【Stable Diffusion】出力画像のクオリティを上げるネガティブプロンプトとは? メリットや使い方のコツなどを徹底解説!
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん、画像生成AIの代表格「Stable Diffusion」で遊んだことはありますか?
触れてみた方ならわかるかもですが、Stable Diffusionって狙った画像が出せないですよね。
そこで役立つのが……
お試し版Stable Diffusionでもここまで作れる「ネガティブプロンプト」です。
ということで今回は、ネガティブプロンプトの概要・使い方を解説!完読いただくと、ある程度狙った画像が生成できるようになります。
ぜひ、最後までお読みくださいね。
Stable Diffusionにおけるネガティブプロンプトとは
Stable Diffusionでは、プロンプトと併せて「ネガティブプロンプト」も入力できます。このネガティブプロンプトは……
プロンプト:画像中に追加したい要素が指定できる
ネガティブプロンプト:画像中から除外したい要素が指定できる
という、プロンプトと逆の効果をもつ指示です。プロンプトと併用することで下記のとおり、意図に沿った画像が生成できてしまいます。
- プロンプト「mountain」+ネガティブプロンプト「snow」=雪のない山の画像
- プロンプト「tree」+ネガティブプロンプト「leaves」=落葉後の木の画像
- プロンプト「woman」+ネガティブプロンプト「lower body」=女性の上半身アップ画像
そんなネガティブプロンプトは、Stable Diffusionでの画像生成における必須テクニック。次項にてそのメリットから、詳しくみていきましょう!
なお、Stable Diffusionの最新モデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【Stable Diffusion 3】Stable Diffusion最新モデルがついに登場!DALL-E 3と性能を比較してみた
ネガティブプロンプトを使うメリット in Stable Diffusion
Stable Diffusionにおけるネガティブプロンプトのメリット・効果は……
- 不要な要素を排除できる
- 低品質な画像の生成を防ぐ
- 作画崩壊を防ぐ
- 表情をコントロールできる
の4点!まずは基礎「要素の排除」から詳しくみていきましょう!
不要な要素を排除できる
Stable Diffusionはわずかなプロンプトを参考に、余白を補いながら複雑な構図の画像を生成してくれます。ただこれは「こちらの意図しない要素が画像に含まれる」ということでもありますよね。
そこでネガティブプロンプトの出番です!ネガティブプロンプトを使えば、物体やロゴ等、画像から除きたい要素が指定できます。
たとえば「雪のない山」を生成したい場合は、プロンプトで「mountain」を、ネガティブプロンプトで「snow」をそれぞれ指定すればOK。プロンプトで「mountain without snow」と指定するよりも、簡潔に指示が出せるんです。
低品質な画像の生成を防ぐ
ネガティブプロンプトは、より抽象的な要素の除外にも使えます。
例えば、低品質な画像を避けたい場合に有効。ネガティブプロンプトの入力欄に……
- ぼやけた状態(blurry)
- ノイズが入った状態(noise)
- 解像度が低い状態(lowres)
と加えるだけで、Stable Diffusionが高品質な画像を生成してくれるんです。プロンプトにおける「最高の〜」同様、とりあえず入力しておきましょう!
作画崩壊を防ぐ
Stable DiffusionでAIグラビアやアニメ風イラストを生成する際にも、ネガティブプロンプトは効果的。ネガティブプロンプトなら、人物を描写するうえでの……
- 顔のバランスに違和感がある
- 指の本数・形状に違和感がある
- 体の一部が溶けている
といった作画崩壊(非現実的・不自然な表現)を防いでくれるんです。
表情をコントロールできる
ネガティブプロンプトを使えば、人物の表情が細かく指定できます。例えば……
- プロンプト「smile」+ネガティブプロンプト「facial expression」=「口元だけのほほえみ」
- プロンプト「sad-look」+ネガティブプロンプト「tears」=「涙をこらえる表情」
こんな感じで、複雑な感情表現が可能。キャラクターデザインに役立ってくれます!
ネガティブプロンプトの使い方 in Stable Diffusion
ここからは、Stable Diffusionにおけるネガティブプロンプトの使い方をみていきます。
といっても、方法は簡単!Stable Diffusion系のブラウザアプリやWeb UIから、ネガティブプロンプトの入力欄に除外したい要素を記入するだけでOKなんです。
今回は……
こちらStable Diffusion 2.1のデモ版(Hugging Face版)を使って、ネガティブプロンプトの効果をみていきましょう!
