【OpenAI Soraの動画事例】一晩で世界を変えた動画生成AIの実力とヤバい使い方10選
2024年2月15日(現地時間)に突如OpenAIから発表された動画生成AIの「Sora」。当初はアーティストやデザイナーなどの一部のみしかアクセスが許可されておらず、一般公開はされていなかったため、発表直後より世界中で大きな注目を集めていました。
そんな注目を浴びていたSoraが約10ヶ月の時を経て、2024年12月9日(現地時間)に一般公開の開始が発表されました。
この記事では、新しく発表されたSoraの特徴や使い方、今後期待できるSoraの活用方法について解説します。記事の後半には、実際にSoraを使って動画を生成した様子や出力された動画についても掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Soraとは
前述の通り、SoraはOpenAIから発表された新しい動画生成AIです。公式サイトやX(旧Twitter)上にSoraで生成された動画が公開されており、その動画のクオリティや表現力の高さに注目が集まっています。
詳しい使い方等は公開されていませんが、他の動画生成AIと同様にテキストプロンプトから動画を生成することが可能です。また、テキストだけではなくイラストや画像、動画などを取り込むこともでき、取り込んだ画像から動画を生成したり、既存の動画を延長させることもできます。
なお、Soraの技術的な解説についてはこちらの記事をご覧ください。
商用利用はできるのか
リリース時現在においては、Sora固有の商用利用に関する情報はでていませんが、ChatGPTやDALL-Eなどの利用規約を見る限り、ユーザーは生成物(テキスト、画像)に対する権利を保持し、商用を含む幅広い活用が可能となっています。
そのため、公式からSoraの商用利用に言及がされていないことからも見ても、おそらく商用利用は可能でしょう。
しかし、リアルな映像が手軽に作れるからこそ、商用利用するには著作権や肖像権、ディープフェイクなど、様々なリスクが存在することは理解する必要があります。そのため、生成AIで作った画像や動画を使用する際の注意点については、事前に深く理解をしておく必要があるのでしょう。Soraの利用を検討している方は今のうちに、生成AIにおいてのリスクについて勉強しておくことをおすすめします。
日本語対応について
Soraのツール表示はリリース時点では英語のみとなっていますが、入力するプロンプトに関しては、日本語にも対応しています。
しかし、ChatGPTやDALL-Eなどでもそうですが、日本語プロンプトよりも、英語のプロンプトの方が精度が高い可能性があるので、可能であれば英語のプロンプトを入力する方が良いでしょう。
2024年11月27日OpenAI Sora がリーク!?
2024年11月27日にX(旧Twitter)上に突然下記のようなポストが投稿され話題となりました。
実は、sora-alpha-artistsと名乗るアーティスト団体から、Hugging Face Spaceを通じてSoraへの早期アクセスがリークされたそうです。
リークされたSoraと思われる動画生成AIで生成された動画も出回っており、そのクオリティの高さから注目を集めています。
例えば、こちらのポストで紹介されている赤ちゃんの動画ですが、水中なのに陸地にいるような立ち振る舞いをしていたり、泡の出る部分に違和感を感じるなど、現実ではあり得ないような動画になっていますが、水面の水のうねりや赤ちゃんの表情、光の差し込み具合など、それぞれのパーツだけで見るととてもリアルに描写されています。
こちらの雪山ではしゃぐ犬の動画については、犬の表情や毛の揺れ具合などがリアルに表現されています。
細かく見れば、着地した瞬間の足の動きが変だったり、犬が着地した衝撃で木の上に積もっている雪が落ちないという点においては不自然ですが、パッと見た感じはかなり精度の高い動画となっていることがわかります。
しかし、こちらのポストで公開されている動画のように、生成されている物体や人物をパーツごとに見ればクオリティが高いといえますが、不自然な部分が多い動画が生成されてしまうこともあるので、まだまだ課題は多い印象です。
このように、現状を見る限り不自然な動画も生成されてしまうこともありますが、そもそもどのようなプロンプトから生成された動画なのかわかりません。
入力するプロンプトを工夫することでかなりリアルな動画を生成できる可能性は高いので、今後に期待できる動画生成AIであることは間違いないでしょう。
2024年2月15日の発表以来一般公開の情報はほとんどなく、今か今かと公開を待ち侘びているユーザーも多いかと思いますが、今回のリーク騒動があったとはいえ、開発が進んでいることがわかるので公式公開もそう遠くないのではないでしょうか。
その他にも、今回リークされたSoraと思われる動画生成AIで生成された動画は、SNS上に公開されているので、興味のある方は調べて見てください。
2024年12月9日ついに一般公開が開始
