Stable Diffusionで商用利用はできる?使えるモデルとおすすめWebアプリを徹底解説

Stable Diffusion 商用利用 使えるモデル おすすめWebアプリ
押さえておきたいポイント
  • 商用利用が可能なモデルと、利用が制限されているモデルがある
  • Mage.spaceやDreamStudioなど、商用利用に適したWebアプリの特徴と活用方法を紹介
  • 著作権や肖像権に関するリスクとその対策を解説

画像生成AIとして有名なStable Diffusionですが、無料かつ商用利用ができることをご存じでしょうか?

モデルがたくさん公開されていて拡張性も高く、Stable Diffusionが簡単に利用できるWebアプリもあるので、Stable Diffusionは様々なシーンで活躍できる可能性があります。

今回は、そんなStable Diffusionの商用利用について、詳しく解説します。商用利用可能なモデルやWebアプリも記事後半でご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

Stable Diffusionは無料で商用利用可能

Stable Diffusionはイギリスのスタートアップ企業であるStability AI社が開発した画像生成AIです。

無料で利用できますし、Stable Diffusionを利用しているユーザーが多いのでモデルやLoRAがたくさんあり、トラブルが発生した際にも情報収集がマイナーな画像生成AIよりもやりやすいのも特徴の一つでしょう。

また、Stable Diffusionはローカル環境だけではなく、ブラウザ上でも利用することができます。

ブラウザ版はローカル版に比べると、導入作業が不要なので簡単に利用できるというメリットがありますが、細かい設定ができなかったり、有料版への加入をしないと制限が多かったりなどデメリットも多いので、細かく設定を行いたい方にはローカル版をおすすめします。

なお、Stable Diffusionについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Stable Diffusionの商用利用の条件・ライセンス

Stable Diffusionは、人に危害を加えるようなコンテンツだったり、誤った情報のコンテンツではない限り、基本的に商用利用可能です。

しかし、Stable Diffusionの拡張機能であるモデルやLoRAに関しては、商用利用ができないものもあるので、導入前にしっかり調べる必要があります。

また、元画像を参考に新たな画像を生成する「img2img」を利用する場合、入力する画像の著作権について確認する必要があります。著作権がある画像を無断で使用してしまえば、著作権侵害に抵触する可能性があるため注意が必要です。

Stable Diffusionの代表的なモデルと商用利用の可否

Stable Diffusionはユーザー数も多く拡張性も高いことから、多くのモデルが公開されています。そのため、お手元のStable Diffusionに好きなモデルを導入して楽しみたいという方も多いでしょう。

しかし、何もカスタムしていないノーマルのStable Diffusionであれば商用利用は許可されていますが、利用するモデルによっては商用利用できないものがあることを知らない方もいらっしゃいます。

ここでは、人気のある代表的なモデルの商用利用の可否についてまとめてみました。

商用利用が可能なモデル

まずは、代表的な商用利用可能モデルをカテゴリー別にまとめてみました。

実写系

モデル名配布場所
BlazingRealDrivehttps://civitai.com/models/137909/blazingrealdrive
Cherry Picker XLhttps://civitai.com/models/125680/cherry-picker-xl
Beautiful Realistic Asianshttps://civitai.com/models/25494/beautiful-realistic-asians
WeddingImperialhttps://civitai.com/models/98975/weddingimperial
mutsuki_mixhttps://civitai.com/models/45614/mutsukimix
majicMIX realistichttps://civitai.com/models/43331/majicmix-realistic
BlueberryMixhttps://civitai.com/models/14323/blueberrymix

アニメ系

モデル名配布場所
Kohaku-XL alphahttps://civitai.com/models/136389/kohaku-xl-alpha
CounterfeitXLhttps://civitai.com/models/118406/counterfeitxl
BreakDomainXLhttps://civitai.com/models/126259/breakdomainxl
Blazing Drivehttps://civitai.com/models/121083/blazing-drive
SakuraMixhttps://civitai.com/models/130160/sakuramix
AnyLoRAhttps://civitai.com/models/23900/anylora-checkpoint
YesMixhttps://civitai.com/models/9139/checkpointyesmix
Dark Sushi Mixhttps://civitai.com/models/24779/dark-sushi-mix-mix

リアル系

モデル名配布場所
CyberRealistichttps://civitai.com/models/15003/cyberrealistic
Realism Enginehttps://civitai.com/models/17277/realism-engine
chilled_remixhttps://huggingface.co/sazyou-roukaku/chilled_remix
ICBINPhttps://civitai.com/models/28059/icbinp-i-cant-believe-its-not-photography
epiCRealismhttps://civitai.com/models/25694/epicrealism

ファンタジー系

モデル名配布場所
DreamShaperhttps://civitai.com/models/4384/dreamshaper
EnvyMixhttps://civitai.com/models/39217/envymix
Pastel-Mixhttps://civitai.com/models/5414/pastel-mix-stylized-anime-model

