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生成AIを利用するための体制構築とガバナンスの方法とは?リスクやその対策も解説

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メディア事業部AIライターのにこです。世界中で生成AIの活用が加速する中、AIガバナンスの体制構築が注目されています。

生成AIは我々にとって多大な恩恵をもたらしてくれる一方、安易な利用にはリスクが生じるのも事実です。

この記事では、生成AIを効果的に利用するためのガバナンス体制構築に焦点を当て、ガバナンスの必要性・体制構築する手順を紹介させてもらっています。

ぜひ最後まで読み進めて、生成AIの活用に役立ててください。

なお弊社では、生成AIツール開発についての無料相談を承っています。こちらからお気軽にご相談ください。

目次

生成AIの導入に向けたガバナンス体制構築とは?

生成AIの導入に向けたガバナンス体制構築とは、AI技術の使用や開発に関するルールや方針を定めるプロセスを指します。

なぜ生成AIにおいてルールが必要なのか順を追って解説していきます。

便利だがリスキーな面もある生成AI

生成AIの革新的な技術は、多くの分野で活用が期待されていますが、便利であるが故に生成AIはリスクも伴うことを考えなければいけません。

例えば、生成AIで作成された内容が不正確であったり既存の著作物を無断で使用してしまい、意図をせず著作権を侵害する可能性もあります。

驚異的な速度で進化を続けている生成AIに対して、人間が共存する未来のために、ガバナンスの体制構築に注目が高まっています。

生成AI専用のガバナンス体制構築が求められている

生成AIの進化に伴い、私達が生成AIの利用するルールや方針を定める「ガバナンス」の体制構築が求められています。

海外ではAIのガバナンス体制構築が進んでいますが、日本のガバナンス体制構築は遅れており、現状生成AIを利用している企業自身がリスク管理を行う必要があります。

ですから、私達が生成AIを安全かつ倫理的に利用するために、日本でも専門的なガバナンス体制が求められているのです。

ガバナンス体制構築が必要な生成AIのリスク5選

生成AIの活用は革新をもたらす一方、先ほど説明したようなさまざまなリスクも伴います。この項目では生成AIを利用時に注意すべきリスクを5つを挙げ、それぞれについて詳しく解説させていただきます。

プロンプトインジェクションによる社外秘情報の流出

生成AIを社外向けのシステムに組み込む際、安易にシステムへ組み込むことは控えてください。

ChatGPTGoogle Bardのような生成AIは、過去に私達が入力した情報を学習し、学習内容を元に答えを出力してくれます。

つまり、生成AIに対して社外秘情報や機密情報をインプットさせてしまうと、情報漏洩のリスクも伴う可能性も考えなければなりません。

低品質なコンテンツの生成

生成AIが生み出すコンテンツの中には、時として「ハルシネーション」と呼ばれる事実と異なった内容や誤った情報に基づく内容が生成されてしまいます。

現在の生成AIは便利ではあるけれど、完璧ではありません。

それらの低品質なコンテンツは、ユーザーに誤解を招く恐れがあり、企業の信頼性や評価に悪影響を与える恐れもあります。

現段階では生成AIを利用する際に、生成された内容の真意を確認することが重要です。

著作権の侵害あたるコンテンツの生成

生成AIの生み出すコンテンツには、既存の文学作品や記事からの無断引用が問題となっており、コンテンツの作成は著作権法を遵守し、オリジナルティが求められています。

生成AIを利用する企業は、問題を未然に防ぐため、生成AIが生み出したコンテンツに著作権を侵害していないか、チェックしなければなりません。

コンプライアンス・倫理に反する回答

生成AIが過去に学んだ情報に偏りがあると、場合によってはコンプライアンスや倫理に反する答えを出力することがあります。

生成AIを利用する場合、私たちは正しい情報をAIに学習させ、人間の考え方に合った答えを出すように心がけましょう。

生成AIから出力された結果を、チェックすることによって生成AIが間違ったり、偏った答えを出すリスクを減らせます。

参考記事:AIに関わる方は必修!AI倫理を考える 第3回 間接的ステークホルダーの存在

ユーザーによる悪用

ユーザーによる悪用のリスクは避けて通れません。悪意のあるユーザーは、企業の生成AIを利用してフィッシング詐欺のメールを書かせたり、マルウェアのコードを作成させたりすることもあります。

不正アクセスや情報漏洩などの重大なセキュリティリスクを引き起こす可能性があり、企業は生成AIを悪用されるリスクに対して厳格なセキュリティ対策と監視が不可欠です。

参考記事:意図的にAIを悪用した事例と今後予想される事例

なお、生成AI特有のサイバー攻撃について知りたい方はこちらをご覧ください。
プロンプトエンジニアリングマスターWiki!ChatGPTの必須テクニック16選

生成AI導入に向けたガバナンス体制構築の手順

上で紹介したように生成AIの導入にはリスクもありますが、それらリスクを回避するために、生成AI導入に向けたガバナンス体制構築が必要です。

ここでは生成AI導入に向けたガバナンスの体制構築の手順を紹介していきます。

その1.「AI原則」をもとにゴールを定める

ガバナンス体制構築に最も大切なのは、ルールを考える前に最終目標であるゴールを明確にすることです。

このアプローチによって、ルールは目的ではなく手段となり、より柔軟で実効性のある体制構築が可能になります。

例として、GoogleのAI原則には

・社会的な利益を追求する
・不公平を拡大しない
・プライバシーを尊重する

という3点が挙げられており、AI活用の基本方針を示し、目指すべき方向性を明確にしています。

参考記事:我が国のAIガバナンスの在り方

その2.ガイドライン・国際基準に沿ってルールの大枠を固める

国際基準に沿ってのガイドラインを参考にルールを策定していきましょう。

国際基準のガイドライン

  1. 日本(透明性・個人尊厳の重視)
  2. 欧州連合(倫理的基準の確立)
  3. 米国(利用者のプライバシー保護)
  4. カナダ(イノベーションと責任の両立)
  5. イギリス(セキュリティと公平性の確保)

