生成AIを徹底比較!ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilot・Claudeの中で最強の生成AIを本気で決めてみた

今や1億人以上のユーザーを抱えるChatGPT以外にも、優れた生成AIが登場しています。
とくに長年AI技術をリードしてきたGoogleのGeminiや、本来は有料のGPT-4がタダで使えるMicrosoft Copilot、ベンチマークでGPT-4よりも性能が良かったClaudeが対抗馬として注目を集めているところです。
そこで当記事では生成AIの注目株である、ChatGPT・Gemini・BingAI・Claudeの4つに焦点を当てて性能を比較していきます。
最後まで読んでいただくと、やりたいことに合った生成AIが選べるはずです。ぜひ最後までお読みください。
生成AIとは
生成AI(Generative AI)は文章・画像・音声・ソースコードなど多種多様なコンテンツを生成するAIの総称です。従来のAIと比べて学習データ量が多く、創造的なアイデアの生成にまで対応しています。
この生成AIのなかでも、自然言語の処理に特化した大規模言語モデル(LLM)はひときわ注目を集めています。
たとえば、1億人以上が使っている生成AI「ChatGPT」はLLMを搭載。その対抗馬として注目を集める「Gemini」や「Microsoft Copilot」「Claude」もLLM搭載型なのです。
自然言語の命令文(プロンプト)を入力すれば、高品質な文章やソースコードを生成してくれるのがLLMの特徴です。近年では、生成AIを業務に導入している企業も少なくありません。
なお、生成AIの法人利用方法について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。

