.)とは違って、画像にノイズや透かしを入れないで済むのがKin.artの強みです。
なお、生成AIの学習のしくみについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Kin.artでできること3つ
ここからは、Kin.artでできること3点をご紹介します。まずは、Kin.artの要「イラストの投稿と保護」について、詳しくみていきましょう!
イラストの投稿と保護
Kin.artでは、自分用のブースを開設してそこにイラストを投稿することが可能。投稿したイラストは、先ほどの画像セグメンテーション&ラベルファジングによって、画像生成AIから保護されます。これだけで、「ポートフォリオサイト+α」の機能ですね。
コミッションの発注・受注
Kin.artはコミッション(有料のイラストリクエスト)にも対応。国内のコミッションサービス・Skebのように、イラストを発注したり受注したりできます。
しかも、このKin.artは……
● ポートフォリオから、数回のクリックで発注可
● 1対1のチャットで、資料提供・話し合い・原案チェックが完結
と使い勝手も抜群です!これなら、クライアントの離脱が抑えられるかもしれません。
コミッションの探索
Kin.artを使えば、効率的にコミッションが探せます。というのも、このKin.artはRedditや各種コミッションプラットフォームから依頼情報のみを取得し、ワンクリックでアクセスできるようにまとめてくれるんです。イラスト・創作を仕事にしたい方にうってつけです。
一方で「クリーンな画像生成AI」目指す試みもなされています。こちらについては、下記の記事を合わせてご確認ください。
Kin.artの料金体系
Kin.artは誰でも無料で始められます。コミッションを受ける際に必要なのは……
- Google / X(旧・Twitter) / Discordのいずれかのアカウント
- 支払い情報
以上、2点のみ。「画像生成AIから自分のイラストを守りたい!」という方はぜひぜひ、お試しください。
Kin.artの使い方
ここからは、Kin.artの使い方をスクリーンショット付きで図解!今回は基本となる……
- アカウント登録
- ポートフォリオページの開設
- 作品のアップロード
以上3ステップについて、順を追ってお伝えしていきます。
アカウント登録
まずは、Kin.artにアクセスしてアカウントを登録していきます。Kin.artのアカウント登録は、メールアドレス&パスワードの入力が一切不要。下記アカウントとの連携のみで完了します。
- Googleアカウント
- X(旧・Twitter)アカウント
- Discordアカウント
画面操作の手順としては……
- ホーム画面右上(赤枠部分)の「LOGIN」をクリック
- 連携させたいアカウントを選択
以上の2ステップだけです!簡単ですね。
ポートフォリオページの開設
Kin.artへのログインが完了すると、以下のホーム画面に戻ります。ここで画面右上の赤枠部分に注目してください!
「CREATE +」と書かれたボタンがありますね。これをクリックすると、イラスト投稿用のポートフォリオページが新規作成できます。
「CREATE +」のクリック後は……
- 任意のURLを入力
- 自分の作品のジャンルを入力
- 「GET STARTED」をクリック
以上3ステップで、自分用のURLが発行可。発行後は以下の画面に移ります。
こちらではメールアドレスやSNS・ホームページのURLなどが入力できます。入力は手動のほか、Linktreeからの自動移植にも対応。入力後は……
- アカウント名の変更(デフォルトは登録に使ったアカウントの名義)
- プロフィール(BIO)の記入
- アイコン・ヘッダーの投稿
をしてポートフォリオページの完成です!
作品のアップロード
完成したポートフォリオページからは、自分の作品(画像媒体のみ)がアップロードできます。作品をアップロードしたい場合は……
- ポートフォリオページのタブ「Gallery」をクリック
- Gallery枠内のボタン「UPLOAD ART」をクリック
以上の操作を行ってください!「UPLOAD ART」を選択すると、下記のアップロード用画面に移れます。
あとは……
- 「Select image to upload」をクリックして、投稿したい作品を選択
- 「UPLOAD」をクリックして投稿完了
※チェック欄「Protect my work from AI / 作品を画像生成AIから保護する」は任意で解除可
以上の手順を踏んで、アップロード完了です!ここまでお疲れ様でした。
ちなみに、作品アップロード後のポートフォリオページは……
こんな感じ。詳しくみてみたい方はぜひぜひ、以下のリンクからご確認ください!
→完成したポートフォリオページはこちら
Kin.art以外の学習防止ツール
今回はKin.art以外の学習防止ツールについても……
- emamori
- Glaze
- Nightshade
こちらの3点をご紹介します。まずは日本発の「emamori」から、詳しくみていきましょう!
emamori
「emamori」は東京のSnackTime株式会社が2024年1月17日から正式にリリースしている、学習防止用のWebサービスです。(※2)こちらは専用のAIモデル「Mist」で特殊なノイズを画像に挿入することで、画像生成AIによる学習を妨げます。
利用は無料からでもOKで……
無料会員 | Standard | Pro | Premium | |
---|---|---|---|---|
Mistモデル | v1 | v2 | v2 | v2 |
上限枚数 | 1日4枚 | 1日8枚 | 1日12枚 | 1日20枚 |
同時アップロード可能数 | 2枚 | 4枚 | 6枚 | 10枚 |
タグ種類 | 6種 | 12種 | 12種 | 12種 |
タイムライン | × | × | ◯ | ◯ |
優先サーバー使用 | × | × | × | ◯ |
以上の料金設定がなされています。有料プランに登録するメリットとしては……
- 上級モデルの「Mist v2」が使える
- 一度により多くの画像が保護できる
以上のとおり。イラストレーターのみなさんはぜひぜひ、emamoriをお試しください!
公式サイト:emamori
Glaze
「Glaze」はアメリカ・シカゴ大学が送る、学習妨害用のツールです。こちらも不可視のノイズを画像に挿入して、AIからの見え方を変えるというものになっています。
このGlazeのしくみを、例を交えて詳しく解説すると……
- 「ラッセンの絵」を用意する
- Glazeでラッセンの絵にピカソ風のノイズを挿入する
- 人間視点ではラッセンの絵のままだが、生成AIからは「ピカソの絵」に見える画像が完成する
以上のとおり。ノイズの効果はトリミング / 圧縮 / スクリーンショット…etc.の加工を経ても保たれます。
そんなGlazeは誰でも無料でダウンロードして使えるほか、Webアプリ版の「WebGlaze」も公開中!招待制ではありますが、GPUがなくても無料で使えちゃいます。
公式サイト:Glaze
Nightshade
「Nightshade」もGlaze同様、シカゴ大学発・無料の学習妨害用ツールです。(※3)こちらはGlazeの応用・発展形で……
学習した画像生成AIの表現を半永久的に歪ませる
という、より攻撃的なツールになっています。実験においては、画像生成AIの有名どころである……
以上の3モデルで効果を発揮したとのことです。
公式サイト:Nightshade
なお、画像生成AIの学習手法「LoRA」について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
「Kin.art」で生成AI時代も創作を続けよう!
当記事では、画像生成AIによる学習から自分のイラストが守れるWebサービス「Kin.art」についてご紹介しました。このKin.artを使ってできることは、以下のとおりでしたね。
- イラストの投稿と保護
- コミッションの発注・受注
- コミッションの探索
生成AI技術の発展が目覚ましい昨今、「クリエイターが画像生成AIに淘汰される」との懸念が広まっています。そこに一石を投じる形で現れたのが、今回のKin.art。今後も画像生成AIに対する手立てが編み出されていくはずですので、生身のクリエイターのみなさんも生成AI関連情報を追っていきましょう!
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
弊社では
・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。
「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。