AI導入費用の相場を徹底比較!SaaS・個別開発の料金とコスト削減方法を解説

- AI導入費用はSaaS型なら利用人数に応じた月額料金から始められ、個別開発では数百万円以上になることもある
- 初期開発費だけでなく、API利用料や保守費を含む年間総額で比較することが大切
- 補助金と小規模な検証を組み合わせれば、投資を抑えながら効果を確かめられる
2026年10月時点のAI導入費用は、SaaS型なら1人あたり月額20ドル程度から、個別開発では数百万円以上が目安です。API連携型は開発内容と利用量で変わります。

「自社の予算で導入できる?」「運用費も心配」と感じる方もいるでしょう。この記事では、導入形態別の費用相場と内訳、ROIの計算方法、補助金や費用削減策を紹介します。最後まで読めば、見積もりの妥当性を確かめ、予算に合う方法を選べます。
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
生成AIの導入費用一覧
生成AIの導入費用は、既存サービスを契約するか、自社向けのシステムを開発するかで大きく変わります。SaaS型は利用人数に応じた月額課金が中心ですが、個別開発では数百万円から数千万円規模になることもあります。
ここでは、導入形態別の費用相場を中心に、次の5つの観点からAI導入費用を確認しましょう。
- 導入形態別の費用相場
- 工程別の導入費用と期間
- AIの種類別の費用
- 初期費用と運用費用の内訳
- WEELへ開発を依頼する場合の費用
導入形態別の費用相場(SaaS型・API活用型・個別開発型)
生成AIを導入する方法は、既存サービスをそのまま使うSaaS型、AIの機能を自社システムにつなぐAPI活用型、自社の業務に合わせてシステムを作る個別開発型に分けられます。必要な初期費用や毎月の支出は、導入形態によって大きく異なるため、目的と予算に合った方法を選びましょう。
2026年10月時点の主な費用目安を、導入期間や向いている企業と併せて比較します。
| 導入形態 | 初期費用の考え方 | 継続費用 | 導入までの目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|
| SaaS型 | 標準機能の利用だけなら開発費は原則不要 | 1人あたり月額20ドル程度から。人数やプランで変動 | 数日〜数週間 | 文章作成や社内利用をすぐに始めたい企業 |
| API活用型 | 小規模PoCの参考相場は50万〜250万円。ただし、WEELのプロトタイプ開発プランは月額120万〜160万円で、業務連携を含む本番開発は別途見積もり | AIの入出力に応じたAPI従量課金とクラウド費用 | 検証は1〜3か月、本開発は要件次第 | 既存業務システムにAI機能を加えたい企業 |
| 個別開発型 | 本格的なシステム開発は300万〜800万円、大規模案件は1,000万円以上がWEEL公開例 | 保守費とインフラ費。外部AIを呼び出す場合はAPI費用も必要 | 2〜3か月程度。大規模案件は4か月以上 | 独自機能や複雑な社内連携が必要な企業 |
工程別の導入費用|生成AI開発の流れ
生成AIのシステム開発は、事前検討から運用まで段階的に進みます。小規模な検証と本番開発では作業範囲が異なるため、各工程を分けて見積もることが大切です。
| 工程 | 主な内容 | 費用目安 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 企画・要件定義 | 対象業務の選定、課題の確認、効果指標の決定 | コンサルティングの参考相場は月40万〜80万円。WEELのコンサルティングプランは月80万円からで、契約期間は3か月以上 | 数週間〜3か月 |
| PoC(概念実証) | 試作品で精度や業務上の有効性を検証 | 50万〜250万円程度から | 1〜3か月 |
| 開発・実装 | 外部システムとの連携、画面や権限機能の構築 | 本格開発300万〜800万円程度から | 2〜3か月程度 |
| 運用・保守 | 不具合対応、利用状況の確認、継続的な改善 | WEELの例では毎月、本開発費の5〜10%。API費などは別途 | 本番稼働後、継続 |
業務課題を確認した後にPoCを実施し、本番開発へ進むのが代表的な流れです。ただし、既存のSaaS型ツールをそのまま導入する場合、PoCや個別開発が不要なこともあります。
ヒアリングに無料で対応する会社もありますが、専門家が業務を分析して導入方針を決める場合は別途費用が発生します。作業内容と成果物を確認しておくと、見積もりを比較しやすくなるでしょう。
AIの種類別の導入費用