ネガティブプロンプトなしの画像生成
まずは、プロンプトだけで「街路樹の画像」を生成してみます。
#「街路樹」を描写するプロンプト
avenue trees
以上のプロンプトをStable Diffusion 2.1のデモ版に入力してみると……
このように、葉や花をつけた並木の画像が生成されました。続いて、ネガティブプロンプトを併用して「枯れ木の画像」を生成してみましょう。
ネガティブプロンプトありの画像生成
次は、先ほどのプロンプトにネガティブプロンプトを追加して「枯れ木の画像」を生成していきます。枯れ木に不要なものは……
#「葉と緑」を除くネガティブプロンプト
leaf leaves green
以上「葉と緑」ですね。こちらをStable Diffusionのプロンプト欄下部、別枠に追記すると……
お見事!落葉後の木々が描画されましたね。
なお、Stable Diffusionに欠かせないもう一つのテクニックについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【LoRA】画像生成がさらに進化!イラストや写真表現の可能性を広げるAI学習モデルを徹底解説
ネガティブプロンプトのコツ3点 in Stable Diffusion
ネガティブプロンプトの効果を高めるためには、以下3点のコツを抑えることが必須です。
- 記述はミニマルに:プロンプトもネガティブプロンプトも多用すると、Stable Diffusionの動作が安定しません。記述は必要最低限にとどめましょう。
- 具体的かつ明瞭に:不要な要素は具体的かつ明瞭に指定しましょう。漠然とした指示よりも、具体的な言葉を選ぶことが重要です。
- テストを繰り返す:様々な表現でトライ&エラーを重ね、最高の画像を目指しましょう。
ネガティブプロンプトを上手く使えば、Stable Diffusionでより高精度な画像が生成できます。生成したくない要素を明確に指示することで、思い描いた通りの画像が得られるでしょう。
Stable Diffusion用のネガティブプロンプト一覧
ここからは、実際にStable Diffusionで使えるネガティブプロンプトを抜粋して紹介。今回は……
- 品質関連
- 表情関連
- 人物・動物関連
- テキスト・ロゴ関連
以上、4種類のネガティブプロンプトの例をお教えします。
品質関連のネガティブプロンプト
下表・品質関連のネガティブプロンプトは、Stable Diffusionに入力するだけでクリア・高品質な画像が生成されます。
除きたい要素 | 品質関連のネガティブプロンプト |
---|---|
通常のクオリティ | normal quality |
最悪のクオリティ | worst quality |
低クオリティ | low quality |
低解像度 | lowres |
ぼやけた | blurry |
まず試しに、品質関連のネガティブプロンプトなしで「スーパーカー」の画像を生成してみましょう!
#「スーパーカー」
super car
このように、ぼやけた背景が写り込んでしまいました。そこで下記のネガティブプロンプトを加えてみると……
#「最悪のクオリティ、ぼやけた」
worst quality ,blurry
このように、スーパーカーだけがくっきり描画されます。
表情関連のネガティブプロンプト
先述のとおり、人物の顔の描画にもネガティブプロンプトは有効。下表を入力することで、任意の顔立ち・表情が指定できます。
除きたい要素 | 表情関連のネガティブプロンプト |
---|---|
下手に描かれた顔 | poorly drawn face |
寄り目 | cross-eyed |
悪い口 | bad mouth |
最悪の顔 | worst face |
悪い・低品質な目 | bad eyes |
こちらは、しばしばStable Diffusionで生成される「アニメ風の美少女」で試してみましょう!まず、ネガティブプロンプトなしの状態では……
#「アニメ風の美少女」
cute anime girl
このように、「瞳の向き・まつ毛」の描写が不自然です。そこで下記のネガティブプロンプトを加えてみると……
#「悪い・低品質な目」
bad eyes
このようにある程度、顔の作画が修正できます。特に右側の画像は「2000年代のライトノベルの表紙」のように高品質になりました!
人物・動物関連のネガティブプロンプト
人物・動物の作画を整えたい場合は、下記のネガティブプロンプトが有効。ポーズ・体形の仕上がりをナチュラルにしてくれます。
除きたい要素 | 人物・動物関連のネガティブプロンプト |
---|---|
悪いプロポーション | bad proportions |
異常なプロポーション | gross proportions |
太った | fat |
筋肉質の | muscle |
調和の取れていない体 | uncoordinated body |
こちらについても「アニメ風の美少女」に追記、Stable Diffusionにバストアップの画像を生成してもらうと……
#「調和の取れていない体、悪い・低品質な目、最悪の下半身」
uncoordinated-body bad-eyes worst-lower-body
お見事!どこか懐かしい萌えイラストが生成されました。
テキスト・ロゴ関連のネガティブプロンプト
画像を商用利用する場合や構図をシンプルにしたい場合に役立つのが、下記・テキスト・ロゴ関連のネガティブプロンプトです。
除きたい要素 | テキスト・ロゴ関連のネガティブプロンプト |
---|---|
テキスト | text |
署名 | signature |
ロゴ | logo |
ユーザー名 | username |
アーティスト名 | artist name |
こちらを入力することで、Stable Diffusionで不自然になりがちな文字・ロゴが省けます。
試しに下記のプロンプト「ハンバーガー屋さん」について、ネガティブプロンプトの有無で生成画像を比べてみましょう。まず、ネガティブプロンプトなしの状態では……
#「ハンバーガー屋さん」
hamburger shop
このように「一見文字のような何か」が入り込んでしまいます。対してネガティブプロンプトありの状態だと……
#「文字」
text , character ,letter
このように、左側の画像で文字が消えています。
以上4種のネガティブプロンプトを使いこなして、あなただけの美麗なイラストを完成させましょう!
なお、Stable Diffusionの導入方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→Stable Diffusionをローカル環境で構築する方法!メリット・デメリットも徹底解説
ネガティブプロンプトなら、Stable Diffusionも意のまま
今回の記事では、Stable Diffusionにおけるネガティブプロンプトの基礎から使い方までを解説しました。ネガティブプロンプトを使えば……
- 不要な要素の排除
- 画像品質の維持
- 作画崩壊防止
- 表情のコントロール
が可能。「Stable Diffusionで思い通りの画像が作りたい!」という方はぜひ、今回紹介したテクニックをお試しください。
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