【SenseNova 5.0】GPT-4 Turboを上回る中国産AIツールが登場!特徴を徹底解説
2024年4月26日に中国のAI企業であるSenseTime社がSenseNova 5.0を発表しました。SenseNova 5.0のベンチマークの結果を見るとGPT-4 TurboやLlama 3 70bを上回る性能を持っており話題となっています。
SenseNova 5.0の発表後にはSenseTime社の株価が30%も上昇したことからもわかる通り、とても注目されているAIツールと言えるでしょう。
この記事では、SenseNova 5.0の性能やできることをご紹介します。最後までお読みいただくとSenseNova 5.0の凄さや注意すべきポイントについて知ることができるので、ぜひ最後までお読みください。
SenseNova 5.0とは
SenseNova 5.0とは、中国のスタートアップ企業であるSenseTime社が発表したマルチモーダル大規模言語モデルです。正直、 ChatGPTのOpenAI社やClaudeのAnthropic社などに比べてSenseTime社は知名度も低く社名を聞いたことがない人も多いでしょう。
しかし、今回発表されたSenseNova 5.0はほぼ全てのベンチマークにおいて中国語のテキストではGPT-4 Turboの性能を超えるほど高性能なモデルとなっています。
SenseNova 5.0のスペック
前述の通りSenseNova 5.0は、中国語のコンテキストに限っての話ですが、ベンチマークの結果がGPT-4 TurboやLlama 3 70bの性能をほぼ全て上回っています。
ベンチマークの結果は下記の画像の通りです。
SenseNova 5.0では、大量の合成データをカバーする 10 TB を超えるトークントレーニングが行われています。さらに、混合専門家モデルとも言われる機械学習アーキテクチャのMixture of Expertsを採用し、推論時に約20万個のコンテキストウィンドウを効果的にカバーすることができるようになりました。
なお、GPT-4 Turboについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
SenseNova 5.0ができること
ここまでで、SenseNova 5.0が高性能であることは理解いただけたと思います。では、SenseNova 5.0とは一体何ができるのでしょうか。2024年5月12日現在、一般公開はされていないため公式情報をもとに解説します。
文章の生成
SenseNova 5.0は、膨大な量の学習データで構成されており、文章生成においては創造的な文章の生成や推論、要約性能が大幅に向上しています。
入力されたプロンプトの内容を理解し文章を出力するだけではなく、必要に応じて要約できたり、質問に対して回答してくれたりと、高い精度でやり取りすることが可能です。
SenseNova 5.0を利用すれば、ビジネスメールや記事の生成など、あらゆるビジネスシーンで活躍できると期待されています。
画像生成
公式情報によると、SenseNova 5.0は画像生成や画像認識など、画像処理能力も高いと言われています。SenseNova 5.0発表時のデモンストレーションでは、他社の画像生成AIと比較した以下の生成画像が公開されました。
一番左がSenseNova 5.0から出力された画像です。細部まで細かく表現されており、とても高性能な画像生成能力を持っていると言えるでしょう。
しかし、この画像は事前に用意されているものであり、実際に出力した時にはどのような画像が生成できるかわからないので、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
翻訳
SenseNova 5.0では他言語への翻訳をすることもできます。マルチモーダル大規模言語モデルでは、翻訳機能はごく当たり前となっているため、注目されるポイントではありませんが中国語に強いという点においては、他のAIツールよりもアドバンテージがあるのではないでしょうか。
しかし、SenseNova 5.0は現状中国語モデルのみとなっているため、他言語の理解についてはまだまだ完璧ではないでしょう。今後、英語モデルなど開発が進むことで翻訳機能もさらに精度が上がるのではないでしょうか。
コーディング
SenseNova 5.0は、ChatGPTなどと同様に自然言語からコーディングが可能です。公式情報によれば、コーディング機能も改良されているとのことですが、こちらについてはあまり情報が出ていません。
どの開発言語でコーディングできるのか、どのぐらいの精度で出力することができるのかという点においては、一般公開されてから試してみないとわからないので、期待して情報を待ちましょう。
SenseNova 5.0のすごいところ
このように、SenseNova 5.0ではさまざまなタスクをこなすことができますが、なぜ発表されてから株価が30%も上昇するほど注目されているのでしょうか。
次に、SenseNova 5.0のすごいところについてみてみましょう。
GPT-4 Turbよりもスペックが高い
実際に同じ環境でテストしてみなければはっきりとした性能の違いなどは比較できませんが、前述のベンチマークを見ていただければわかる通り、SenseNova 5.0はGPT-4 TurboやLlama 3 70bの性能をほぼ全て上回っています。