どんな処理をAIに任せるかによっても必要な費用は異なります。文章作成を支援するサービスと、既存システムを操作するAIエージェントでは、開発範囲や運用コストに差が出ます。
| AIの種類 | 分類 | 費用の考え方と目安 |
|---|---|---|
| 社内文書を検索するRAGチャットボット | 生成AI | 小規模PoCは50万〜250万円が一例。本番運用にはAPI利用料や検索基盤の維持費も必要 |
| 文書生成AI | 生成AI | ChatGPT BusinessなどのSaaSは標準シート1人あたり月額20ドルから。自社帳票へ連携する場合は開発費が追加 |
| AIエージェント | 生成AI | AIエージェントの開発費は、実行する業務の範囲や外部システムとの連携内容によって異なるため、個別見積もりが基本。運用時にはAIモデルの呼び出し回数や外部ツールの利用量に応じた費用が発生 |
| 画像認識・外観検査 | 主に従来型AI | カメラや検査装置の費用が必要。対象ライン数で大きく変動 |
| 需要予測 | 主に従来型AI | 過去データの整備や予測モデルの構築費が必要 |
| 音声認識 | 主に従来型AI | 文字起こしサービスなら従量課金も選べる。独自開発では追加費用が必要 |
RAGは社内文書から必要な情報を検索してAIに渡す方式で、原則として社内データを使ったモデルの追加学習は不要です。自社専用のシステムを作る場合は、AIの種類だけでなく、連携先や利用者数による費用の違いも確認しましょう。
一方、外観検査に使う画像認識AIは、カメラや照明などの設備費に加え、検査ラインに合わせたシステム開発費がかかる場合があります。導入費用は検査対象や設備の規模によって大きく変わるため、必要な機器や開発範囲を確認したうえで、見積もりを取ることが重要です。
生成AIの導入費用内訳
導入費用は、開発会社への支払いだけではありません。導入後に発生する支出も見落とさないように、初期費用と継続費用を分けて考えましょう。
| 費目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 要件検討・人件費 | 対象業務の確認、システム開発、進行管理 | コンサルティング月40万〜80万円、本格開発300万〜800万円が一例 |
| データ準備 | 社内文書の更新、不要データの除去、必要に応じたアノテーション | データ量と作業方法によって個別見積もり |
| インフラ・クラウド費用 | クラウドサーバー、検索基盤、必要に応じたGPU | 容量、稼働時間、GPUの種類に応じて従量課金 |
| ツール・API利用料 | SaaSの利用席数、生成AIモデルの入出力、外部検索処理 | SaaSは1人あたり月額20ドル程度から、APIはモデル別の従量課金 |
| 研修・教育費 | 社内勉強会、業務別の操作研修 | WEELの社内勉強会は1回10万円、研修講師も1回10万円(6〜8回が目安)が一例 |
| 運用・保守費 | 不具合修正、改善、更新、監視 | WEELの目安では開発費の月額5〜10%。API費等は別途 |
受託開発では人件費の比率が高くなることがありますが、SaaS型では利用料が中心です。費用の主な内訳は、導入形態によって異なります。
社内データの準備にも人手がかかります。特に、画像などへ正解情報を付けるアノテーションは、データ量や難易度に応じて作業費が変わるため、外注が必要か先に確認しましょう。
なお、生成AIを導入する流れについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

弊社に依頼する場合の導入費用相場(※要件によって変わることがあります。)

ここでは、弊社の生成AIツールの開発を例にとって、費用相場を解説します。弊社が請け負っている、生成AIの開発は大まかに以下の2プランに分けられます。
- 社内用のAIツールに向く小規模な「プロトタイプ開発」
- 社外用のAIツールに向く大規模な「ソリューション開発」
まずは比較的低価格・短期間で達成できるプロトタイプ開発から、費用相場と内容をみていきましょう。
1.プロトタイプの開発費用相場
プロトタイプ開発では、既存の生成AIと社内データを組み合わせて、必要な機能を小さく試します。WEELの公開料金は月額120万〜160万円、期間は2〜4か月です。単純計算では総額240万〜640万円になりますが、個別の要件によって見積もりは異なります。
検証段階では、社内文書を検索できる状態にしたうえで、回答精度と処理時間を確かめます。
スケジュール例は以下のとおりです。

このように短期間で完結するプロトタイプ開発の代表的な工程は、次のとおりです。