ChatGPT ・ Gemini・Microsoft Copilot・Claudeの概要
ChatGPTは「OpenAI」によって開発された、先進的な生成AIチャットサービスです。対話型のユーザーインターフェースを通じて、まるで人間と会話しているかのような自然なコミュニケーションが可能であり、質問への回答、文章作成、翻訳、要約、プログラミング補助、学習サポートなど、幅広い用途で活用されています。
このChatGPTの中核を担っているのが、OpenAIの開発する大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)である「GPT」シリーズです。「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」は、インターネット上の膨大なテキストデータを学習し、人間と同等かそれ以上の自然言語処理能力を持つAIモデルです。
ChatGPTは2022年11月に最初の一般向けサービスとして公開されて以来、目覚ましい進化を遂げてきました。初期のGPT-3.5から始まり、2023年には高性能なGPT-4が有料プランに導入され、そして2024年5月には、テキストだけでなく画像や音声までも理解・生成できる「GPT-4o(オー)」が登場しました。このGPT-4oは無料プランでも利用可能となり、生成AIの活用が一気に一般ユーザーにも広がるきっかけとなっています。
現在のChatGPTは搭載されているモデルの種類や使用できる機能によって、いくつかの料金プランに分かれています。それぞれのプランによって利用可能なモデルや処理速度、マルチモーダル機能の可否などに違いがあり、目的や用途に応じて最適なプランを選ぶことができます。
プラン | 月額 | 利用可能モデル | 主な特長 |
---|---|---|---|
無料プラン | 無料 | GPT‑4o mini、 GPT-4o(制限あり)GPT-3.5 | 軽量版GPT-4oを無料で使用可 |
ChatGPT Plus | $20 | 無料プランの全機能 GPT-4o(フル機能) Deep research および複数のモデル(o3‑mini、o3‑mini‑high、o1)へのアクセス | 高精度回答・GPTsなどの機能が利用可能 |
ChatGPT Pro | $200 | Plusプランの全機能 GPT-4.5、GPT-4o、o3-mini などへのアクセス | 研究者・開発者向けの最上位プラン |
ChatGPTは日常のちょっとした質問からビジネスでの資料作成、専門的なプログラミング支援、学術研究のサポートまで、あらゆるシーンで活用できる強力なツールです。
まずは無料プランでその実力を体験してみてください。
Gemini
Google GeminiはGoogleとそのAI研究部門であるDeepMindが共同で開発した、次世代型の生成AIチャットサービスです。ユーザーが入力したテキストに対して自然な会話形式で応答を返す「対話型インターフェース」を備えており、その直感的な使いやすさと高い精度により、登場直後から世界中の注目を集めました。
日本国内では、2023年春に正式リリースされて以降、多くのユーザーに支持されながら、継続的な機能強化と改良が進められています。従来のテキスト処理能力に加えて、画像認識、音声理解、コード生成、さらには動画の要約や分析など、より高度な生成AI機能が次々と搭載され、まさに「日常的に使えるGoogle製AIアシスタント」としての地位を確立しつつあります。
また、ユーザーのニーズやスキルレベルに応じて柔軟に選べる多様なサブスクリプションプランも、Geminiの大きな特徴の一つです。無料で使えるエントリーモデルから、より高性能なモデルを利用できる有料プラン「Google AI Pro」「Google AI Ultra」まで、用途に合わせて段階的にグレードアップが可能です。さらに、学生向けには一部有料機能を無償で提供するプログラムもあり、教育分野での活用も急速に広がっています。
プラン | 月額 | 利用可能モデル | 主な特長 |
---|---|---|---|
無料プラン | ¥0 | Gemini Flash / 2.5 Proへの制限付きアクセス | 無料でマルチモーダル入門が可能、ライトユーザー向け |
Google AI Pro | ¥2,900 | Gemini 2.5 Pro | 高性能モデル&動画生成などの機能解放、有料機能に移行可能 |
Google AI Ultra | ¥36,400 | Gemini 2.5 Pro + Veo3 | 最先端AI機能・動画生成・Deep Thinkモード付き |
何よりもGoogleアカウントを持っているだけで利用することができるので、手軽に生成AIを体験できるのが特徴です。
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは、Microsoftが提供する高度な生成AIチャットサービスで同社の検索エンジン「Bing」と深く統合されています。OpenAIの最新大規模言語モデル「GPT-4」シリーズをベースとした独自の技術「Microsoft Prometheus」を活用しており、従来の検索体験にAIによる自然な会話形式のインターフェースを融合させることで、ユーザーの検索・質問・作業支援をより進化させています。
Microsoft Copilotは2023年2月に「Bing Chat」としてベータ版がスタートし、従来の検索窓とは異なる会話型検索という新しい体験を提供しました。単なるキーワードによる検索ではなく、「〇〇について詳しく教えて」「このニュースの要点を3行でまとめて」など、文脈に基づいた対話的な質問に対して、的確かつ説明的な応答を返すことが可能となり、多くのユーザーから注目を集めました。
そして同年11月Microsoftはブランド戦略を見直し、Bing Chatは「Microsoft Copilot」へと名称変更され、UIや提供範囲も刷新されました。Copilotは単なる「チャット機能」にとどまらず、Windows 11、Edgeブラウザ、Microsoft 365(WordやExcel、Outlookなど)といった主要なアプリケーションにも組み込まれ、日常的なPC作業からビジネス文書の自動生成までをサポートする「AIアシスタントの中核」として機能するようになりました。
Microsoft Copilotは、検索エンジンの補助ツールから始まり、今ではOS・ブラウザ・ビジネスソフトにまで拡張された、マイクロソフト製品群全体を横断するAIアシスタントプラットフォームへと進化しているのです。
プラン | 月額 | 主な特長 |
---|---|---|
無料版 | ¥0 | リアルタイムな結果取得 Designerの制限付き使用 複数のデバイスやプラットフォームで利用可能 |
Copilot Pro | ¥3,200 | 優先アクセス(高負荷時も応答保証) Deep Research 一部の Microsoft 365 アプリでCopilotを使用可能 |
MicrosoftCopilotは単なる生成AIだけでなく、Microsoft 365と連携しての業務効率化が他社にはない強力な強みとなっています。
Claude
