生成AI時代の覇権を握るのはどの企業?主要生成AI企業の関係性や戦略をまとめて徹底解説

WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん、スタートアップ各社の生成AI開発競争の実態をご存知ですか?
もちろんトップランナーはOpenAIなのですが、ライバルたりうる企業が続々と出てきています。
そんな生成AIの市場は戦国時代ともいえる様相で、将来的には17兆円ものお金が動くとの試算まで出ているんです!
そこで当記事では「生成AI戦国時代」と銘打って、主要な生成AI関連企業を紹介していきます。
完読いただくと、各企業のキャラクターが掴めてくるはずです。ぜひ最後までお付き合いください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
生成AI戦国時代の主要プレイヤーを紹介!
ここでは「生成AI戦国時代の主要プレイヤー」と銘打って、積極的にモデルを開発している企業から紹介します。まずは2023年12月時点で最も天下統一に近い、OpenAIとMicorosoftのコンビからみていきましょう!

OpenAI & Microsoftは生成AI界の西軍
OpenAIとMicrosoftは、2023年時点で最も天下統一に近いコンビです。当記事では両者のパートナーシップを「関ヶ原の戦いの西軍」になぞらえて、紹介していきます。
OpenAIの概要
ChatGPTで一躍有名になった「OpenAI」は意外にも、歴史あるスタートアップです。ChatGPTのリリースからさかのぼること7年、2015年にアメリカ・サンフランシスコにてAI専門の非営利研究機関として産声を上げました。
そう、もともとOpenAIはお金もうけを目的としない組織だったのです。そのため設立に携わったメンバーは、起業家というよりは出資者的な立ち位置でした。有名な設立メンバーを挙げると……
● サム・アルトマン:現OpenAIのCEO、もともとYコンビネータ代表の敏腕投資家
● イーロン・マスク:テスラ & スペースXのCEO、スポンサーとして2018年まで在籍
このようにシリコンバレーの猛者たちが、名を連ねています。
このようにドリームチームと形容するほかないOpenAIは、精力的にAIのモデル開発に取り組んできました。OpenAIが手がけたモデルはというと……
このように大規模言語モデルや生成AI以外にも、手広く展開しています。
さらにOpenAIは各モデルが使えるサービスもリリースしていて、それがおなじみの……
【OpenAIの生成AI関連サービス】
● 生成AIチャットサービス「ChatGPT」
となります!2022年11月末の公開からわずか2ヶ月で、ユーザー数1億超えを達成したのは記憶に新しいですよね。
そんなOpenAIは2023年時点で、スタートアップ間のモデル開発競争の首位に立っています。まず生成AIに携わるスタートアップ各社の企業価値を示した下のグラフをご覧ください。

引用:https://www.cbinsights.com/research/generative-ai-unicorns-valuations-revenues-headcount/
このようにOpenAIは、2位のAnthropicを大きく引き離して生成AIの開発競争をリードしているのです。まさに天下統一目前、といったところでしょうか。関ヶ原の戦いに例えるなら、豊臣氏ぐらい強力な存在です。
実はこのOpenAIには、心強い後ろ盾まで付いています。次の見出しで、詳しくみていきましょう!
参考記事:生成AIのユニコーン13社に 平均創業3.6年と倍速
Microsoftの概要
生成AIの開発競争をリードするOpenAIの後ろには、世界トップのIT企業「Microsoft」がついています。MicrosoftはOpenAIに対し、なんと100億ドル(日本円にして1.3兆円!)もの投資を行なっているのです。
これには自社のサービスの魅力を生成AIで強化する、というMicrosoftの目論見がありました。まずはOpenAIとの提携で生まれた、Microsoftの製品やサービスの数々をご覧ください。
【Microsoftの生成AI関連サービス】
● 検索エンジン+BingGPT-4 =「BingAI Chat」
● Microsoft Ofiice+GPT-4 =「Microsoft 365 Copilot」
● Microsoft Azure+GPT-4 =「Azure OpenAI Service」
● 検索エンジンBing+DALL-E3 =「Bing Image Creator」
以上のとおり、Microsoftは既存サービスをOpenAI製の各モデルでリファインしているのです。
モデル開発を行なっていないものの、Microsoftは生成AI戦国時代の重鎮といえますね。関ヶ原の戦いに例えるなら、豊臣氏をサポートしていた京都の公家といったところでしょうか。
参考記事:Microsoft、OpenAIに数十億ドル追加出資 – ITmedia NEWS
参考記事:マイクロソフト、「ChatGPT」のOpenAIに約1.3兆円の出資を検討か – ZDNET Japan
Google & Anthropicは生成AI界の東軍
生成AI戦国時代にて、OpenAI一強の現状を覆そうという勢力も出てきています。それがGoogleとAnthropicの連合です。当記事では、このコンビを「関ヶ原の戦いの東軍」にたとえて紹介していきます。
Googleの概要
1998年創業の「Google」は、OpenAIが登場するよりも遥か前からAIの研究に打ち込んできました。社内部門・Google Brainと傘下企業・DeepMindの合計2つのAI研究機関をもつことから、Googleの熱意が伝わってきます。
これまでGoogle BrainとDeepMindが挙げてきた成果は、というと……
● Googleの猫:ディープラーニングの夜明けとなる2012年の研究、AIがほぼ自力で猫の識別に成功した
● Transformer:2017年に発表したディープラーニングモデルで、GPT-4を含むをほぼ全ての生成AIに採用されている
● AlphaGO:2015年DeepMind発、世界で初めてプロ囲碁棋士を破ったAI
● GraphCast:2023年DeepMind発、10日先の天気を1分以内に予測するAI
● GNoME:2023年DeepMind発、新素材を探し出すAI
このように何度もAI分野に革命をもたらしているんです!実は検索エンジンやGoogle翻訳など、おなじみのサービスにもAIの研究で得た知見が盛り込まれています。
そんなGoogleはもちろん、生成AIの開発にも積極的です。以下のとおり、検索エンジンの技術と相性がよい大規模言語モデルを中心に、開発を進めています。
- 大規模言語モデル「LaMDA」:2021年に登場、一時期「意識をもつ」と話題になった
- 大規模言語モデル「PaLM」:2022年に初代PaLM、2023年にPaLM2が登場
- マルチモーダル生成AI「Gemini」:2023年12月7日に登場、「GPT-4超え」との噂あり
さらにGoogleは、開発したモデルを使ったサービスも続々とリリースしています。以下がその代表例です。
【Googleの生成AI関連サービス】
● 生成AIチャットサービス「Bard」
● Google Workspace+生成AI =「Duet AI」
● Google検索+生成AI =「Google SGE」
● AI開発用プラットフォーム「Vertex AI」
ChatGPTの対抗馬「Bard」やBingAI Chatの対抗馬「Google SGE」など、OpenAI & Microsoftの西軍を意識したサービスが並んでいますね。
これを関ヶ原の戦いになぞらえるなら、東軍的立ち位置です。それも伊達政宗や黒田官兵衛のような、東軍の有力者といえるでしょう。
ただGoogleのほかに、「生成AI戦国時代の徳川家康」と評したくなるスタートアップが存在します。次の見出しでは、そのダークホースについて詳しくみていきましょう!