| 工程名 | 内容 |
|---|---|
| データクレンジング | 社内文書の重複や記載ミスを修正し、検索しやすい状態にする |
| 検索精度の調整 | RAGで参照する社内文書の分割方法や検索条件を見直す。AIモデルへの追加学習は原則不要 |
| ロジック開発 | 必要に応じて生成AIと社内システムを連携し、応答や処理の流れを確認する |
2.ソリューション(AIアプリ)の開発費用相場
「ソリューション開発」は生成AIの基盤からWeb、クラウドインフラ、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)まで全てを特注する大規模な開発プランです。
ソリューション開発の費用と期間は下記のとおり、開発期間に応じて変動します。プロトタイプ開発と比べて開発期間が長いことが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 個別お見積 |
| 期間 | 4ヶ月〜 |
開発のスケジュール例はこちらをご覧ください。

設計と検証はウォーターフォール方式で行い、各機能の開発はアジャイル方式で行うハイブリッド方式を採用しております。
以上の費用・期間・工程を経ることで、「Webアプリ」や「ネイティブアプリ」などのAIアプリ開発が可能です。顧客に提供できるクオリティの、「生成AI搭載型のプロダクト」が完成します。
なお、生成AIの開発手順について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

導入費用に影響する5つの要素
生成AIの導入費用は、単に「使うツールの価格」で決まるものではありません。実際には、AIの種類や導入範囲、社内体制など、以下のような要素がコストに大きく影響します。
- AIモデルの種類・規模
- データ準備の難易度
- 機能の複雑さ・連携範囲
- セキュリティ・コンプライアンス要件
- 社内体制・開発スピード
ここでは、生成AIの導入費用を左右する代表的な5つの要素について詳しく解説します。
これらのポイントを理解することで、見積もり段階でのギャップや想定外のコストを防げるので、ぜひ参考にしてみてください。
AIモデルの種類・規模
利用する生成AIモデルの種類や規模によって、導入費用は大きく変動します。軽量なチャットボットやテンプレート型ツールであれば安価に導入できますが、大規模言語モデル(LLM)を使った業務特化型のシステム開発には多額のコストが必要です。
API連携で済むのか、自社のサーバーで運用する必要があるのかも費用を左右します。クラウドは高価なサーバーを購入せずに始めやすい一方、利用量に応じた月額課金が続くのが特徴です。オンプレミスではGPUサーバーなどの購入費が大きくなりやすく、電気代や保守費も自社で負担します。
長期的な利用量を見込み、両者の総費用を比べましょう。
データ準備の難易度
生成AIを業務に活用するには、質の高い社内データが不可欠です。特にカスタマイズを伴う場合、学習データの収集・クレンジング・アノテーションなどに多くの時間と人手がかかります。
データ形式がバラバラだったり、社内にデータ整備のノウハウがなかったりすると、費用と工数が跳ね上がりかねません。
データ活用の設計段階から専門家を巻き込むことで、準備コストを抑えましょう。
機能の複雑さ・連携範囲
生成AIをどこまで業務システムと連携させるかによって、必要な開発工数が大きく異なります。
例えば、チャット応答にとどまらずCRMやERPとの連携やワークフローの自動化まで踏み込む場合は、要件定義から開発まで時間と費用がかかるので注意しましょう。
また、権限管理やログ管理などの機能追加にもコストが発生します。「どの機能が必要か」を事前に明確にして、ムダなコストを省きましょう。
セキュリティ・コンプライアンス要件
業種や扱うデータによっては、高度なセキュリティや法令対応が求められます。特に個人情報や機密データを扱う場合は、暗号化・アクセス制御・ログ管理などの追加対応が不可欠です。
さらに、内部監査や第三者機関によるチェックをクリアするための仕組みづくりもコストに含まれます。導入前に社内のセキュリティポリシーと照らし合わせ、必要な対策を精査しておきましょう。
社内体制・開発スピード
社内のリソース状況やプロジェクトの進め方も、導入費用に直結します。例えば、担当者が兼任であれば進捗が遅れやすく、その分だけ外注費用や稼働コストが膨らむので注意しましょう。
また、開発を急ぐ場合は短納期対応のために追加費用が発生するケースもあります。社内体制とスケジュールを見直して、コストと品質のバランスを最適化しましょう。
生成AI導入の費用対効果とは?
