ローカル環境で動作するチャットボットとは?メリットや注意点、おすすめツール3選を紹介
![ローカル環境 チャットボット メリット](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/local-chatbots.webp)
- 情報漏洩リスクを最小限に抑えたAIの導入を検討している方
- クラウドではなくオンプレミスでAIを運用したい
- AIを活用したペルソナ作成に興味がある人
機密情報を取り扱う企業にとって、情報漏洩のリスクは常に付きまといますよね。インターネットを介するクラウド型のチャットボットでは不安だと感じる方も多いはず。
そこで今回は、様々なリスクを低減して自社サーバーで安全に運用できるローカルチャットボットについて、その概要やメリット、注意点などを解説します!
無料でローカルチャットボットを構築できるAIツールもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧くださいね!
ローカルチャットボットとは
ローカルチャットボットとは、インターネットに接続することなく、自社のサーバーや端末内に構築されたチャットボットのことです。
クラウド型のチャットボットと異なり、外部のサーバーを介さずに動作するため高速な応答や高いセキュリティが期待できます。特に生成AIの登場以降、情報漏洩に対する意識の高まりや安定した運用を求める企業を中心に注目を集めています。
次項で詳しく解説しますが、ローカルチャットボットの最も大きな特徴は、ローカル環境で動作するためネットワーク環境に左右されず、いつでもどこでも安定したサービスを提供できる点です。
また、自社のシステムやデータに特化して学習させることができるため、より精度の高い回答やパーソナライズされたサービスを提供することが可能です。
なお、クラウド型のAIチャットボットについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
![](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2024/06/AIチャットボットとは?仕組みやおすすめ5選を徹底解説.jpg)
ローカルチャットボットを構築するメリット
ローカルチャットボットを導入することで、企業はデータのセキュリティを強化し、インターネット接続なしでも安定した応答を実現できます。ここでは、ローカル環境でチャットボットを構築する具体的なメリットについて詳しく解説します。
ネットワークに繋がっていない状態でも利用可能
ローカルチャットボットは、インターネットに接続されていない状態でも利用できます。そのため、通信環境が不安定な場所や、機密性の高い情報を取り扱う場合にも安心して利用できるのが大きなメリットです。
例えば、工場の生産ラインや病院の病室など、ネットワーク環境が整っていない場所でもローカルチャットボットを活用した業務効率化が期待できます。
細かいカスタマイズが行える
ローカルチャットボットは、クラウド型のチャットボットと比較してカスタマイズ性が高く、自社の業務内容や利用シーンに合わせて自由に設定することができます。
また、外部のAPIとの連携も簡単で、社内のシステムやデータベースと統合することでより高度な機能を持たせることも可能です。例えば、顧客情報にアクセスしてパーソナライズされた回答を提供したり、社内システムの操作をチャットで実行したりといったことが考えられます。
さらに、機械学習を活用することで、チャットボットの性能を継続的に向上させることも可能です。
高いカスタマイズ性により、ローカルチャットボットは高度で複雑な業務にも対応することができます。
情報漏洩のリスクが低い
通常のチャットボット(クラウド型)には、インターネットを介して動作するためどこで情報漏洩するかわからないというセキュリティ面の問題があります。しかし、ローカルチャットボットは外部のサーバーを介さずに動作するため、情報漏洩のリスクが非常に低いです。
特に、個人情報や機密性の高い情報を扱う企業にとって、この点は大きなメリットと言えるでしょう。また、万が一システムに問題が発生した場合でも外部への情報流出を防ぐことができます。
ローカルチャットボットを構築する際に使えるAIツール
データ保護やプライバシーの観点からも、ローカルチャットボットの利用はこれからどんどん増えていくでしょう。
今回は、ローカルチャットボットを構築する際に使える以下の3つのAIツールをご紹介します。
- Dify
- Jan
- Chatbot UI
導入が比較的容易で使いやすいものをピックアップしていますので、ぜひ一度試してみてくださいね。
Dify
![](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/image-101-1024x433.png)
「Dify」は、プログラミングの知識がなくてもRAG搭載のチャットボットやAIエージェントが作れるツールです。ローカルでの利用の場合、完全無料で使うことができます。
Dockerの仮想環境上で簡単に動かすことが可能で、デスクトップ内だけで動く業務用AIツールを作れるなど、セキュリティ要件の厳しい企業での導入に最適です。
Jan
![](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/image-102.png)
LLMプラットフォームの代表格である「Jan」は、大規模言語モデル(LLM)のダウンロードからローカルで動作させて実際にチャットするまでの流れをすべてGUIで実行できるアプリです。
Janはオープンソースで開発されており、こちらからソースコードを確認できます。
Chatbot UI
![](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/image-103.png)
「Chatbot UI」は、ChatGPTのクローンの様なUIを体感できるオープンソースのツールです。
会話履歴のフォルダ分けやキーワードによる検索、さらにはよく使うプロンプトをテンプレートとして保存するといった、ChatGPTには無い独自機能を持っている点が特徴です。