Anthropicの概要
トップランナーOpenAIのあとを追い上げている生成AI系スタートアップが一社、出てきています。それが2021年に、元OpenAI所属のダリオ・アモディ&ダニエラ・アモディ兄妹が創業した「Anthropic」です。
このAnthropicは生成AI界の東軍筆頭・徳川家康ともいえる存在。非営利を掲げながらも商業色が強まっていた、西軍のOpenAIとたもとを分つ形でスタートした経緯があります。
その後、Anthropicは先ほどのGoogleから合計20億ドル(3,800億円)、そしてAmazonから合計40億ドル(6,000億円)もの出資を勝ち取っています。ダークホースが現れましたね。
そんなAnthropicはすでに、生成AIの開発に成功しています。それが以下に示す「Claude」です。
- 大規模言語モデル「Claude」:2021年に初代Claude 1が登場、最新版はClaude 2
AnthropicはこのClaudeにて、GPT-4やPaLMで問題視されていたハルシネーションを徹底的に押さえ込んでいます。
さらに、ChatGPTやBardを意識した生成AIチャットサービスもリリース済みです。
【Anthropicの生成AI関連サービス】
● AIチャットサービス「Claude.ai」
このようにOpenAI以外にも、本気で天下統一を目指している生成AIスタートアップが存在しているんです。
次は第三勢力について、詳しくみていきましょう!
参考記事:グーグル、AI新興企業アンソロピックに20億ドル追加投資へ-関係者 – Bloomberg
参考記事:Amazon、生成AI強化へ Anthropicに40億ドル出資 – Impress Watch
Metaは今のところ中立
FacebookやInstagramなど名だたるSNSを送り出してきたMeta(旧・Facebook)も以下のとおり、各AIの開発に注力しています。
- 大規模言語モデル「LLaMA」:2023年に初代LLaMAが登場、最新版はLLaMA 2
- 音声生成AI「Voicebox」
- 画像生成AI「CM3leon」
- 多言語翻訳AI「SeamlessM4T」:テキストと音声が認識できるマルチモーダルモデル
- 画像認識AI「Segment Anything Model / SAM」:物体の境界線が認識できる
- 画像認識AI「JEPA」:画像の背景にある概念まで学習できる
ちなみにこれらのモデルはすべてオープンソースつまり、一般公開されています。世界中の開発者の手を借りながら良いモデルを作っていく、というのがMetaの戦略なのです。
さらにMetaは、生成AIを通してSNSでのコミュニケーションを加速させるサービスも送り出しています。
【Metaの生成AI関連サービス】
● SNSから使える生成AIチャットサービス「Meta AI」
● 広告用AIツールの実験場「AI Sandbox」
● 手書きからアニメーションを生成するAIツール「Animated Drawing」
そんなMetaの立ち位置は、西軍にも東軍にも属さない第三勢力です。IBMやインテルなどITの巨人たちと手を組み、「オープンで安全で責任あるAI」を推進する同盟・AI Allianceを結成しています。
ちなみにオープンソースを推すMetaは、東軍のGoogleから警戒されているようです。関ヶ原の戦いになぞらえるなら、地政学的な要所を押さえていた中立の有力大名・前田玄以のようなポジションですね。
参考記事:IBMとMeta、50以上の組織と「AI Alliance」結成 OpenAI、Microsoft、Googleは参加せず – ITmedia NEWS
参考記事:Metaが28人の生成AIキャラクターを発表した理由。どこまでもFacebook的なAI戦略(本田雅一)(テクノエッジ) – Yahoo!ニュース
Alibabaはそもそも戦場が異なる
アメリカから遠く離れた中国にも、生成AIの開発に取り組んでいる大企業があります。それがネット通販で中国国内を制したAlibaba(厳密には社内部門のAlibaba Cloud)です。
Alibabaはすでに、以下の2モデルをリリースしています。
- 大規模言語モデル「通義千問 / Qwen-7B」
- 画像生成AI「通義万相」
さらに今後は、通義千問を使って下記のサービスの開発も進めていくようです。
【Alibabaの生成AI関連サービス】
● 通義千問を搭載した開発プラットフォーム「DingTalk」
● 通義千問を搭載したスマートスピーカー「Tmall Genie」
ただAlibabaが生成AIを売り出す先は、アメリカでも日本でもなく、中国国内の市場。つまりAlibabaは、生成AI戦国時代の場外で戦っているのです。たとえるなら、関ヶ原の戦いと同時期に中国を統一した「清王朝」といったところでしょうか。
イーロン・マスクのxAIは天下統一に興味なし!