2024年12月9日(現地時間)にOpenAIから、Soraの一般公開を開始することが発表されました。利用できるのは、「ChatGPT Plus」と「ChatGPT Team」、「ChatGPT Pro」へ加入しているユーザーのみとなっているため、無料版のChatGPTユーザーは利用できない仕様となっています。
動画の生成方法は、テキストプロンプトや(Text-To-Video)や画像( Image-to-Video)、動画(Video-to-Video)から動画生成が可能で、Soraから生成された動画はそのまま編集することもできるため、幅広い動画を簡単に生成することができます。
Soraのログイン方法
次に、Soraのログイン方法についてご紹介します。
まずは、Sora公式ページにアクセスします。
アクセスができたら右上の「Log in」ボタンをクリックします。
ログインするためのメールアドレスやパスワードの入力画面になるので、ChatGPTで利用しているメールアドレスとパスワードを入力してください。
入力を進めて、最終的にSoraのホーム画面が表示されれば、問題なくログインは完了しているということになります。
Soraで実際に動画を生成してみた
次に、実際に動画を生成していきたいと思います。
動画の生成方法もとてもシンプルで、画像の下部にある、テキストボックスに生成したい動画のイメージを入力するだけで動画の生成が可能となります。
今回は、「昼間の峠道を颯爽と走る2台のスポーツカー」と入力してみました。
入力ができたらテキストボックス右側にある「↑」をクリックすれば、動画の生成が開始されます。※画像には猫の動画が表示されていますが、これは事前に生成した動画なので皆さんのホーム画面には存在しない動画です。
今回は、2つのバリエーションで動画を作ってもらうように指示したため、下記の2つの動画が生成されました。
たった一行のテキストプロンプトから、このクオリティの動画ができてしまうのが驚きですね……。
動画に出力されている車は見た感じ2台とも車種は同じようですが、入力したプロンプトの通りかっこいいスポーツカーが昼間の峠を走っている動画を生成することができました。
細かく動画を見てみると、不自然に道幅が急に広くなって片側に2台分走れるようなスペースが出現しましたが、流れる風景やフロントガラスに反射する雲の様子、ボディーやホイールに反射する光まで細かく描写されています。
個人的に特にすごいと感じたところは、角度によって見えるダッシュボードやリアのエンジンルーム内まで細かく描写されていたところです。他の動画生成AIからでもこのように同じ構図の動画を生成することはできると思いますが、細かい部分を見ていくと、それぞれの出力された動画に差がでてくるでしょう。
今回出力した動画を見ていただいてわかる通り、クオリティーを求めるのであればSoraはとてもおすすめです。
ストーリーボード機能を使った動画の生成
ストーリーボード機能とは、動画の構成を自由に指定できる機能です。
利用方法も簡単で、先ほど同様に任意のプロンプトを入力したら、テキストボックス右側にある「Storyboard」をクリックします。
すると、上記のような動画の構成を設定できる画面に移動します。
入力したプロンプトから予測してSoraが動画の構成を考えてくれているので、もちろんこのまま動画を生成することもできますし、Storyboard内のテキストプロンプトを自由に変更することができるので、より細かく生成される動画を調整することができます。
また、追加したい要素はいくつも挿入できますし、下部のタイムバーから変更を加えたいタイミングの指定も可能です。
今回は、Soraが出力してくれた下記の構成のまま動画を生成してみました。
シーン①:青空の下、山々に囲まれた峠道を2台のスポーツカーが勢いよく走り抜けていく。1台は赤色で、もう1台は銀色。車のエンジン音が響き渡り、風を切る音が聞こえるほどのスピード感がある。道は曲がりくねっており、両脇には色づいた木々が並び、美しい景観を作り出している。太陽の光が車体に反射し、輝きを増している。
シーン②:赤いスポーツカーが前を走り、銀色のスポーツカーが追いかける。
シーン③:2台の車が一緒にカーブを曲がり、景色が開ける。
出力された動画を見てみると、シーン①と③はしっかり表現されていますが、シーン②については再現されていませんでした。
これについては、おそらく動画の途中で急な指定が入ったため不自然な動画になることを避けたのではないかと思っています。なので、シーン①の段階で銀色のスポーツカーが赤いスポーツカーを追いかけるようなプロンプトを入力していれば、再現できていたかもしれませんね。
しかし、大まかシーンの指示にも従うことができているので、Soraを使うことで動画生成のクオリティが上がることは間違いないでしょう。
Soraで期待できる活用方法10選
Soraがリリースされた後、どのような用途で利用されるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここからはSoraで期待できる活用方法10選を紹介します。X(旧Twitter)に投稿された事例を基に使い方を考えました。ぜひ参考にしてください!
