完全自律型AIエンジニア「Devin」とは?最新機能・料金・使い方を徹底解説

WEELメディア事業部リサーチャーのいつきです。
突然ですが、「ソフトウェア開発のすべての工程をAIだけで完結させられる時代が到来した」と言ったら信じられますか?
本当に信じがたい話ですが、これを実現できるエンジニアAIとして、AIスタートアップ企業のCognitionが「Devin」を発表しました。

Devinは、情報の検索・コーディング・プロジェクトの展開など、一連の流れを完結させる完全自律型のエンジニアAIとして開発されています。Devinに自社業務を任せれば、面倒なコーディングやバグの修正とはもうおさらばできるかもしれません。
今回は、Devinの性能やできることをご紹介します。最後までお読みいただくと、Devinの詳しい機能を理解できるので、自社業務の効率化や経費削減に大きく寄与するでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
Devinとは
Devinとは、AIスタートアップ企業のCognitionが開発した、完全自立型のエンジニアAIです。大規模言語モデルと強化学習の技術を組み合わせて開発されており、コードを理解・生成する能力に長けています。
ユーザーとチャット形式でコミュニケーションを取る点はChatGPTと同様ですが、従来のプログラミングAIのようにバグを解決したり、コードを提案するだけのAIではありません。ユーザーの指示がなくとも独立して動作し、エラーを見つけた後はリアルタイムで修正する機能を備えています。
生成AIの法人利用方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Devinの性能

Devinは、従来の大規模言語モデルやプログラミングAIに比べて、高い性能を備えています。上記は、現実世界のソフトウェアの問題解決能力を評価するSWE-Benchというテストの結果ですが、グラフを見るだけでもその性能差は明らかです。
Devinの紹介ページでは、GitHubのCopilotやMicrosoftのAIにはない機能として、以下の3つを紹介しています。
- 高い自立性:コーディングから展開まで、ソフトウェア開発プロセス全体を完全に管理するために設計されている
- リアルタイムのエラー修正:リアルタイムでエラーを検出し修正する組み込みの仕組みがある
- エンドツーエンドのプロジェクト管理:情報の検索・プロジェクトの展開・ユーザーとのコミュニケーションなど、ソフトウェアプロジェクトの全ライフサイクルを管理できる
元々、従来のプログラミングAIはコードの提案やバグが起きている箇所の指摘をする程度の性能にとどまっていましたが、Devinは違います。高い自立性を備えており、自分の力でバグを見つけて修正まで行ってくれるので、これまでよりも開発スピードが早まることは間違いありません。
今後は、プログラミングAIの基準が置き換わり、さらに便利なAIツールが登場すると予想できます。
Devinが行えること
ここまででDevinの性能が高いことは理解したものの、実際に何ができるのかはわからないという方多いと思います。そこで、Devinが行えることを具体的にまとめました。
- 文章からソフトウェアの使い方を理解する
- 「ライフゲーム」のサイトを作成しNetlifyに公開できる
- コードのバグを修正
- Devinが自身をファインチューニング
- オープンソースのバグや機能要望に対処可能
- Upworkでの仕事も任せられる
以下では、それぞれの詳しい内容を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
文章からソフトウェアの使い方を理解する

Devinには、独自のブラウザが搭載されており、API経由でドキュメントを取得できます。取得したドキュメントの文章からソフトウェアの使い方を学び、プロジェクトの展開に活用する仕組みです。
作りたいソフトウェアさえ指定すれば、Devinが勝手に学習してくれるので、ユーザーが追加でファイルを読み込ませたりする必要はありません。
「ライフゲーム」のサイトを作成しNetlifyに公開できる
Devinに依頼すれば、「ライフゲーム」のサイトを作成し、Netlifyに公開することも可能です。上記の動画では、実際にDevinがライフゲームのサイトを作成して、Netlifyに公開していました。
以下が実際のサイトです。
なお、ライフゲームとは、イギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイが考案したシミュレーションゲームです。ライフゲームは、生命の誕生・進化・淘汰などのプロセスを簡易的なモデルで再現しています。
一方、NetlifyはWeb発者向けのクラウドベースのプラットフォームのことです。ウェブサイトやウェブアプリケーションの構築を効率化するツールを提供しています。
コードのバグを修正
Devinにかかれば、コードのバグを修正するのもお手のものです。従来のプログラミングAIではバグを見つけることはできても、修正までしてくれるものはほとんどありませんでした。
以下の動画では、Devinが実際にコードのバグを特定して、バグを修正する過程が解説されています。
バグが起きた際、Devinはデバッグprintステートメントでコードを再実行し、ログ内のエラーを見つけてバグを修正する方法を探してくれます。最終的には、完全なスタイルを構築してデプロイしていました。
Devinが自身をファインチューニング
Devinは、開発者が特別な処理を実行しなくても、自身でファインチューニングを実行できます。ファインチューニングとは、特定のタスクを実行するために必要な情報を追加学習する処理のことです。
従来のモデルでは、開発者がAIモデルのファインチューニングを手動で実行する必要がありましたが、Devinを使えばもうその手間は必要ありません。Devinは開発者の手間を軽減しつつ、精度の高いプログラムを構築することができます。
オープンソースのバグや機能要望に対処可能
Devinは、オープンソースのバグや機能要望にも対処可能です。前述したライフゲームのサイトを作る過程において、開発者がいくつかの要望をDevinに実行させています。