Claudeとは、OpenAIの元幹部によって設立されたAnthropic社が開発した生成AIです。こちらもChatGPTのように会話形式で利用でき、言語の翻訳やさまざまなコンテンツの作成、有益な方法で質問に答えるなどの機能を備えています。
2024年4月24日現在の最新モデルはClaude3で、それぞれ性能の違う「Opus」「Sonnet」「Haiku」の3つモデルで構成されています。これらのモデルの違いとしては、Opus→Sonnet→Haikuの順に精度が高くなっており、Opusのみ課金することで利用できるようになります。
また、Opusはさまざまな業界ベンチマークでSOTAを達成しており、GPT-4よりも高い性能を持っています。
その特徴については、以下の箇条書き部分と表をご覧ください。
- 日本語のプロンプトに対応
- Sonnet・Haikuは無料で利用可能
- 無害な応答を返す能力に優れている
- 学習データは2023年8月まで
- さまざまな業界ベンチマークでSOTAを達成
項目 | Claude |
---|---|
運営会社 | Anthropic |
特徴 | Claudeは、ChatGPTと比較しても引けを取らない性能を持っていて、日本のプロンプト入力にも対応。最新のClaude3 Opusに関しては、GPT-4を上回る性能を持っている。 |
サイトの使いやすさ | 公式のWEBサイトClaude.aiから簡単に利用することができ、分かりやすいUIで構成されているため、誰でも直感的に操作することができます。 |
料金 | Sonnet・Haiku:無料Opus:月額20ドル |
無料利用 | 可 |
利用規約 | Claudeの利用規約は公式ウェブサイトで確認できます。 https://www.anthropic.com/legal/aup |
利用開始日 | 2023年7月 |
Claudeは日本から利用できるようになる前から話題となっており、今現在進化を続けている勢いのある生成AIといえるでしょう。
Anthropic(アンソロピック)は、元OpenAI幹部らによって設立されたAIスタートアップで、安全性や倫理性を最優先に開発を進めています。
そのAnthropic社が生み出した「Claude(クロード)」は、自然言語による会話インターフェースを通じて、文章生成、翻訳、要約、プログラミング支援など多様なタスクに対応する生成AIです。ChatGPTやGeminiと同様に、ユーザーの質問に対してダイレクトな対話形式で応答できるスムーズな操作性が特長。特に有害な出力を避ける応答に優れており、安全性を重視する企業や組織にも高い評価を得ています。
最先端モデルとして登場した Claude 3(2024年3月発表) は、「Haiku」「Sonnet」「Opus」という性能順に3つのエンジンで構成されており、用途や価格に応じて選べる柔軟性が備わっています。
そして2025年5月には、次世代Claude 4シリーズ(Opus 4 / Sonnet 4) が発表され、Opus 4は高度な推論・長文理解・コーディング性能などで大きく強化されました。
Claudeも他の生成AI同様、無料から始めることが可能で、モデルによってプランが用意されています。
プラン | 月額 | 利用可能モデル | 主な特長 |
---|---|---|---|
Free | $0 | Haiku / Sonnet 4(※) | 文章の作成、編集、コンテンツ制作 テキストと画像の分析 ウェブ検索機能 コード生成とデータの可視化 |
Pro | $17(年払いの場合の月額料金) | Opus 4, Sonnet 4, Haiku | 無料プランよりも多い使用量 ターミナルから直接Claude Codeにアクセス プロジェクトへのアクセス Google Workspace連携 |
Max | $100から | Opus 4/Sonnet 4/Haiku | Proよりもさらに多い使用量 高度な機能への先行アクセス 混雑時の優先アクセス |
Team | $25(年組・最小5名)/$30(月額) | Opus 4, Sonnet 4, Haiku | チーム管理・共有機能 Projects無制限 一括請求と管理 法人向け |
Enterprise | 要問合せ | 全モデル+カスタム機能 | 拡張コンテキストウィンドウ シングルサインオン(SSO)とドメイン管理独自仕様 ロールベースのアクセス権限管理 監査ログ |
Claudeには他の生成AIにはないチャット画面とは別に生成結果を表示できる「アーティファクト」という機能が使いやすいと評判です。
ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilot・Claudeの各生成AIの比較
ここからは生成AIの代表格、ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilot・Claudeの実用性を比較していきます。今回は以下4つのタスクにて、テストを実施しました。
- テキスト生成
- リサーチ
- コーディング
- 翻訳
出力した結果については、下記の4項目で5段階評価を行なっています。
- 回答のスピード
- 質問した内容と回答の関連度
- 情報の豊富さ
- 情報の正確さ
なおChatGPTについては、無料で利用できるGPT-4oと有料で利用できるGPT-o3それぞれでテストを行いました。ではさっそくテストの内容をみていきましょう。
テキスト生成
まずは各生成AIのテキスト生成能力を比較していきます。試しに以下のプロンプトを入力して、ビジネスメールの文章を生成させてみました。
アポイントを依頼するメールを教えてください
候補日時は3つを掲示してください
まずは定番のChatGPTから、その結果をみていきましょう。
ChatGPT(GPT-4o5)
以下のとおり無料版のChatGPTは、かなり精度の高いアポイント依頼のメール例文を生成してくれました。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
無料版でもChatGPTはかなり親切で、トーンや相手に応じて調整可能と案内してくれています。GPT-o3版の結果にも期待できそうです。さっそく次項で、有料版の結果をみていきましょう。
ChatGPT(GPT-o3)
内容は下図のとおり、GPT-4oとほぼ一緒でした。ただ前置きや調整可能な案内などがあるため親切さでいえば、わずかにGPT-4oに劣っている印象です。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
ある程度型が決まっているメール文章の生成については、同じChatGPTでも無料版に軍配が上がると考えられます。次はライバル、Geminiの腕前をご覧ください。
Gemini
以下のとおり、GeminiはそのままGmailで送信しても問題なさそうな文章を生成してくれました。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
次ににMicrosoft Copilotについても、文章力を測ってみましょう。
Microsoft Copilot
以下のとおりMicrosoft Copilotも、内容としては問題ない文章を生成してくれました。他の提案もしてくるので◎。ただ改行がない部分も多いため少し修正が必要ですね。