生成AIの導入費用が高額になることはすでに解説しましたが、生成AI導入時の費用対効果についても気になるところ。せっかく高額のコストをかけても、その分を利益で取り返せなかったら意味がありません。
そこで費用対効果の考え方や算出方法をご紹介するので、生成AIを導入する際に取り入れてみてください。
費用対効果はコストとリターンから算出
費用対効果とは、かけたコストに対してどれだけのリターン(利益)を得られたかを示す指標です。そのため、費用対効果を算出するためにも、コストとリターンに該当する要素をそれぞれ深く理解しておく必要があります。
まず、生成AIの導入コストは以下の2種類です。
- 初期費用
- 運用費用
初期費用はAIモデルの開発や着手金など、生成AI導入を実施する際に最初にかかる費用です。一方、運用費用はAIモデルの保守・管理などにかかる費用で、基本人月単位で発生します。
次に、生成AI導入後のリターンを以下にまとめました。
- 直接的なリターン
- 間接的なリターン
直接的なリターンとは、生産性の向上や業務コストの削減など、すぐに会社の利益として現れる効果です。一方、間接的なリターンは、顧客満足度の改善といった、長期的にみると利益に含まれる効果のことを示しています。
コストとリターンの詳細を理解したところで、次の項目では生成AI導入における費用対効果を数値で算出する方法をご紹介します。
生成AI導入の費用対効果を算出する方法
生成AI導入における費用対効果を算出する際は、ROI(Return on Investment)の値を求めます。ROIの求め方は、以下のとおりです。
例えば、初期費用1,000万円・運用費月20万円・年間の直接的な効果300万円・間接的な効果100万円のケースを考えます。初年度の支出は1,240万円、金銭的効果は400万円です。
ROI=(400万円-1,240万円)÷1,240万円×100=約-67.7%
この場合、初年度だけでは投資額を回収できていません。仮に年間400万円の効果と年間240万円の運用費がその後も続き、追加投資が発生しなければ、年間の差額160万円を積み上げて初期費用1,000万円を回収するまでの期間は約6.25年です。これは単純計算であり、金利や将来の価格変動は含みません。
効果を数値化する際は、例えば削減できた作業時間に対象業務の時間当たり人件費を掛けて年間の削減額を試算します。ただし、短縮時間がそのまま人件費の削減につながるとは限らないため、削減額と余力創出の効果は分けて評価しましょう。
生成AIツール導入の費用対効果は高い?