開発者がDevinに依頼したのは、フレームレートの向上とレスポンシブデザインへの対応です。また、クリックすると新たなブロックを生成するようにも指示を出しています。
最後に、サイトの挙動を確認していましたが、指示した内容がしっかり反映されていました。
Upworkでの仕事も任せられる
Devinを使用すれば、フリーランス向けのクラウドソーシングサービス「Upwork」で依頼された仕事も任せられます。以下が、実際にUpworkの仕事をこなしている動画です。
一連の流れのなかで開発者が実際に行ったのは、Upworkの依頼文から「依頼主がどのようなシステムを構築したいのか?」という情報をDevinに伝えただけです。
その後、Devinが自動でコーディングを開始し、必要があればインターネットから画像を取得したりもしていました。
Devin 2.0が登場
Devinは2025年4月、待望の「Devin 2.0」へと進化しました。
Devin 2.0では、単なるコード生成だけでなく、プロジェクト全体の計画立案やコードの説明・ドキュメント作成まで自動で行えるようになっています。例えば、自然な日本語で「家計簿アプリを作って」と指示すると、Devinが作業を細かく分けて計画し、コードを書き、テストし、動作確認まで進めてくれます。
さらに、作成したコードの内容を質問すれば、根拠となる情報付きで解説してくれるため、エンジニアが内容を理解しやすくなりました。作業の途中で気になる点があれば、チャットで指示を追加するだけで柔軟に対応してくれます。
Devin導入によるエンジニアの危機感
Devinの進化により、エンジニアの間では「自分の仕事がAIに置き換わるのでは」と不安の声も広がっています。※1
実際、Devinは短時間でアプリやウェブサイトを作成し、バグ修正や新機能の追加も自動でこなします。これまで人が何日もかけていた作業が、数時間で終わるケースも増えました。
一方で、Devinは複雑な課題や細かな仕様調整にはまだ人のサポートが必要な場面もあります。現場では「AIと協力して効率を上げる」「AIに任せて自分はより創造的な仕事に集中する」といった前向きな活用も進んでいるようです。
料金プラン
「Devin 2.0」への進化により、これまで月額500ドルと高額だった利用料が、月20ドルから始められる新しいプランに変更されました。※2
より多くのエンジニアが気軽に試せるようになっています。
プラン名 | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
Coreプラン | 最低20ドル(従量課金) | ACU(作業クレジット)を20ドルから購入して利用開始 最大10セッション同時利用可 ユーザー数制限なし エディタやSlack連携、API利用は不可 個人やお試し利用に最適 |
Teamプラン | 月額500ドル | 250ACU分の利用枠込み(追加購入も可能) 同時セッション数無制限 APIや外部ツール連携可 優先サポート付き中規模以上のチーム向け |
Enterpriseプラン | カスタム見積もり | Teamプランの全機能+専用カスタマイズ 高度なセキュリティや大規模導入に対応専任サポートチーム |
Coreプランは、20ドル分のクレジットを購入して使った分だけ支払う仕組みです。1ACU(作業単位)は約15分の作業に相当し、20ドルで約2時間強の作業が可能です。
Teamプラン以上ではAPI連携やサポート体制が強化され、より本格的な開発現場にも対応しています。
Devin 2.0の活用例
Devin 2.0は、エンジニアだけでなく、プログラミングに詳しくない人でも自分のアイデアを形にしやすいAI開発パートナーです。
例えば、専用のWeb画面やチャットツールで「ブログに画像表示機能を追加したい」と入力するだけで、Devinが自動的に作業計画を立て、必要なコードを書き、テストまで進めてくれます。作業の途中で「この部分をもっと見やすくして」といった追加の要望も、チャットで伝えればすぐに反映可能です。作業が完了すると、成果物や作業内容の説明が表示され、必要に応じて修正も依頼できます。
こうした流れにより、専門知識がなくても自分のアイデアをすぐにアプリやウェブサイトとして実現できるのがDevin 2.0の大きな魅力です。実際に、ウェブアプリの新機能追加やバグ修正、ドキュメント作成など、幅広い開発シーンで活用されています※3。
Devinの利用方法
Devinは、主に専用のWebベースのワークスペースやチャットツール(Slack連携など)で動作します。利用する際は、チャット形式でプロンプトを与え、あとはDevinがプログラムの構築を終えるまで待つだけです。
2025年4月現在、Devin 2.0は正式リリースされており、これまでの「デモ版」ではなく、月額20ドルから利用できる有料プランが提供されています。
無料のデモ版は終了し、利用には有料プランへの申し込みが必要です。
なお、生成AIの企業利用や開発リスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Devinを使ってみよう!
Devinは、ソフトウェア開発のすべての工程を完結させられる、AIソフトウェアエンジニアです。コードを提案してくれるだけの従来の大規模言語モデルとは異なり、コードの提案から実装までをすべて実行してくれます。
なお、Devinは、具体的に以下6つのタスクを実行できます。
- 文章からソフトウェアの使い方を理解する
- 「ライフゲーム」のサイトを作成しNetlifyに公開できる
- コードのバグを修正
- Devinが自身をファインチューニング
- オープンソースのバグや機能要望に対処可能
- Upworkでの仕事も任せられる
とくに、バグの修正や機能要望の対処をスムーズにこなしてくれるのが魅力です。人間が何時間もかけて行っていたタスクを一瞬でこなしてくれるので、業務の効率化が進むこと間違いありません。
2025年4月現在、Devin 2.0は正式リリースされており、月額20ドルから利用できます。ぜひ実際に使ってプログラミングAIの最新技術を体験してみてください!

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・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
Devinの登場で、開発コストと工数の常識が変わろうとしています。今こそ、次の一手を打つチャンスかもしれません。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
開発実績として、
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- ※1:Devinの導入によるエンジニアの危機感について
- ※2:Devinの料金プラン
- ※3:Devinの活用例