出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
ほぼコピペで使える他の生成AIと違ってMicrosoft Copilotでメール作成をする際は手を加えないといけない点に気をつけましょう。
次に最後にClaudeについても、文章力を測ってみましょう。
Claude(Claude Sonnet4)
Claudeはチャット部分でメールについての案内や注意点を、アーティファクト部分でメール本文や詳細なポイントを生成してくれました。
・チャット部分

・アーティファクト

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
ChatGPTと比較すると少し生成スピードが遅く感じましたが、出力される内容も問題なく、業務で問題なく使えるレベルでしょう。何よりアーティファクトにて出力されるというのが他の生成AIと違う大きなポイントです。
次は公平な比較のためにもリサーチについて、各生成AIでの検証結果をみていきましょう。
リサーチ
ここからは以下のプロンプトを使って、各生成AIが出力する情報の正確さを検証してみます。
各AIチャットボットの概要について教えて下さい
ChatGPT
Gemini
Microsoft Copilot
Claude
ではさっそく、どの生成AIが一番リサーチ業務に向いているのかを比べていきましょう!
ChatGPT(GPT-4o)
各チャットボットの概要をまとめてくれているだけでなく、わかりやすい表として生成してくれています。表の部分はそのままコピーできるので非常に使いやすいですね。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆
次はGTP-o3の結果をみていきましょう。
ChatGPT(GPT-o3)
GPT-o3は調べた出典元のリンク先も掲載してくれており、非常にまとまった情報が生成されました。
ただ、リンク先にはない情報も出力されているなど、一部ハルシネーションが発生している箇所もありました。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆
GPT-o3はネット上の情報を確認しているためか、生成速度は非常に遅かったです。次はGeminiについても、同様の検証を行なっていきます。
Gemini
Geminiも各生成AIに対して特徴を出力してくれています。緑の部分は参照リンクが含まれていますが、一部ハルシネーションを確認しましたので、情報の裏取りは必要になります。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆
次はMicrosoft Copilotの検証結果をご覧ください。
Microsoft Copilot
以下のとおりMicrosoft CopilotIは出典付きで返してくれますが、ハルシネーションを含んだ内容を生成します。正しい情報を知りたい場合は、各リンク先で確認しなくてはいけませんね。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆
Claude(Claude Sonnet4)
Claudeの出力結果は下記の通りです。
各ツールの情報をわかりやすくまとめているだけでなく文末に比較のポイントも出力されておりとても見やすい結果となりました。

出力の結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
ここまでは自然言語処理での能力比較を行なってきました。次からは趣旨を変えて、コーディング能力について検証していきましょう。
コーディング
ここからは同じ言語処理でも自然言語ではなく、プログラミング言語について比較していきます。今回は現在の時刻を表示する、Pythonコードを生成してもらいました。
Pythonで現在の時刻を表示するプログラムを教えてください。各生成AIのなかで最もコーディングに長けているのは、どのモデルなのでしょうか?以下、その結果をご覧ください。
ChatGPT(GPT-4o)
無料版のChatGPTは以下のとおり、表示別で2パターンのコードを生成してくれました。

上から2つ目のコードを、実際の開発環境で動かしてみると……

このように正しく機能しています。よって5段階評価は以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
次はGPT-o3のほうでも、サンプルコードを生成させてみましょう。
ChatGPT(GPT-o3)
下図のとおりGPT-o3版でも、ChatGPTは実行可能なサンプルコードを生成してくれています。ポイントも書いていてくれているため、親切ですね。

コードを実行してみた結果は以下のとおりで、問題なく動いています。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆☆
次はChatGPTのライバルである、Google Geminiのコーディングスキルを検証していきます。
Gemini
以下のとおりGoogle Geminiも、サンプルコードを生成してくれました。