生成AIの費用対効果は、対象業務や利用頻度によって差が出ます。2025年に学術誌で公表された顧客サポート担当者5,172人を対象とする研究では、生成AIの支援を受けた担当者の生産性が平均15%向上しました。ただし、この結果だけで各企業のROIがプラスになるとは断定できません。※6
特に社内の業務プロセスに適切に実装できれば、単なる効率化にとどまらず、新しい価値の創出や競争力の強化に繋がるのが魅力です。
見込まれる成果の一例を以下にまとめました。
- コンテンツ作成や顧客対応の自動化による時間短縮
- 社内データを活用した迅速な意思決定の支援
- 製品開発やマーケティングにおけるアイデア創出
一方で、スキル不足やガバナンス体制の未整備といった課題もあり、すぐに効果が出るとは限りません。
AI導入の調査・比較フェーズで失敗しない進め方について、以下の記事でも詳しく解説しています。

【WEEL独自】従業員50名の企業でAI導入費用を試算してみた
今回は2026年10月時点の公式料金をもとに、従業員50名がAIを導入した場合の初年度費用を試算しました。為替レートは1ドル150円と仮定し、契約開始から12か月間を比較対象としています。
API型RAGの開発費と運用費には、独自に設定した仮の金額を含めています。また、SaaS型は12か月間の利用を想定しました。API型RAGは開発期間を2か月、WEELのプロトタイプ開発は3か月と想定し、残りの期間の運用費を計算しています。
| 導入形態 | 初期費用 | 月額運用費 | 初年度の利用月数 | 初年度費用 |
|---|---|---|---|---|
| SaaS型 | 0円 | 150,000円 | 12か月 | 1,800,000円 |
| API型RAG | 800,000円 | 68,150円 | 10か月 | 1,481,500円 |
| WEELプロトタイプ開発 | 3,600,000円 | 68,150円 | 9か月 | 4,213,350円 |
SaaS型は、ChatGPT Businessの標準シートを50名が年払いで契約した場合の費用です。API型RAGは、1人当たり月200件、全社で月1万件の問い合わせを想定しています。
API型RAGの月額運用費68,150円には、AIモデルと検索機能の利用料18,150円に加え、仮定したクラウド費20,000円と保守費30,000円を含めています。実際の費用は問い合わせ件数やデータ量、必要な保守内容によって変動する点に注意してください。
WEELのプロトタイプ開発は、公開料金の下限である月額120万円で3か月間開発する想定です。API型RAGは開発後10か月分、WEELは開発後9か月分の運用費を含めています。
生成AIの導入コストを削減する方法
生成AIの導入にかかる費用は高いため、少しでもコスト削減したいと考える企業は多いはずです。
そこで生成AIの導入コストを削減する方法をまとめました。
- SaaS・既存AIサービスを活用する
- スモールスタート(PoCから段階的に導入する)
- 補助金制度を活用する
- アジャイル開発でプロジェクトを区切る
- 一部の作業を自社で行う
以下でそれぞれの方法を詳しく解説していきます。
SaaS・既存AIサービスを活用する
独自システムを最初から開発する前に、既存のSaaSで目的の業務に対応できないか確認しましょう。文章の作成や要約であれば、法人向けの生成AIサービスを契約するだけで始められる場合があります。新たな開発費を抑えられるうえ、操作方法を試してから導入人数を増やすことも可能です。
ただし、月額料金に含まれる機能や利用回数、社内データの取り扱いはサービスごとに異なります。無料プランの機能だけで導入費用を見積もらず、法人向けの料金と必要な管理機能を確認してください。
スモールスタート(PoCから段階的に導入する)
いきなり全社へ導入するのではなく、対象業務と利用者を絞って効果を確かめる方法もあります。例えば、問い合わせ対応の一部を選び、小規模なPoCで回答の品質や作業時間を検証する進め方です。期待した効果が出なければ、本格開発の前に方針を見直せる点がメリットといえます。
検証では、正答率だけでなく担当者が確認する時間やAPI利用料も記録しましょう。導入後の費用と削減できる時間を比較すれば、必要な機能を見極めやすくなります。
補助金制度を活用する
企業への支援策として、AI導入を対象とした補助金制度が用意されています。適用条件を満たせばまとまった金額が支給されるので、生成AIの導入コスト削減につながります。
2026年10月時点で確認できる主な制度を表にまとめました。2026年度は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の公募も始まっているため、従来の補助金の名称や上限額のまま判断しないようにしましょう。
| 補助金名 | 補助上限額・補助率 | AI導入で対象となり得る場面 | 2026年10月時点の状況 |