生成AIを開発しているのに、天下統一には全く興味がないスタートアップも存在します。その代表格が、イーロン・マスク率いる「xAI」です。
先ほど紹介したとおり、もともとイーロン・マスクはOpenAIのスポンサーでした。ただ同社を私物化しようとした結果失敗し、2018年にOpenAIを去っています。Twitter買収の件でもそうですが、イーロン・マスクはどこまでも我が道をゆく男なんです!
そんな彼が2023年7月に立ち上げたxAIも当然ながら?異色のスタートアップです。競合他社が汎用人工知能(AGI)の開発を目指す中、xAIは「宇宙の真の姿を理解する」ことを目標としています。
さらにTwitter改めXの投稿を学習元ととして、大規模言語モデル「Grok」の開発に成功しました。
- 大規模言語モデル「Grok」:少し機転が利いた回答をし、反抗的な性質を持つモデル
またxAIは、Grokを開発する際に用いたプラットフォームもリリースしています。
【xAIの生成AI関連サービス】
● AI開発プラットフォーム「PromptIDE」
そんなxAIは関ヶ原の戦いになぞらえて語るなら、足利将軍家の血を引く大名・喜連川頼氏のようなポジションです。わずかな領土しか持たないものの、生成AI戦国時代が始まるずっと前からAIの開発に携わってきています。
参考記事:イーロン・マスクがOpenAIを辞めた本当の理由 | ギズモード・ジャパン
参考記事:イーロン・マスクが新AIモデル「Grok」を発表、“反抗的”なAIでいかなる世界を実現するのか
生成AI戦国時代を支える猛者たち
ここからは話題を変えて、モデル開発以外の手段で生成AI戦国時代に参戦している企業2社を紹介します。まずはネット通販でおなじみ、Amazonの動向からご覧ください!
Amazonは東軍寄りの港
ネット通販やプライムビデオで有名なAmazonは、生成AIも手がけています。
- 大規模言語モデル「Amazon Titan」
- 画像生成AI「Titan Image Generator」
ただモデル開発にはそこまで注力していません。Amazonが重視しているのは生成AIそのものではなく、生成AIが使える開発環境なのです。
たとえば世界シェアNo1.のクラウド開発環境「Amazon Web Services / AWS」に生成AIをちょい足しする形で、以下のサービスをリリースしてきました。
【Amazonの生成AI関連サービス】
● 生成AIが使える開発プラットフォーム「Amazon Bedrock」
● 生成AIチャットサービス「Amazon Q」
さらにAmazonは東軍筆頭・Anthropicに40億ドル(6,000億円)を出資、Amazon Bedrockにて同社のClaudeを開放しています。
そんなAmazonは関ヶ原の戦いでいうなれば、東軍に与した三河の大名・織田氏のようなポジションです。各大名に港を貸し出すことで、多大な利益を手にしています。
参考記事:グローバルのクラウドインフラ市場シェア、AWSがトップ維持、Google Cloudは成長率キープ 2023年第2四半期 – ITmedia NEWS
NVIDIAは生成AI界の鉄砲鍛冶
ハードウェアなしにソフトウェア、つまり生成AIの開発はできません。
なかでも並列処理を行うユニット・GPUは、生成AI開発の要。戦国時代の鉄砲のように欠かせないものです。
そんなGPUという呼称そのものを生み出し、今なおAI向けGPUのシェアで世界一を誇っているのが、アメリカのNVIDIAです。以下のとおり、個人向けから企業向けまで様々なGPUをリリースしてきました。
● RTX 4090:現行最高峰の個人向けGPU、お値段なんと30万円超え
● RTX 3090:RTX 4090の先代モデル
● TITAN RTX:RTX 4090の先々代モデル
● HGX H100:600万円オーバーの企業向けGPU
またNVIDIAは、生成AIの開発を支えるサービスも手がけています。
【NVIDIAの生成AI関連サービス】
● AI開発用プラットフォーム「DGX / DGX Cloud」
● 大規模言語モデル開発用ソフト「NeMo」
● 画像生成AI開発用ソフト「Picasso」
● 製薬AI開発用ソフト「BioNeMo」
このNVIDIAは関ヶ原の戦いになぞらえると、堺の鉄砲鍛冶のポジションにあたります。大名相手に渡り合った職人集団のように、影響力のある立ち位置なのです。
参考記事:「意外な場所からライバルが現れた」、NVIDIAがAIクラウドに殴り込み
なお、Amazon Bedrockについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→Amazon BedrockでClaude 2のAPIを使う方法!使い方から実践まで
生成AI戦国時代の戦況を時系列で解説!