こちらも実行してみると……

このとおりしっかり動作します。
ですがコンマ以下の秒数まで表示されており、視認性が良いとはいえないでしょう。
よって5段階で評価すると下記のようになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆
・情報の正確さ:☆☆☆☆
次にMicrosoft Copiloでも、コーディングを試していきます。
Microsoft Copilot
以下のとおりMicrosoft Copilotは、2パターンのサンプルコードを生成してくれました。引用付きで説明が添えられており、一見すると動作してくれそうなコードですね。

Microsoft Copilotが生成してくれたコードを実行してみると、以下のとおり正常に動作します。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりです。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の真実性:☆☆☆☆☆
次にClaudeでも、コーディングを試していきます。
Claude(Claude Sonnet4)
下記の通り、コードは他の生成AI同様に問題なく出力してくれました。説明文が充実していたり、様々なパターンでのコード案の提示があるなど、ChatGPTなどと比較しても、Claudeはとても丁寧な印象です。
・チャット部分

・アーティファクト

Claudeで生成されたコードを動かした結果は下記の通り、しっかりと表示されました。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりです。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆☆
・情報の真実性:☆☆☆☆☆
最後にGitHub Copilotというツールを使って、コーディングを試していきます。
GitHub Copilot
GitHub Copilotとは、AI技術を使ってプログラミングを支援してくれるサービスです。他の生成AIと同様に自然言語のプロンプトからコードを生成できます。今回はコーディング支援専門のツールとして、その他の生成AIと性能を比較してみます。
これまで同様に同じプロンプトで出力した結果は下記の通りです。Claudeと同じようにチャット部分に概要が、右側のコード部分にプログラムが出力されました。
・チャット部分

・コード部分

GitHub Copilotで生成されたコードを動かした結果は下記の通り、問題なく動作してくれました。結果、GitHub CopilotとChatGPTを比較してもあまり変わりない結果となりました。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりです。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:☆☆☆☆☆
・情報の豊富さ:☆☆☆
・情報の真実性:☆☆☆☆☆
どの生成AIも自然言語・プログラミング言語ともに、違和感のない出力ができていました。
次は最後の比較です。各生成AIに英文を和訳させてみて、その翻訳能力をみていきましょう。
翻訳
最後に各生成AIについて、英語から日本語への翻訳能力を比較していきます。今回は以下に示す、OpenAIのChatGPTのアップデート情報を和訳させてみました。
次の内容を日本語に翻訳して下さい
We’re rolling out a bunch of small updates to improve the ChatGPT experience. Shipping over the next week:
1. Prompt examples: A blank page can be intimidating. At the beginning of a new chat, you’ll now see examples to help you get started.
2. Suggested replies: Go deeper with a click. ChatGPT now suggests relevant ways to continue your conversation.
3. GPT-4 by default, finally: When starting a new chat as a Plus user, ChatGPT will remember your previously selected model — no more defaulting back to GPT-3.5.
4. Upload multiple files: You can now ask ChatGPT to analyze data and generate insights across multiple files. This is available with the Code Interpreter beta for all Plus users.
5. Stay logged in: You’ll no longer be logged out every 2 weeks! When you do need to log in, you’ll be greeted with a much more welcoming page.
6. Keyboard shortcuts: Work faster with shortcuts, like ⌘ (Ctrl) + Shift + ; to copy last code block. Try ⌘ (Ctrl) + / to see the complete list.
各生成AIが和訳した結果は、以下のDeepL翻訳と比較して正確さを評価しております。

これまでどおり、まずはChatGPTから翻訳の精度をみていきましょう。
ChatGPT(GPT-4o)
ChatGPTは以下のように、直訳気味ながらもそれなりに高精度で翻訳してくれました。結果、DeepL翻訳ChatGPTを比較してもあまり変わりがありませんでした。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:ー
・情報の豊富さ:ー
・情報の正確さ:☆☆☆
これがGPT-o3になると、翻訳精度は向上するのでしょうか? 次でその答え合わせをしていきます。
ChatGPT(GPT-o3)
以下のとおりGPT-4版のChatGPTでも、GPT-4o版と翻訳精度に大差がない印象です。

ただ意味の間違いはなかったため、以下のとおりに評価しています。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:ー
・情報の豊富さ:ー
・情報の真実性:☆☆☆☆
次はGeminiに翻訳させてみます。Google翻訳のノウハウは、生成AIに活かされているのでしょうか?
Gemini
以下のとおりGeminiの和訳は、全体的に良くまとまっています。ただ気になる点もあって、「空白のページは威圧的です。」の部分は直訳気味で文脈に合わせてくれていない印象でした。