|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 通常枠は最大450万円、補助率は2分の1以内。最低賃金に関する要件を満たす場合は3分の2以内。その他の申請枠は上限額と補助率が異なる | 事務局に登録されたITツールの導入による業務効率化 | 2026年3月30日から交付申請受付を開始。第6次締切は2026年10月30日17時 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 枠により最大7,000万円(賃上げ特例の適用時は最大9,000万円)、補助率1/2または2/3 | 要件を満たす新製品開発、新事業への進出に伴うシステム構築 | 第1回は2026年9月30日〜2026年10月30日18時に申請受付 |
| 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) | 原則上限50万円、補助率2/3。特例併用時は最大250万円 | 販路開拓に結び付く対象経費。SaaS契約単体では対象外の可能性 | 第20回は2026年11月5日〜2026年12月15日に申請受付予定 |
| 事業再構築補助金 | 新規申請は対象外 | 過去の採択事業に限り制度上の手続きが継続 | 2025年3月26日の第13回締切をもって新規公募終了 |
生成AI導入に活用できる補助金は、目的や規模に応じて使い分けることが重要です。新しい事業やサービスに向けたシステム開発では、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が候補になります。
新しい事業に向けたシステム開発などが対象になり得ますが、単なるAIツールの契約だけでは要件を満たさない場合があります。
一方、旧IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変わり、事務局に登録されたITツールの導入を支援する制度です。小規模事業者持続化補助金は販路開拓に関係する事業が中心です。
いずれも公募要領に記載された対象経費と申請条件を確認しましょう。
詳しくは、以下のページで解説していますが、弊社では助成金パートナー企業のサポートも提供可能です。

アジャイル開発でプロジェクトを区切る
アジャイル開発は、必要な機能を短い期間で開発し、動作確認と改善を繰り返す進め方です。利用者の反応を早い段階で確かめられるため、不要な機能を作り込むリスクを減らせます。
ただし、途中で機能を増やし続ければ開発期間が延び、必ずしも総費用が安くなるわけではありません。最初に優先順位と予算の上限を決め、検証で効果を確認できた部分から開発を進めましょう。
一部の作業を自社で行う
一部の作業を自社で行うと、生成AIの導入費用を大きく削減できる可能性があります。とくに、以下のような単純作業は、ある程度調べれば自社でも作業可能です。
| 作業名 | 内容 | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| 名寄せ | 同じ顧客や商品を指すデータを同一のものとして扱えるようにする | 低〜中 |
| データクレンジング | 重複や記載ミスを修正し、入力形式を統一する | 低〜中 |
| マニュアル作成 | 社内データの更新手順と確認方法を文章化する | 低 |
| アノテーション | AI開発用データに正解情報やラベルを付ける | 中〜高 |
| ファインチューニング | 既存AIモデルに追加学習を行い特定業務に合わせる | 高 |
社内の担当者が対応しやすいのは、データの重複確認や資料更新などです。ファインチューニングは追加学習の知識や評価体制が必要なため、安易に自社だけで進めず、必要性も含めて専門家に相談しましょう。RAGの導入であれば、追加学習をせずに対応できる場合もあります。
なお、ファインチューニングについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

AI導入でコスト削減に成功した企業事例5選
AI導入の費用対効果を考えるうえでは、実際に業務の効率化やコスト削減につながった企業事例を知ることも重要です。ここでは、生成AIを使った業務改善に加え、従来型AIやRPAによってコスト削減を実現した企業事例を5つ紹介します。
導入した技術や得られた効果を比較しながら、自社で取り組める業務がないか確認してみましょう。
- NECソリューションイノベータ
- JR西日本カスタマーリレーションズ
- ソフトバンク
- キューピー株式会社
- 三井物産株式会社
それぞれ生成AIを導入した業務や実際の効果も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
NECソリューションイノベータ