これらのガイドラインに沿って最終目標から逆算し、ルールの大枠を決めていきます。

その3.自社の業務形態に合わせてルールを決定する

生成AIを利用する企業は、自社の業務形態・業界特有のニーズに合わせたルールを設定していきます。

AI導入を検討している企業が金融業界なら

・顧客データの保護
・プライバシー管理

金融業界では上記2つは必須であり、必須要素を重視してルールを設定していくのです。

このように自社の業務形態に合わせたルール設定を明確にすることで、生成AIの導入効果を最大化し、リスクを最小限に抑えられます。

なお、生成AI特有のリスクについて知りたい方はこちらをご覧ください。
ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説

生成AI時代のガバナンス体制構築と向き合う国内企業実例

日本国内の企業も、生成AIの進化に伴い、独自のガバナンス体制構築に積極的に取り組んでいます。

生成AIの利用を検討している方は、今から紹介する企業の取り組みを参考として読み進めてください。

富士通

富士通は、2022年2月に設立した「AI倫理ガバナンス室」を通じてAI倫理の実践を推進しています。

この取り組みは、人間中心の理念に基づきAIの利便性を最大化しつつ、安全で信頼できるAIの実現を目指すものです。

国内のAIビジネスすべてを対象にしたAI倫理審査プロセスの導入・ガイドラインの作成など、外部連携を活用して客観性を確保し、経営から現場までのガバナンス体制を構築しています。

参考記事:富士通のAI倫理ガバナンス

NTT

NTTは生成AIの活用がビジネスの生産性向上に繋がると考え2023年6月29日に「Global Generative AI LAB」を設立しました。

生成AIのソフトウェア開発への適用、各国拠点でのソリューション展開、新サービスの提供を行い、倫理やセキュリティの観点からグローバルガバナンス体制のガイドラインを策定しました。

NTTは誰もが安全で信頼できるAI技術の利用に取り組んでいます。

参考記事:生成AIの活用をグローバルで推進する体制を整備

Ridgelinez

Ridgelinezは、富士通やNTTと違い、生成AIのコンサルティングサービスを通じて他社のガバナンス体制構築の取り組みを行っています。

Ridgelinezが提供する生成AIのコンサルティングサービスは

1.アセスメント
2.実証実験(PoC)
3.実装

の3フェーズで構成されており、このプロセスには富士通グループのAI技術や研究の知見を組み合わせ、企業の競争力向上に貢献しています。

今後求められるのは「説明可能なAI」

この記事では生成AIのガバナンス体制構築について説明してきましたが、最後に説明可能なAI(XAI)についてお話しします。

説明可能なAI(XAI)とは

特殊な技術を用いて、なぜその意思決定にたどり着いたのか?その疑問に対して、全てのプロセスを追跡し、理由を説明できるAIです。

例えば、金融機関でカードローン審査の申し込みに対して、顧客情報をXAIを使うことによって瞬時に審査結果を導き出してくれます。

今後さまざまな業種で説明可能なAIが導入されていくでしょう。

弊社の生成AIコンサルティングについて

弊社・株式会社WEELの「AI導入コンサルティング」サービスでも、生成AIのガバナンス体制構築が支援できます!

AI導入コンサルティングでは、社内向けのAI基礎教育から導入後の運用までを一貫してサポート。コンサルティング / 不動産 / ITベンダー / 教育など、あらゆる業種に合わせたリスク対策を提供いたします。

サービスの内容としましては……

AI導入コンサルティング
期間3ヶ月〜
内容社内におけるAI基礎教育・AI活用法研修
AIツール導入支援
AIツール運用支援
プロンプト研修・定着支援
AI活用におけるリスク対策・ガイドライン遵守
社内システムとのインテグレーション※要相談
費用¥800,000〜1,600,000 / 月
見積もり額¥2,400,000〜

となっています。ぜひ貴社の業務に、SaaS開発で培ってきた技術力と当メディアの運営で集めた最新情報をお役立てください!

なお、生成AIコンサルティングについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIコンサルティングとは?メリットや選び方を徹底解説

生成AIのガバナンス体制構築はどんな企業にも必要不可欠

本記事では、AI原則の設定、国際基準への準拠、業務形態に合わせたルールの決定といった具体的な生成AIのガバナンス体制構築の手順を紹介しました。

これらを通じて、企業は生成AIを倫理的かつ効率的に活用する土台を築くことができます。

生成AIの導入は企業にとって大きなチャンスですが、それに伴うリスクを適切に管理するためにガバナンス構築は必須でしょう。

サービス紹介資料

生成系AIの業務活用なら!

・生成系AIを活用したPoC開発

・生成系AIのコンサルティング

・システム間API連携

最後に

いかがだったでしょうか?

弊社では

・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
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まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。

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生成AIを社内で活用していきたい方へ

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。

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投稿者

  • 2sc

    テクニカルライター 大学時代はアリの生態を研究。 ラボで唯一、Pythonを使ってデータ分析を効率化していた。 現在はライターとして、オウンドメディアや学術記事の執筆に当たっている。

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