この結果を5段階評価すると、以下のとおりになります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:ー
・情報の豊富さ:ー
・情報の真実性:☆☆☆☆
最後にMicrosoft Copilotでも翻訳を試してみて、生成AIの比較を終えたいと思います。
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは比較した中で、一番よくまとまった訳文を生成してくれました。以下のとおり翻訳ミスがなく、日本語としても自然な仕上がりです。

よって5段階評価をつけると、以下のとおり正確さが満点になります。
・回答のスピード:☆☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:ー
・情報の豊富さ:ー
・情報の真実性:☆☆☆☆☆
どの生成AIも自然言語からプログラミング言語まで、それなりにうまく処理してくれました。
Claude(Claude3 Opus)
こちらも下記の通り問題なく翻訳はできています。前述のMicrosoft Copilotと比較すると少し硬い印象がありますね。

Geminiと比較すると少し回答スピードが遅いように感じたので、5段階評価は下記の通りです。
・回答のスピード:☆☆☆
・質問した内容と回答の関連度:ー
・情報の豊富さ:ー
・情報の真実性:☆☆☆☆
生成AIの技術が順当に発展したらの話ですが、将来的には外国語やプログラミングを学ぶ必要がなくなるはずです。未来の小学生は授業で、プロンプトの書き方を習っているかもしれませんね。
ちなみにChatGPTには、他にもライバルがいます。そのひとつ、Llama 3については以下の記事をご覧ください。

生成AI比較のまとめ
当記事ではChatGPT・Gemini・Microsoft Copilot・Claudeの性能を、4つのタスクで比較しました。以下に示した比較内容の一覧から、もう一度結果を振り返ってみましょう。
比較内容 | ChatGPT(GPT-4o) | ChatGPT(GPT-o3) | Gemini | Microsoft Copilot | Claude(Claude Sonnet4) |
---|---|---|---|---|---|
回答速度 | 速い | やや遅い | 速い | 普通 | やや遅い |
回答精度 | 普通 | 高い(参照元の表示有) | 高い(参照元の表示有) | 高い(参照元の表示有) | 高い |
情報の新しさ | 最新の情報を取得 | 最新の情報を取得 | 最新の情報を取得 | 最新の情報を取得 | 最新の情報を取得 |
回答スタイル | ひとつの回答を生成 | ひとつの回答を生成 | ひとつの回答を生成 | ひとつの回答を生成 | ひとつの回答を生成 |
言語モデル | GPT-4o | GPT-o3 | PaLM 2 | Microsoft Prometheus(GPT-4+検索エンジン) | Claude Sonnet4 |
主な利用用途 | 文書生成タスクの処理自然な会話 | 文書生成Web情報の検索タスクの処理自然な会話 | 文書生成Web情報の検索タスクの処理自然な会話 | 文書生成Web情報の検索タスクの処理自然な会話 | 文書生成Web情報の検索タスクの処理自然な会話 |
料金 | 無料 | 月額20ドル | 無料 | 無料 | Pro:月額20ドル freeプランあり |
テキスト生成 | 高精度 | 高精度 | 高精度 | 普通 | 高精度 |
リサーチ | 高精度 | 高精度(ハルシネーションあり) | 高精度(ハルシネーションあり) | 高精度(ハルシネーションあり) | 高精度 |
コーディング | 高精度 | 高精度 | 普通 | 普通 | 高精度 |
翻訳 | 普通 | 普通 | 普通 | 高精度 | 普通 |
各生成AIについて、この結果をひとことでまとめると以下のとおりです。
- ChatGPTは文章生成やタスク処理に強い
- Geminiは全体的に優等生
- Microsoft CopilotはWeb検索や翻訳に優れる
- Claudeはすべてのタスクにおいて要求に答えている
今回の比較でGPT-4oに対するGPT-o3の優位性は、あまり感じられませんでした。もう少しクリエイティブなタスクで比較すれば、また違う結果になるかもしれません。
今後生成AIを活用していく予定の方は、ぜひ上の結果を参考に各モデルを選んでいただけたらと思います。

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最後に
いかがだったでしょうか?
各ツールの強みと使い分けがわかれば、導入検討は次のステージへ。現場の業務にどう活かせるか、一緒に具体化してみませんか?
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