NECソリューションイノベータは、ソフトウェアやシステム開発を行なっている企業です。元々、事業支援部に1日80件以上の電話が来ることで電話対応に追われていましたが、自社でAIチャットボットを開発することで問題解決に臨みました。※1
そして、社内情報を検索できるAIチャットボットを導入したところ、年間約4.7億円のオペレーションコスト削減につながりました。従業員が社内ルールや手続きに関する疑問を自分で解決できるようになり、事業支援部への電話問い合わせが大幅に減少しています。
また、AIチャットボットを自社開発したことで、社内業務に合わせた機能の導入を実現しました。
JR西日本カスタマーリレーションズ
JR西日本カスタマーリレーションズは、「JR西日本お客様センター」として月間で約7万件の電話問い合わせを受けている企業です。
サービス改善のために電話でのやり取りをすべてテキスト化していますが、要約処理自体に非常な労力がかかるほか、オペレーターの要約品質にもばらつきがあり悩んでいました。
そこで、ELYZAが開発した生成AIを使って通話内容の要約を自動化したところ、業務によって対応時間を18〜54%削減できました。※2
なお、2023年の導入時には、基盤となる大規模言語モデルにGPT-3.5とGPT-4を採用していました。問い合わせ内容に応じてモデルを使い分けることで、要約精度とコストのバランスを取っていたのが特徴です。
ソフトバンク
ソフトバンクは、「デジタルワーカー4000プロジェクト」としてAIやRPAの活用を推進したところ、なんと約241億円のコスト削減に成功しています。※3
なお、このプロジェクトは業務をデジタル化・効率化し、働き方改革を一層推進することを目指して、3年間にわたって全社で推進したプロジェクトです。
とくに、電子押印の導入や各種事務作業におけるRPAの活用、新卒採用選考におけるAI動画面接などを実施したとのこと。合計3000以上の施策を実行し、不要な業務の廃止や複雑な業務プロセスの簡素化に成功しています。
キューピー株式会社
キューピーはデータ分析企業ブレインパッドと共同で、ダイスポテト品質検査の異常検知システムAIを開発しました。このシステムは、教師なし学習を用いて良品のダイスポテトの画像を学習し、不良品を効率的に識別します。※4
従来の異常検知システムと比べて、約10分の1のコストで現場に導入できました。この技術はダイスポテトだけでなく、他の惣菜の原料検査にも応用されています。
三井物産株式会社
三井物産株式会社は、生成AIを活用して入札説明書を解析するアプリを開発し、入札業務の効率化に取り組んでいます。※5
このシステムはAWS上に構築されており、Amazon Bedrockが提供する大規模言語モデルを活用しているとのことです。入札説明書の確認には熟練者でも40時間以上かかることがありましたが、このアプリによって業務時間の短縮を実現しました。
実証実験では、熟練者で約12時間、新人で約51時間の業務時間削減効果が確認されました。2024年11月公開のAWSのブログでは、社外への提供も計画されていると紹介されています。
なお、生成AIの法人利用方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

弊社の生成AIツール開発事例2つの紹介
弊社では生成AIに関する開発を行っております。代表事例として以下2つを紹介していきます。
- 自社専用のAIチャットボット開発実績
- 社内人事業務の自動化実績
ぜひ参考にしてみてください。
事例①自社専用のAIチャットボット開発実績
弊社では、自社専用のAIチャットボット開発も行っています。
AIチャットボットには専門知識を学習させられるため、例えばマーケターやエンジニア、コンサルタントなど、専門家を複数登場させることも可能です。AIチャットボットを作成することで、社内の質疑にかかる工数を減らし、余剰時間を生み出せます。
弊社は、透明性を重要視しており、このAIチャットボット作成手法を一般公開しています。以下の記事からご覧ください。
事例②社内人事業務の自動化実績
弊社では、生成AIを活用し社内人事業務を99%自動化した実績がございます。社内人事評価にAIを導入することで、社員満足度を定量的に評価できるようになりました。
方法は以下の通りです。
- 社員インタビューをAIが自動で文字起こし
- 文字起こしした内容をAIに読み込ませる
- 会話内容をAIが解析し、社員満足度を定量的に評価
成果物は、スコアリングした数値データ(レーダーチャート)と、スコアリングに影響を与えた注目すべき会話内容(Excel)です。この仕組みでは、人が介在する業務は社員インタビュー時のみとなり、それ以外は全てAIが自動で対応します。

生成AIの導入で失敗しないための注意点
生成AIツールの導入開発での注意点として、以下6つがあります。
- 目的が曖昧なまま導入すると失敗リスクが高まる
- ベンダー選定では提案力・実績・セキュリティ対応も重視する
- 教育・検証・改善などの「隠れコスト」が存在する