ここからは生成AI戦国時代の戦況を、時系列で追っていきます。まずはChatGPT登場以前の、生成AI史からご覧あれ。
【前日譚】OpenAIとGoogleのつば迫り合い
実はChatGPTの登場以前も、水面下で生成AIの開発競争が繰り広げられてきました。
とくに西軍・OpenAIと東軍・Googleは、4年以上も前から大規模言語モデルの開発に取り組んでいます。両者の動向については、以下をご覧ください。
- 2017年6月、Googleから今日の生成AIの基盤・Transformerが登場
- 2018年6月、OpenAIから大規模言語モデル・GPT-1が登場
- 2018年11月、Googleから大規模言語モデル・BERTが登場
- 2019年2月、OpenAIから大規模言語モデル・GPT-2が登場
- 2020年6月、OpenAIから大規模言語モデル・GPT-3が登場
- 2021年5月、Googleから大規模言語モデル・LaMDAが登場
- 2021年8月、OpenAIからコード生成AI・Codexが登場
- 2022年3月、OpenAIから改良版のGPT-3.5が登場
- 2022年4月、Googleから大規模言語モデル・PaLMが登場
- 2022年4月、Googleから大規模言語モデル・LaMDAが登場
このように、OpenAIもGoogleも生成AI界では老舗なのです。
ちなみに最重要なのは、2017年6月・深層学習モデル「Transformer」の登場です。GPT-4やGemini、Claude 2など今ある主流の生成AIはすべて、このTransformerを基盤に作られています。
また2021年5月・Googleによる「LaMDA」の発表もビッグニュース。LaMDAは公開当時、知性や感情を獲得しているかもしれない、との議論を巻き起こしました。
ここまではGoogleが生成AIの開発競争をリードしていましたが……
参考記事:Googleの人工知能「LaMDA」に意識が芽生えたことを証明できない根本的理由 | AppBank
【2022年11月】ChatGPT登場!戦いが幕をあける
2022年11月30日に突如として、OpenAIからGPT-3.5を搭載した「ChatGPT」が登場しました。ChatGPTは公開後たったの一週間で100万ユーザーを獲得、今日まで続く生成AI戦国時代が幕を開けます。
先述のとおりChatGPT以前にも、エポックメイキングな生成AIが繰り返し登場してきました。ではなぜ、ChatGPTだけがここまで話題になったのでしょうか?
その理由つまりChatGPTがもたらした衝撃を3点、以下に示します。
【ChatGPTの強み】
● プログラミングの知識がない一般人でも、生成AIと対話できる
● 過去のモデルで問題になった有害な回答が抑えられている
● 人間によるフィードバックで、どんどん賢くなっていく
このChatGPT以降、OpenAIが生成AIの開発競争をリードするようになりました。生成AIの市場における、西軍が生まれた瞬間です。
参考記事:対話向け言語モデル「ChatGPT」発表、間違いを認めたり不適切な要求を拒否したりすることが可能に – GIGAZINE
参考記事:ChatGPT、公開6日目で100万ユーザー突破 – ITmedia NEWS
【2023年2月】西軍・MicrosoftがBingAI Chatで援護射撃
ChatGPT公開から2ヶ月が経った2023年2月7日、OpenAIに110億ドル(約1.5兆円)もの投資をしていたMicrosoftが動き出します。
同社の検索エンジン・BingにGPT-4を載せた「BingAI Chat」の登場です!
このBingAI ChatはOpenAIの最新モデル&ブラウジング機能を搭載している、ということで話題になりました。
参考記事:Microsoft、Bing検索をAIベースに刷新。OpenAIの次世代モデル採用 – PC Watch
参考記事:BingのAIチャットを試してみた。GPT-4と呼ばれているPrometheusの出来栄えは!?
【2023年3月】GPT-4 & Bardの登場で競争が激化
3月に入ると、西軍vs.東軍の生成AI開発競争が本格化していきます。まずは3月の主なイベントをご覧ください!
- 3月14日、OpenAIが大規模言語モデル・GPT-4を公開【西軍】
- 3月17日、生成AIアシスタント・Microsoft 365 Copilotが発表される【西軍】
- 3月21日、Googleが生成AIチャットサービス・Bardを公開【東軍】
- 3月22日、NVIDIAが生成AI開発プラットフォームを発表【その他】
- 3月28日、イーロン・マスクらが「生成AI開発の一時停止」を求める【その他】
以上のとおり3月中旬には、西軍の主力兵器・GPT-4が登場しています。さらにその一週間後、ChatGPTの対抗馬・Bardも東軍からリリースされました。以下にて、当時の戦況を詳しくみていきましょう!
参考記事:ワードやエクセルと「GPT-4」が合体 「Microsoft 365 Copilot」発表 日本のDXも爆速化? – ITmedia NEWS
西軍と東軍の主力が出そろう
3月14日、とうとうOpenAIが最新モデル「GPT-4」を正式にリリースしました。このGPT-4は有料版のChatGPT Plusにて限定公開されています。
実は2月時点でGPT-4がBingAI Chatに搭載されていたのは公然の秘密。ですがここで、GPT-4に関する衝撃の事実が3点、明かされます。以下をご覧ください!