①画像をもとに動画を作成
Soraはテキストプロンプトだけではなく、画像をもとに動画を生成することができます。例えば、家で飼っているペットを普通ではありえないシチュエーションの中に置いたり、ポーズを取らせたりなど使い方はさまざまですが、面白い画像やおしゃれな画像などの生成が可能です。
②アニメーションの作成
前述の通り、画像をもとに動画を生成することができるので、オリジナルキャラクターのアニメーション動画の作成も可能です。
また、絵がかけないという方でも、テキストプロンプトからオリジナルキャラクターを生成し、そこからアニメーションを作ることができるので、誰でも簡単にアニメーションを作成することができます。
③広告やプロモーション動画
上記の投稿では、SORAが生成した動画に音声生成AI「Elevenlabs」を組み合わせた事例です。
前述の通り、画像をもとに動画を生成できるということは、商品やサービス、イラスト、会社のロゴなどを取り入れた動画生成が可能となります。これにより、今まで時間やコストのかかっていた広告やプロモーション動画を簡単に作成することが可能です。
さらに、いろんなパターンを生成できるためABテストなどの検証を行えば、より効果の高い広告クリエイティブを作ることができるでしょう。
④クリエイティブ動画の作成
YouTubeやInstagram、TikTokなどのSNS上には、バズを狙うクリエイターたちが日々動画を公開しています。動画を投稿するには、企画考案から動画の撮影、編集作業など、時間と労力を使う作業が多いのが現状です。
しかし、Soraを使えば企画を考えて、プロンプトを打ち込むだけで簡単に動画の生成が可能です。また、企画や構成さえ考えることができれば、短時間で大量の動画が作成できるため、たくさんの動画を公開できます。
⑤動画のOP・ED動画
今やYouTubeなどに公開されている動画には、OPやEDが挿入されている動画が多く存在します。この、OPやEDは自分のチャンネルやアカウントを印象付けるのに効果的なので、独特なOP・EDを作りたいと考えている人も多いでしょう。
Soraを利用することで、自分のイメージを動画にすることができるので、技術がなくてもアイディアがあれば、独特なOPやED動画を作ることができます。
⑥ゲームのムービーシーン
プログラミングの知識があり、ある程度の画像素材があれば個人でもゲームが作れる時代です。しかし、個人製作の場合は予算等の兼ね合いで、ゲーム中にムービーシーンを導入することは難しいです。
しかし、Soraを使えば登場人物の画像データをもとに動画が作れるので、予算がなくてもムービーシーンを導入することができます。
⑦既存動画の編集
Soraは動画を生成できるだけではなく、既存の動画を編集することもできます。OpenAIから発表されている情報では、被写体をそのままに周りの環境を変更している動画が公開されています。
現時点では、その程度編集できるかわかりませんが、環境を変えることができるだけでも元動画から雰囲気の違う動画を生成することが可能です。
⑧異なる動画の組み合わせ
Soraは異なる2つ動画を一つに組み合わせることが可能です。OpenAIが公開した「Video generation models as world simulators」では、車が走っている動画と虎が走っている動画の2つを組み合わせた動画が公開されています。
生成された動画では、車が虎に追いかけられているような構図になっており、アイディアや素材次第で面白い動画を作ることができます。
⑨画像の生成
Soraは動画生成AIですが、動画の生成だけではなくイラストや画像の生成も可能です。生成できる画像は最大2048×2048の解像度までで、さまざまなサイズの画像を生成できます。
クオリティは高く、他の画像生成AIに引けを取らないレベルなので、画像生成したい方にもおすすめです。
⑩シミュレーション動画の作成
OpenAIが「ワールドシミュレーター」と謳っている通り、Soraにはこれまでの動画生成AIにはなかったようなシミュレーション能力があります。
一例で公開されている動画の中にある、「Minecraft」という言葉を入れたプロンプトから生成された動画を見ると、Minecraft内でのキャラクターの動きや世界観などを理解した動画が生成されています。
このように、さまざまな情報から物理法則やルールなどを間接的に学習しているため、さまざまなシーンのシミュレーション動画を作成できます。
なお、Soraのようなツールをいち早く利用したい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
Soraで可能性が広がる
頭の中にアイディアはあるけど、動画を作るのにコストをかけられないしスキル不足で自分で作ることもできない…… という方はたくさんいます。
そんな中、今回ご紹介したSoraを活用することで、出来なかったアイディアの具現化が可能となり、今までに世に出てこなかったアイディアが次々に出てくるでしょう。さらに、ビジネスの領域でも動画を中心としたマーケティングがより激化することも予想されます。約10ヶ月の時を経て一般公開されたSoraは、クリエイティブやビジネスの領域で可能性を広げるツールとなりうるのではないでしょうか。
最後に
いかがだったでしょうか?
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