- 自社だけで進めると失敗しやすい|専門家との連携がカギ
- 複数社からの見積りを取得する
- 2026年はAIエージェントの従量課金に注意する
それぞれの注意点を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目的が曖昧なまま導入すると失敗リスクが高まる
生成AIは話題性の高い技術ですが、「導入ありき」で進めてしまうと失敗につながる可能性があります。
特にありがちなのが、具体的な課題や活用目的を定めずにシステム開発やツール導入を始めてしまうケースです。
活用目的が不明確だと、成果につながらない機能に時間や予算を割いてしまい、結果的に「費用をかけたのに活用されない」という状況に陥りがちです。
導入前に「どの業務を、どう効率化したいのか」「何を自動化したいのか」など、社内で目的と要件を具体化しておきましょう。
ベンダー選定では提案力・実績・セキュリティ対応も重視する
生成AIの導入を外部ベンダーに依頼する場合、価格や納期だけで判断すると失敗する恐れがあります。
特に重要なのは、業務理解に基づいた提案力、類似プロジェクトの実績、そしてセキュリティ・コンプライアンス対応の確実性です。
生成AIは機密性の高い情報を扱うケースも多いため、セキュリティ要件に応じたクラウド環境やアクセス制御の整備が不可欠です。
複数のベンダーを比較し、目的に合ったパートナーを慎重に選定しましょう。
教育・検証・改善などの「隠れコスト」が存在する
生成AIは、導入費だけを支払えば効果が出るものではありません。従業員向けの説明会や実務研修、運用中の検証にも時間と費用がかかります。
企業では、ツールの利用料だけでなく従業員に操作を教える費用がどれほど必要かも確認しておきたいところです。研修は社員の習熟度や対象人数で内容が変わるため、対象業務を先に決めると見積もりが取りやすくなります。
WEELの公開料金では、社内勉強会は1回10万円、勉強会と助言のセットは1回15万円、研修講師は1回10万円で6〜8回が目安です(回数は相談可能)。例えば研修講師を6回依頼する場合、講師費の目安は計60万円となります。全社研修の費用は参加人数や追加対応の有無も含めて確認しましょう。
自社だけで進めると失敗しやすい|専門家との連携がカギ
初めて生成AIを導入する場合、自社内だけで計画・開発・運用まで完結させるのはリスクが高くなります。
要件の整理や設計、セキュリティ対策など、見落としがちなポイントも多く、結果として想定と異なるシステムになってしまうケースも少なくありません。
その結果、費用や時間が無駄になるだけでなく、社内外の信頼を損なうケースもあります。
効率的かつ安全に導入を進めるためには、実績のあるベンダーや開発会社と連携し、目的や課題を共有しながら生成AIの運用を進めましょう。
複数社からの見積りを取得する
開発相場を知っていれば開発費用の目安はわかりますが、実際に見積りを取得しないことには本当に必要な費用はわかりません。必要な費用を知るためにも見積りをとるのが大切です。
見積もりの妥当性は1社だけでは判断しにくいため、2〜3社から同じ条件で提案を受けると比較しやすくなります。作業の範囲と前提条件が異なると、見かけの金額だけでは高いか安いかを判断できません。
同じ要件でも、他社より見積もりが大幅に高くなったり、一括で全工程を任せるプランが予算に合わなかったりするケースがあります。比較するときは、開発する機能の範囲と前提条件をそろえることが重要です。
具体的には、担当者が用意するデータの範囲・検収の条件・運用費の有無・API料金の扱い・追加開発が発生する条件を確認しましょう。社内で対応する作業と外注する作業を切り分けると、費用を適正化しやすくなります。
2026年はAIエージェントの従量課金に注意する
AIエージェントは、質問に答えるだけでなく、必要に応じて情報を検索したり複数の処理を実行したりします。同じ業務でもAIへの呼び出し回数が増えると従量課金が膨らむため、最初に月額の上限を決めておくことが重要です。
見積もりでは、1件の作業で何回モデルを呼び出すか、入力文と出力文の長さ、失敗時の再実行回数を確認しましょう。外部検索やツール利用に追加料金がかかる場合もあります。導入前に100件ほど処理して1件当たりの平均費用を測ると、月間処理件数から運用予算を見込みやすくなります。
生成AI開発・業務活用ならWEELへご相談ください
自社に合った費用感を把握し、ROIの最大化を目指す一歩を踏み出してみませんか。導入検討が現実味を帯びるはずです。
「生成AIで新しいプロダクトを作りたい」「もっと本格的に生成AIを業務に組み込みたい」とお考えの方は、ぜひ株式会社WEELにご相談ください。
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
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AI導入費用に関するよくある質問