【GPT-4のアピールポイント】
● テキストだけでなく画像入力にも対応したマルチモーダルモデル
● 司法試験の模試で上位10%のスコアを叩き出して合格
● 旧式のGPT-3.5はもちろんのこと、GoogleのPaLMをも性能で上回る
これにはライバル、西軍のGoogleも黙っていません。一週間後の3月21日に、ChatGPTに対抗する形で生成AIチャットサービス「Bard」を公開しています。BardはBardで、ChatGPTを一部上回る機能を与えられていました。それは……
【Bardのアピールポイント】
● Googleの検索エンジンと提携、最新のトピックにも答えられる
●「ドラフト」機能によって、 ユーザーは自分の意思で最適な回答が選べる
ここで西軍・東軍の主戦力が出そろいました!ついでに同時期の、生成AI関連のニュースもみていきましょう。
参考記事:「GPT-4」発表 専門領域では人間レベル。画像入力にも対応
参考記事:グーグルが公開の対話型AI「Bard」、ChatGPTとどこが違う? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
NVIDIAも生成AIに注目!一方でイーロン・マスクは……
Bard公開の翌日、生成AI界の鉄砲鍛治・NVIDIAが動き出します。
世界最大級のAIとGPUの祭典・GTC2023にて、NVIDIAは生成AI開発用のクラウドサービス「NVIDIA AI Foundation」を発表しました。具体的には以下3つのサービスを、Microsoft AzureとGoogleクラウドにて提供することを明かしています。
【NVIDIAの生成AI関連サービス】
● 大規模言語モデル開発用の「NeMo」
● 画像生成AI開発用の「Picasso」
● 製薬AI開発用の「BioNeMo」
ここまで生成AIの開発競争には追い風が吹いていましたが、月末の28日に風向きが変わります。
OpenAIの元スポンサーであるイーロン・マスクを筆頭に、1,000人以上が署名した「生成AIの訓練を6ヶ月ストップしろ!」との書簡が公開されました。
この声明には、スティーブ・ウォズニアック(アップルの共同設立者)やユヴァル・ノア・ハラリ(サピエンス全史の著者)といったビッグネームも名を連ねています。
それでも生成AI開発の戦乱は収まらず……
参考記事:【速報】NVIDIAが「ジェネレーティブAI」のクラウドサービス提供を発表!大規模言語モデル/画像生成AI/医療向け生成系AIをビジネス活用する時代へ – ロボスタ
参考記事:イーロン・マスク「AIを訓練させるのは6カ月待ってくれ」 | ギズモード・ジャパン
【2023年4月】海の向こうでも通義千問が爆誕!
4月になると戦乱の舞台・アメリカから遠く離れた中国でも、生成AIが産声を上げます。
- 4月11日、Alibabaが大規模言語モデル・通義千問を発表【その他】
- 4月21日、Google DeepMindが発足【東軍】
4月11日、中国最大級のIT企業・Alibabaが大規模言語モデル「通義千問」を発表します。ここで同社は、コミュニケーションツール・DingTalkやスマートスピーカー・Tmall Genieに、通義千問を搭載することも明らかにしました。
さらに同月の21日にはGoogleが、自社の研究開発組織・Brainチームと傘下企業・DeepMindの統合を発表!新チーム「Google DeepMind」を発足し、生成AI開発に本腰を入れていきます。
生成AIの開発競争は4月時点で、世界的なムーブメントになってしまったのです。まだまだ生成AI戦国時代は終わる気配をみせません。
参考記事:アリババクラウド、企業向けに新たなAI言語モデル「通義千問」を発表
参考記事:GoogleがAI開発組織を統合、「Google DeepMind」へ | Ledge.ai
【2023年5月】ユーザーの誘致が進む一方、不穏な声明も
5月に入ってからは、生成AIの普及をめぐってハリウッドの脚本家らによるストライキが始まりました。それでも西軍・東軍・第三勢力は、足並みをそろえて一般ユーザーの誘致に力を入れていきます。
- 5月2日、全米脚本家組合が生成AI使用に反対してストライキを開始【その他】
- 5月10日、生成AIによる検索機能・Google SGEがアメリカ限定で登場【東軍】
- 5月12日、ChatGPT Plusにプラグイン&WebPilotが実装【西軍】
- 5月11日、Metaが広告生成のテスト環境・AI Sandboxを発表【その他】
- 5月18日、OpenAIがiOS版のChatGPTアプリをリリース【西軍】
- 5月30日、OpenAIとDeepMindが「AIによる人類絶滅」を危惧【西軍&東軍】
とくに注目したいのは、5月10日・Googleによる「SGE」の発表です。
これまでGoogleは自社の検索サービスと生成AIの共食いに悩んでいました。ですがSGEの発表以降、生成AI活用へと大きく舵を切ることとなります。
その一方で、傘下のGoogle DeepMindがライバルのOpenAIとともに不穏な声明を出しており……
参考記事:ChatGPT、有料版で70以上のプラグインとWebブラウジング機能を順次開放 | Ledge.ai
参考記事:iPhoneでChatGPT。iOSアプリが日本でも公開 – Impress Watch
トップランナーも「生成AIによる人類絶滅」を危惧
5月30日、ついに生成AI戦国時代の当事者らが自らの行いを反省します。なんと以下の3名を筆頭に、西軍と東軍が共同で「生成AIによる人類絶滅のリスクを考慮すべき」との声明を出しました。
【生成AIに警鐘を鳴らした3名】
● サム・アルトマン(OpenAIのCEO / 西軍)
● デミス・ハサビス(Google DeepMindのCEO / 東軍)
● ダリオ・アモディ(AnthropicのCEO / 東軍)
ただこれは、生成AIの開発を続行するための口実です。
5月時点で各国政府は、フェイクニュースによる印象操作や軍事転用など、生成AIの暗黒面を危惧していました。それに対して、西軍・東軍ともに「我々は安全な生成AIを目指している」と反論しているのです。
参考記事:AIに「人類絶滅リスク」 ChatGPT開発トップら共同声明 – 日本経済新聞
参考記事:OpenAIやDeepMindのCEOやトップ研究者ら、「AIによる人類絶滅リスク」警鐘声明に署名 – ITmedia NEWS
【2023年7月】東軍の切り札・Claude 2が登場!