さらに、Text to Videの動画生成モデルも近日中に利用可能になるとの発表があり、機能面でもマルチモーダル大規模言語モデルとして充実していると言えるでしょう。
自然な文章を生成できる
前述の通り、膨大な量の学習データで構成されており、文章生成においては創造的な文章の生成や推論、要約性能が大幅に向上しています。特に、中国語に関しては、中国で作られた生成AIのため、特に自然な文章が生成されることが期待されていますが、こちらも一般公開がされていないのでどれほど自然に文章が生成できるかは現時点では不明です。
しかし、SenseNova 5.0発表時に文章生成能力が大幅に向上したと発表していることから、期待できる性能を持ち合わせているのではないでしょうか。
膨大なデータからの学習
SenseNova 5.0では、大量の合成データをカバーする 10 TB を超えるトークントレーニングが行われています。このように膨大なデータから学習することでさまざまな知識を得ています。
さらに、混合専門家モデルとも言われる機械学習アーキテクチャのMixture of Expertsを採用し、推論時に約20万個のコンテキストウィンドウを効果的にカバーすることができるようになりました。
これにより、さまざまな分野において進化していますが、特に、知識、数学、推論、コーディング機能を重点的に進化させたそうです。
SenseNova 5.0の注意点
注目を集めているSenseNova 5.0の特徴やすごいところをまとめてきましたが、発表された情報だけを鵜呑みにすると、一般公開された時にギャップを感じてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、下記のことには注意しておく必要があります。
現時点で一般公開はされていない
2024年5月12日現在では、まだ一般公開されていません。一般公開されていないということは、誰もSenseNova 5.0を利用していないため、実際の使用感や出力される解答の精度をテストできていない状態です。
もちろん、発表時のデータがあるのである程度は性能を把握することができますが、SenseNova 5.0の弱い部分や都合の悪い情報は公開していない可能性があります。
どれだけスペックがよくても、利用してみないと自分に合うツールかどうかはわからないので、過度な期待を持つのはやめた方が良いでしょう。
英語・日本語での精度は不明
SenseNova 5.0は中国語のコンテキストにおいては、ベンチマークの通りのスペックを発揮する可能性が高いですが、英語や日本語プロンプトでの精度は不明です。
多くのAIツールはリリース時には英語のみ、もしくは作られた国の言語のみということも少なくないので、SenseNova 5.0ももしかしたら中国語でしか利用できない可能性も少なくないでしょう。
なお、中国企業アリババ社のAIツールについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
SenseNova 5.0の一般公開が待ち遠しい
SenseNova 5.0は、ベンチマークの結果だけを見るとGPT-4 TurboやLlama 3 70bの性能をほぼ全て上回っていることから今注目をされているAIツールの1つです。
確かに、マルチモーダル大規模言語モデルということもあって、文章作成、画像生成、コーディングなどさまざまなタスクをこなすことができます。しかし、一般公開前なので使用感や出力される物のクオリティを確認はできないため実際の能力は未知数ですが、進化したAIツールの登場はやはりワクワクしますね。
これからもさまざまなAIツールが登場することが予想されます。AIツールそれぞれには強みや弱みが存在するので、それを見極めて自分に合ったAIツール探しをしてみてはいかがでしょうか。
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
WEELの生成AIへのスタンス
ChatGPTやStable Diffusionなど使い勝手の良いAIサービスは沢山あります。そういったもの1度使ってみて、もっとこうしたい、こう言った使い方をしたいと言った方に向けてカスタマイズを勧めております。
もし、自社で生成AIを活用したいという場合は
1. 汎用的な生成AIツールを導入し、定着させる
2. 業務を生成AIに解けるタスクまで分解し、自動化する
のどちらかが良いと思います。
弊社では
1の場合、生成AIセミナーの実施や生成AIコンサルティングなどで、AI専門家による生成AI活用指導
2の場合、PoC開発やソリューション開発などで、LLMエンジニアやAIコンサルタントが御社にあったAIツールの開発を行います。
無料相談にてご相談を承っておりますので、興味がある方は以下からご連絡ください。
→無料相談で話してみる
「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、通勤時間に読めるメルマガを配信しています。
最新のAI情報を日本最速で受け取りたい方は、以下からご登録ください。
また、弊社紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。