商用利用が不可能なモデル

次に商用利用ができないモデルを少し紹介します。

モデル名出力される画像の系統配布場所
XXMix_9realistic実写系https://civitai.com/models/47274/xxmix9realistic
BeautyProMix実写系https://civitai.com/models/16599/beautypromix
CityEdgeMix実写系https://civitai.com/models/38464/cityedgemix
RealDosMix実写系https://civitai.com/models/6925/realdosmix
DDosMix実写系https://civitai.com/models/8437/ddosmix
Chilloutmix実写系https://civitai.com/models/6424/chilloutmix
Anime Changeful XLアニメ系https://civitai.com/models/118545/anime-changeful-xl

このように、人気なモデルでも商用利用が許可されていないモデルはたくさんあるので、商用目的でStable Diffusionを利用したいと考えている方は、モデルの導入時に商用利用の可否についてしっかり調べるようにしましょう。

なお、Civitaiについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

商用利用OKなStable Diffusionの派生モデルの確認方法

商用利用ができるモデルとできないモデルがあることは前章でお分かりいただけたかと思いますが、どこを見れば商用利用の可否が確認できるかわからない方も多いでしょう。

なので、次に商用利用の可否の確認方法についてご紹介します。

Hugging Faceでの確認方法

まずは、Hugging Faceで公開されているモデルの商用利用の可否についての確認方法をご紹介します。

Hugging Faceでは、上記の画像のようにページ上部の「License」から商用利用の有無について確認できます。

基本的に、商用利用できる場合は「creativeml-openrail-m」となっているので、まずはここを確認すれば問題ないでしょう。

また、商用利用についての詳細を知りたい方は、「License」をクリックすることで、上記画像の赤枠のように詳細を確認することができます。

さらに、モデルによっては「Model card」の中に商用利用についての詳細が記載されている場合があるので、利用する前には基本的に全てに目を通した方が良いでしょう。

Civitaiでの確認方法

次に、Civitaiで公開されているモデルの商用利用の可否についての確認方法をご紹介します。

Civitaiの場合は、画面右下にあるアイコンをクリックすることで商用利用の可否を確認することができます。

アイコンをクリックすると上記画像の赤枠のように表示されます。

表示されている内容は下記の通りです。

  • Use the model without crediting the creator(訳:クリエイターのクレジットを入れずにモデルを使用する)
  • Sell images they generate(訳:生成した画像を販売する)
  • Run on services that generate images for money(訳:お金を払って画像を生成するサービスで運営する)
  • Run on Civitai(訳:シビタイで運営する)
  • Share merges using this model(訳:このモデルを使ったマージを共有する)
  • Sell this model or merges using this model(訳:このモデルまたはこのモデルを使ったマージファイルを販売する)
  • Have different permissions when sharing merges(訳:マージした画像を共有する際のパーミッションが異なる)

※和訳にはDeepLを使用しています。

このように、Civitaiでも商用利用の有無については簡単に確認することができるので、トラブルに発展しないためにも必ず、利用する前に確認をしましょう。

Stable Diffusionの商用利用時の注意点

ここまで、商用利用の可否について解説してきましたが、商用利用可能なモデルを利用しているからと言って、リスクを排除できたわけではありません。

次に、Stable Diffusionの商用利用時の注意点について詳しくみていきましょう。

著作権&肖像権侵害のリスクがある

画像生成AIで出力した画像を公開する場合は、知らない間に著作権や肖像権を侵害している可能性があるため、必ずチェックを行ってから公開するようにしましょう。

実際に、無断で作品が学習データに使われているとして、アーティストによる集団訴訟が行われた事例もあるので、「商用利用が可能なモデルを使っているから安心」と言うことはありません。

トラブルに発展しないためにも、公開前の画像の確認は必ず行うようにしましょう。

img2imgは著作権侵害のリスクが高い

画像から新たな画像を生成する「img2img」は、テキストプロンプトから生成される画像よりも著作権を侵害してしまうリスクは高くなります。

例えば、好きなアーティストの画像を利用して画像を出力した場合、もちろん入力データの特徴を読み取って新しい画像を生成するため、好きなアーティストが描いたような画像を生成することができるでしょう。

この、画像生成AIから出力されたアーティスト風の画像を自分のみが楽しむ場合については問題ないですが、SNSやブログなど不特定多数が閲覧できるような場所に向けて公開してしまうと著作権の侵害となるので、img2imgを使って出力した画像を商用利用する場合は特に注意が必要です。

ライセンスはLoRA・追加学習の際に引き継がれる

現在公開されているモデルは様々なモデルから派生したモデルも多く存在します。

それらの派生したモデルは、元のモデルのライセンスを引き継ぐため、元となるモデルで商用利用できない場合は、派生モデルも商用利用することができません。

しかし、元となるモデルで商用利用が許可されていなくても、派生モデルでは商用利用可能となってい場合も稀にあるため、リスク回避のためにも派生モデルを利用する場合は元となるモデルのライセンスまで確認した方が良いでしょう。