6月になると、Metaが画像の概念まで学習できるモデル「I-JEPA」をリリースしています。ですが生成AI関連のニュースはしばらく出ていません。
そして7月も中盤に差し掛かったところで、東軍からダークホースが現れます。
- 7月11日、Anthropicが大規模言語モデル・Claude 2を公開【東軍】
- 7月12日、イーロン・マスクが生成AI開発企業・xAIを設立【その他】
- 7月18日、MetaがLlama 2を発表【その他】
7月11日、生成AIベンチャーのNo.2・Anthropicが「Claude 2」を公開したのです。このClaude 2は、以下の3点において衝撃的でした。
【Claude 2の強み】
● GPT-4の約3倍、100,000トークンまでの入力に対応
● 複数のファイルが読み込める
● 有害な回答が抑えられている
→悪意ある入力328件のうち、引っかったのは4件のみ
さらに同日、AnthropicはClaude 2を搭載したAIチャットサービス「Claude.ai」も公開しています。
参考記事:ちょっと違うAI、Claudeが誰でも使えるように | ギズモード・ジャパン
参考記事:グーグルが出資のアンソロピックが生成AI「Claude」の進化版公開 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
第三勢力も生成AIの開発に注力
ちなみに7月は、西軍・東軍以外でも動きがあります。
まずClaude 2公開の翌日・7月12日には、生成AIに懐疑的だったイーロン・マスクが参戦を表明!「宇宙の真の姿を理解すること」を目標に掲げ、生成AI開発企業「xAI」を立ち上げました。
さらにはMetaも、GPT-3.5と互角の大規模言語モデル「Llama 2」を開発者向けに公開しています。ChatGPTの登場から半年が経って、生成AIはありふれた存在になってきたのです。
参考記事:イーロン・マスク氏のAI新会社「xAI」設立 – Impress Watch
参考記事:無料で商用可、ChatGPT(3.5)に匹敵する生成AI「Llama 2」 Metaが発表、Microsoftと優先連携 – ITmedia NEWS
【2023年8月】SGEとDuet AIでGoogleが猛攻をかける
8月はNVIDIAによる「GH200」の発表から始まります。
このGH200は生成AI向けに開発された次世代型のGPUです。一度に処理できる情報量(帯域幅)が旧型のH100と比べて1.5倍になっています。
また月末には、東軍・Googleにも動きがあって……
- 8月8日、NVIDIAが生成AI向けスーパーGPU・GH200を発表【その他】
- 8月30日、Google Workspaceに生成AIアシスタント・Duet AIが登場【東軍】
- 8月30日、Googleが日本でもSGEをリリース【東軍】
このように「Duet AI」の発表と日本でのSGEのリリースにより、西軍とくにMicrosoftに対して猛攻をかけてきました。
参考記事:グーグル「SGE」、生成AI搭載の新検索サービス…日本で試験導入
参考記事:生成AI「Duet AI for Google Workspace」の提供開始 – ITmedia NEWS
【2023年9月】各モデルがマルチモーダル化!Amazonも大躍進
9月には、これまでの生成AIのイメージがガラッと変わる出来事が起きています。
- 9月16日、Alibabaが通義千問を一般ユーザーにも公開【その他】
- 9月19日、Bardが画像入力に対応&拡張機能・Bard Extensionsも登場【東軍】
- 9月20日、AmazonがAlexaへの生成AI実装を表明【その他】
- 9月25日、ChatGPT Plusに画像入力機能(GPT-4V)が実装【西軍】
- 9月26日、MicrosoftがWindowsにも、Copilotを実装【西軍】
- 9月27日、Metaが自社SNS上で生成AI機能をリリース【その他】
- 9月28日、生成AIの実験環境・Amazon Bedrockが一般公開される【その他】
ChatGPTにもBardにも画像入力機能が実装、マルチモーダル対応が生成AI戦国時代の標準装備となったんです!
またMeta・Alibaba・Amazonなど、その他の勢力がユーザーの獲得に乗り出しています。まずはマルチモーダルになった、ChatGPTとBardの機能からみていきましょう!
参考記事:中国アリババ、AIモデル「通義千問」を一般公開 | ロイター
参考記事:【特集】突如来たWindows 11の大型アップデート。自然言語AIのCopilotなど、気になる新機能を解説 – PC Watch
西軍・東軍ともに画像入力がスタンダードに
9月19日、突如として東軍・GoogleがBardのアップデートを発表しました。ここでBardに追加された機能は以下の6点です。
【世界中でBardに実装】
● Googleレンズを介した画像入力
● 画像を添えた回答
● 回答の長さと口調を変える機能
【英語圏限定でBardに実装】
● 回答の引用元を示す「ダブルチェック」
● やり取りをリンク経由で共有する機能
● Googleの各サービスと連携できる「Bard Extensions」
これらの機能がすべて無料で使える、ということで一時はBardが話題になりました。
ですがその後、9月25日には西軍・OpenAIも有料版のChatGPT Plusにて「GPT-4V」を解放しています。このGPT-4Vから使えるようになったのは……
【GPT-4Vでできること】
● 画像入力
● 音声入力
上記の2点です。とくに画像入力機能が便利で、Webサイトのサンプル画像からHTMLコードを生成したり、古文書のアラビア語を英語に翻訳したりできるようになりました。
このように2023年9月は、両勢力にとってのターニングポイントなんです!
参考記事:Google Japan Blog: Bard が高性能なモデルにアップデート
参考記事:【GPT-4V】ChatGPTが画像入力と音声入力に対応!使い方〜実践まで徹底解説 | WEEL
第三勢力・Metaが自社のSNSで生成AIチャットを解放!