ChatGPTの場合、入力データが言語モデルの学習に利用されてしまうという問題点があります。しかし、API経由でGPTを利用するChatbot UIはデータの収集が行われないため、ChatGPTのような高い操作性・利便性を保ちつつ、データが保護された環境で利用が可能です。
ローカルチャットボットを利用する際の注意点
ローカルチャットボットには多くのメリットがある一方で、以下のような注意点も存在します。
- 導入コストがかかる
- 初期設定などに時間がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要
- スペックの高いデバイスが必要
1つずつ解説していきます。
導入コストがかかる
ローカルチャットボットの導入には、クラウド型に比べて初期費用がかかる傾向にあります。導入コストがかかる原因として、以下のような要因が考えられます。
- ハードウェアの購入
- ソフトウェアの開発・導入
- システム構築や運用のための人件費
- サーバーの稼働に必要な電気代
- メンテナンス費用
- ライセンス費用
これらの費用はシステムの規模や機能によって大きく変動するため、決まった金額はありません。大規模なシステムを構築する場合や高度な機能を実装する場合には、より多くの費用がかかることが予想されます。
クラウド型チャットボットの場合、初期費用を抑えて導入できることがメリットです。しかし、利用料金は月額で発生するため、長期的に利用する場合にはローカル型とトータルの費用が逆転する可能性もあります。
初期設定などに時間がかかる
ローカルチャットボットの導入には、クラウド型と比較してより詳細な初期設定作業が必要となります。これは、自社の環境に合わせたカスタマイズを行うため、様々な設定項目を調整する必要があるからです。
具体的な初期設定のステップとしては、以下のものが挙げられます。
- サーバー環境の構築。
- データ(FAQ、マニュアルなど)の準備
- モデルの選択・調整
- インターフェースの設計
これらの作業は、専門的な知識やスキルを必要とする場合が多く、初期設定に時間がかかるという課題があります。特に、大規模なデータセットを用いた学習や、高度な自然言語処理技術の導入を検討する場合には、より多くの時間と手間がかかることが予想されます。
専門ベンダーに依頼したり既存のフレームワークやAIツールを活用したりすれば、初期設定にかかる時間と労力を軽減させることも可能です。
定期的なメンテナンスが必要
ローカルチャットボットは、一度構築すれば終わりというわけではありません。その性能を維持し、さらなる成長を促すためには継続的なメンテナンスが不可欠です。
メンテナンスが必要な理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 自然言語処理モデルの進化
- ユーザーからのフィードバック
- システム環境の変化
- 不具合の修正
また、メンテナンスの内容として主に以下の4つが挙げられます。
- モデルの再学習
- システムの最適化
- セキュリティ対策
- ユーザーからのフィードバックに基づいたシナリオの追加・修正
メンテナンスの頻度はチャットボットの利用状況や複雑さによって異なりますが、一般的に週に一度程度の点検と、月に一度程度の詳細な分析を行うことが推奨されています。
スペックの高いデバイスが必要
ローカルチャットボットをスムーズに動作させるためには、十分なスペックを持つデバイスが必要です。特に、大規模な言語モデルを利用する場合や、多くのユーザーが同時にアクセスする場合には、より高性能なデバイスが必要となります。
以下は、必要なスペックの一例です。
- CPU
自然言語処理の計算負荷に対応するため、高性能なマルチコアと高いクロック数が求められる。 - メモリ
言語モデルの全体をメモリに展開するため、大容量のメモリが必要。 - ストレージ
頻繁なデータの読み書きに対応するため、高速なSSDが推奨される。 - GPU
深層学習フレームワークを利用する場合、GPUがあると処理速度が大幅に向上する。
デバイスのスペックが不足している場合、以下のような影響が考えられます。
- 応答速度の低下
- システムの不安定化
- 機能制限
予想されるユーザー数や処理量、利用する言語モデルのサイズなどに合わせて、使用するデバイスを選定しましょう。適切なデバイスを選定することで、安定した高性能なチャットボットシステムを構築できます。
なお、AIチャットボットを無料で自作する方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
![](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/01/ai-chatbot-dev.webp)
ローカルチャットボットの導入を検討しよう!
ローカルチャットボットとは、自社のサーバーで動作するAIチャットボットです。インターネットを介するクラウド型チャットボットと異なり、高速な応答と高いセキュリティが特徴で、特に情報漏洩が懸念される企業から注目を集めています。
ローカルチャットボットを導入するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- ネットワーク環境に左右されない
- 高度なカスタマイズ
- 情報漏洩リスクが低い
ただし、ローカルチャットボットには以下のような注意点もあります。
- 導入コストが高い
- 初期設定に時間がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要
- 高スペックなデバイスが必要
ローカルチャットボットの構築には、Dify、Jan、Chatbot UIなどのツールが利用できます。
ローカルチャットボットの導入を検討する際は、メリットとデメリットを比較し、自社の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。ローカルチャットボットの構築・運用は自己責任で行う必要がある点にご注意ください。
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いかがだったでしょうか?
ローカルチャットボットの導入で、情報漏洩リスクを低減しながら自社のデータに最適化されたAI運用を実現しませんか?最適な構築方法や運用戦略について、専門家が詳しく解説します。
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