【商用利用OK】Stable Diffusionが手軽に使えるWebアプリ5選

最後に、Stable Diffusionが使えるWebアプリを5つご紹介します。

今回ご紹介するアプリは全て商用利用可能となっていますので、Stable Diffusionを手軽に利用したいという方におすすめなので、ぜひご覧ください。

Mage.space

mage.spaceとは、Ollano社が運営している画像生成AIプラットフォームです。

透かしや一部機能の制限はかかるものの、登録なしで無料版が利用できるためお試しできるので、画像生成AI初心者にもおすすめのツールです。※1

商用利用については、公式よりクレジットの表示は必須ではないことが明言されており、様々なシーンで利用できるWEBアプリと言えるでしょう。

無料プランを除いた料金プランは下記の通りです。

プラン料金機能
Basic8ドル/月・無制限の生成
・より高速な生成
・透かしなし
・認証済みアカウント
・すべてのベースモデル
・強化、修復、洗練
Pro15ドル/月・Basicの機能・LoRA、TI、コントロールネット、アニメイト
Pro Plus30ドル/月・Proの機能・カスタムモデルのインポート

なお、Mage.spaceについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

DreamStudio

DreamStudioは、Stable Diffusionの開発元であるStability AI社が運営するWebアプリで、Stable Diffusionのオープンβ版としてリリースした画像生成AIツールです。※2

シンプルなUIとなっているため、画像生成AI初心者でも利用しやすいAIツールですが、日本語が認識されづらいため英語でのプロンプト入力が必要となります。

DreamStudioは、クレジットを購入することで画像生成ができる仕組みとなっているので、料金プランは存在しません。

1ドルあたり100クレジット購入できますが、最低課金金額が10ドルからとなっているため、最低でも1000クレジットは購入する必要があります。

Leonardo.ai

Leonardo AIはLeonardo Interactive Pty Ltd社が運営していましたが、2024年7月にCanva社が買収した画像生成AIツールとしても有名です。※3

画像生成にはトークンと呼ばれるクレジットが必要で、画像生成を一回行うごとに24トークン消費します。

無料プランでも毎日150トークンもらえるため、毎日6枚の画像を生成することが可能なので、無料プランでもしっかり画像生成を行えるのが特徴です。

プラン料金トークン数保留できるトークン数
Free0ドル150/日0
Apprentice12ドル/月8,500/月5
Artisan30ドル/月25,000/月10
Maestro60ドル/月60,000/月20

なお、Leonardo.aiについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Fotographer.ai

Fotographer.aiは日本の企業であるFotographer AI株式会社が運営する画像生成AIツールで、背景の合成やLoRAの作成が得意な画像生成AIとして人気があります。※4

特に、背景合成に関してはクオリティが高く、画像をアップロードするだけで自動で背景の切り抜きを行い、テンプレートの選択やテキストプロンプトからイメージを入力するだけで、希望の背景を合成することが可能なので、広告等に利用する商品画像を簡単に生成することができるようになります。

プラン料金生成可能枚数機能
Starter1,200円/月200枚・背景の合成
・画像生成
・AIディレクター
・文章
Creator4,980円/月無制限・Starterの機能全て
・照明編集
・アイテム学習(最大10個)
・背景削除
Enterprise要問い合わせ無制限・Creatorの機能全て
・エンタープライズセキュリティ
・カスタムテンプレート開発・提供
・専任のアカウントマネージャー(利用規模によります)
・無制限のシート
・APIアクセス
・シングルサインオン

Clipdrop

ClipdropもDreamStudioと同様に、Stable Diffusionの開発元であるStability AI社が開発した画像生成・編集ツールです。※5

テキストからの画像生成はもちろんですが、オブジェクト除去、背景除去、解像度アップスケール、再照明などの画像編集機能も搭載しており、好みの画像を生成することができます。

また、日本語にも対応しているため、より気軽に利用できる画像生成AIツールと言えるでしょう。

プラン料金生成可能回数その他機能
Free0円20回/24時間・背景除去
・アップスケーラー
・テキスト除去
・照明の再配置
・オブジェクトの削除
Pro1812円/月1000回/24時間・Freeプランの機能
・手書きスケッチから画像生成
・背景の置き換え

なお、Clipdropについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

商用利用可能なStable Diffusionでビジネスを拡大

Stable Diffusionは無料で利用できるにもかかわらず拡張性が高いため、使い方によっては様々なスタイルの画像を生成することができます。

また、あまり画像生成AIに詳しくなかったり、パソコン操作が苦手という方でも利用できるようなWebアプリも公開されているので、利用するハードルはそこまで高くないでしょう。

それぞれの利用規約をしっかり守り著作権なども注意する必要がありますが、基本的には商用利用が可能なので、ビジネスシーンで画像生成AIを導入したいと考えている方は、一度Stable Diffusionを試してみてはいかがでしょうか。

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投稿者

  • 晋平大竹

    生成AIの登場に大きな衝撃を受けたWebライター。好きなAIツールは、ChatGPTとAdobeFirefly。AIがこれからの世界を良い方向に導いてくれると信じ、正しい&有益な情報を発信し続けています!

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