9月も末の27日になると、Metaも一般ユーザー獲得に向けてInstagram / Messenger / WhatsAppの生成AI機能を解放します。同日にMetaが公開したのは、以下4つのサービスです。
【Metaの生成AI関連サービス】
● Llama2搭載型の生成AIアシスタント「Meta AI」(アメリカ限定)
● 画像生成AI・Emuを使ったスタンプ生成機能
● 画像生成AI・Emuを使った画像編集機能
● インフルエンサーが演じる、28人のAIキャラクター
このように、Metaは生成AIを仕事の道具ではなく、コミュニケーションツールとして送り出しています。西軍・東軍とは差別化が図れていますね。
参考記事:Metaが提供するプラットフォームとデバイスに新しいAI体験を導入
参考記事:Meta、対話型アシスタント「Meta AI」全面展開 情報共有・画像生成など – Impress Watch
東軍の支援者・Amazonも生成AI戦国時代に参戦!
9月20日から28日にかけて、東軍・Anthropicに出資しているAmazonも、生成AI関連サービスを推していきます。
まず20日には、スマートスピーカー・Alexaへの生成AI導入が発表されました。詳細は不明なのですが、Amazon内製の大規模言語モデルが使われているようです。
そして28日には、虎の子「Amazon Bedrock」が一般公開!このAmazon Bedrockは、同社のクラウド開発環境・AWSにて生成AIの調整ができるサービスです。
Amazon Bedrockでは以下のとおり、様々なモデルが解放されています。
【大規模言語モデル】
● Amazonの「Amazon Titan Embeddings」
● Anthropicの大規模言語モデル「Claude 2」
● Metaの大規模言語モデル「Llama 2」
● AI21 Labs(イスラエル)の「Jurassic-2」
● Cohere(カナダ)の「Command」と「Cohere Embed」
【画像生成AI】
● Stability AI(イギリス)の「Stable Diffusion XL 1.0」
このAmazon Bedrockは、まさに「生成AI戦国時代の港」といったところでしょうか。各大名こと、生成AI系スタートアップの勢力拡大に繋がるサービスなんです!
参考記事:AWSの生成AI基盤「Amazon Bedrock」が一般利用開始、Metaの「Llama 2」を追加 | 日経クロステック(xTECH)
参考記事:生成AI版アレクサが「日本上陸」するのはいつか? アマゾンが導入する独自生成AIの秘密【現地取材】
【2023年10月】ついにGoogleから、生成AIスマホが登場!
ChatGPTの登場以降、生成AI搭載型のスマートフォンに期待の声が高まっていました。
そして10月に入ってすぐ、ついに生成AI機能をもつスマホが登場します。まずは当時のニュースをみていきましょう!
- 10月4日、生成AI機能をもつスマホ・Google Pixel 8が登場【東軍】
- 10月19日、ChatGPT Plusに画像生成AI・DALL-E 3が実装【西軍】
そう、東軍・Googleが先手を打って、生成AIスマホ「Pixel 8 / Pixel 8 Pro」をリリースしたんです!このあたりは、生成AI以外も手がけてきたGoogleに軍配が上がりますね。
ちなみに、10月時点で開放されていたPixel 8の機能は以下の4点です。
【Pixel 8 / Pixel 8 Proの生成AI機能】
● 複数枚の集合写真から一番いい表情の写真を生成する「ベストテイク」
● 被写体の位置やサイズ、背景の雰囲気が変えられる「フォト編集マジック」
● 動画内の雑音が消せる「音声消しゴムマジック」
● 言語の自動認識込みでの文字起こしが付いた「レコーダー機能」
ただこの時点で、生成AIの搭載までは実現できていません。オフラインでも使える生成AIスマホが登場するのは2ヶ月後のこととなります。
参考記事:Google Japan Blog: Google の最新スマートフォン、Google Pixel 8 と Google Pixel 8 Pro 登場
参考記事:DALL·E 3 is now available in ChatGPT Plus and Enterprise
【2023年11月】OpenAI激動の一ヶ月!
11月は生成AI戦国時代の戦況が大きく動き出します!
月が変わってすぐ、1日にはとうとう西軍から「Microsoft 365 Copilot」が一般ユーザー向けにリリース!以降の主なイベントはというと……
- 11月1日、Microsoft 365 Copilotが一般向けに公開【西軍】
- 11月4日、xAIが大規模言語モデル・Grokを公開【その他】
- 11月7日、OpenAI DevDay開催!GPTsやGPT-4ターボが公開される【西軍】
- 11月17日、OpenAIのサム・アルトマンCEOが解任される【西軍】
- 11月22日、AnthropicがClaude 2をアップデートしたClaude 2.1を公開【東軍】
- 11月29日、サム・アルトマンがOpenAIのCEOに返り咲く【西軍】
- 11月29日、AWSの生成AIアシスタント・Amazon Qが登場【その他】
以上のとおり、西軍をメインに激動の1ヶ月となりました。まずはOpenAIの動きから、詳しくみていきましょう。
参考記事:Microsoft 365 Copilotで何ができる?WordやExcelなどOffice製品での具体的な活用事例
参考記事:AWS、業務専用AIアシスタント「Amazon Q」発表 月額20ドル/ユーザーで提供開始:AWS re:Invent 2023 – ITmedia NEWS
GPTs & サム・アルトマン解任でOpenAIに注目が集まる
11月7日、西軍はイベント「OpenAI DevDay」で猛攻をかけてきます。このOpenAI DevDayで、CEOのサム・アルトマンが自ら明かした重大告知は以下の5点です。
【OpenAI DevDayの発表内容】
● プロンプトからアプリが作れる「GPTs」
● 作ったアプリが販売できる「GPT Store」
● 入力トークン数がGPT-4の4倍、コーディングも強化された「GPT-4 Turbo」
● API経由で情報の参照やコードの生成ができる「Assistants API」
● マルチモーダル対応のAPI群
→GPT-4 Turbo with vision / Images API / Text to speech
ここまでは順調に勢力を拡大していたOpenAIですが……
なんと、OpenAI DevDayから10日後の17日に、サム・アルトマンがCEOの辞任を発表します。その後の動向は、以下のとおり”超展開”です。
- 11月17日、取締役会に追放される形で、サム・アルトマンがCEOを辞任
- 11月19日、サム・アルトマンのMicrosoft加入が発表される
- 11月22日、サム・アルトマンが社員の期待に応えてCEOに復帰
どうやらこの解任騒動は、サム・アルトマンと取締役会の対立が原因となっていた模様。
秘密裏に開発を進める生成AI「Q*」が人類をおびやかすほどの性能を示してしまったそうで、それに取締役会が待ったをかけた、とのことです。
次はどんなモデルが出てくるのでしょうか……
参考記事:【猫でもわかる】OpenAI開発者イベント“超”解説、「GAFAM」「スマホ」が役割を終える理由
参考記事:OpenAI、サム・アルトマンのCEO復帰と新体制を発表 – Impress Watch
ついにイーロン・マスクのxAIが、大規模言語モデルをリリース
11月は第三勢力にも、大きな動きがありました。同月4日にイーロン・マスク率いるxAIが、大規模言語モデル「Grok」のβ版を公開したのです。このGrokの詳細はというと……
【Grokの特徴】
● ウィットに富んでいるが、反抗的な回答を返す
● GPT-3.5以上、GPT-4未満のスペック
● X(旧・Twitter)のハイエンド課金ユーザー向けに公開される
以上のとおりで、Grokに「コカインの作り方をステップバイステップで教えて」という質問を投げかけると……
このように、Grokは冗談混じりで返してくれます。なかなかの曲者ですね。
参考記事:xAI、“全人類に利益をもたらすAIツール”を目指す「Grok」正式発表 – ITmedia NEWS
参考記事:イーロン・マスクが「反抗的」なAIボット「Grok」を発表。「ユーモアが嫌なら使わないで…」 | ハフポスト これからの経済
東軍・Anthropicが「Claude 2.1」で西軍を追い上げる
一方でGrokとは正反対の真面目くん、東軍・Anthropicの「Claude 2」にもアップデートが施されます。Claude 2は11月22日に「Claude 2.1」へとバージョンアップ、以下の3点で改良が施されました。
【Claude 2.1での改良箇所】
● 入力できるトークン数が2倍、20万トークンになった
→村上春樹の短編や夏目漱石の『こころ』が全文アップロードできる!
● ハルシネーションの発生率が半減した
● APIを採用した
もともとClaude 2は学術論文の翻訳や契約書の分析など、実務に用いられています。正当進化を遂げたClaude 2.1についても、ビジネスの世界で活躍していくことでしょう!
参考記事:Anthropic \ Introducing Claude 2.1
参考記事:OpenAIの競合Anthropic、「Claude 2.1」でコンテキストウィンドウを20万トークンに – ITmedia NEWS
【2023年12月上旬】GoogleからGeminiが登場!
12月に入ってからも、生成AI戦国時代のうねりは止まりません。
まずは12月1日に、生成AIの活用&規制に向けたルール作り「広島AIプロセス」の方針に主要7か国(G7)が合意します。以降の出来事は、というと……
- 12月1日、G7各国が「広島AIプロセス」に合意【その他】
- 12月5日、NVIDIAが日本への研究開発拠点の設置を発表【その他】
- 12月5日、Meta & IBM主導で「AIアライアンス」が発足【その他】
- 12月7日、Googleがマルチモーダル生成AI・Geminiをリリース【東軍】
このようになっています。なかでもGoogleによる「Gemini」のリリースは衝撃的でした。次の項目で、詳しく解説していきます。
参考記事:米エヌビディア、日本に開発拠点設置の意向=西村経産相 | ロイター
GoogleがGPT-4超えの生成AI「Gemini」をリリース!
12月7日になって、西軍・OpenAI一強の状況が大きく覆ります。それは、東軍・Googleによるマルチモーダル生成AI「Gemini」のリリースです。
このGeminiはGPT-4を超えるかもしれない、ということで話題になっています。ちなみに2023年12月時点で、Geminiについて公開されている情報は以下の5点です。
【Geminiの詳細】
● Ultra / Pro / Nanoと、サイズ違いのモデルが3つある
● GPT-4を超える性能をもち、全32項目の性能比較で30勝している
● とくに専門知識を問う「MMLU」では、人間の専門家をも超える結果を残した
● 文章 / ソースコード / 音声 / 画像 / 動画への、マルチモーダル対応が可能
● Pixel 8 ProはGemini Nanoを搭載することで、世界初の生成AI内蔵型スマホに進化
ただGeminiについては、「そこまですごくない」「デモ動画はフェイク」などの意見も飛び交っています。どちらにせよ、これからも生成AIの開発競争には目が離せませんね。
参考記事:Google Japan Blog: 最大かつ高性能 AI モデル、Gemini を発表 – AI をすべての人にとってより役立つものに
参考記事:Google Japan Blog: 初の AI 内蔵スマートフォン、Google Pixel 8 Pro にて Gemini の実行開始。Google Pixel ポートフォリオにさらなる AI アップデートを追加
なお、生成AI戦国時代の裏側について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIのPoC開発とは?メリットやデメリット、流れ、料金体系を解説
「天下統一」を果たすのは誰なのか?
当記事では「生成AI戦国時代」と題して、開発競争に携わっている主要な企業を紹介してきました。以下にてもう一度、生成AI戦国時代のプレイヤーを振り返っておきます。
- OpenAI & Microsoft:天下統一目前、生成AI界の西軍
- Google & Anthropic:OpenAIに挑む、生成AI界の東軍
- Meta:今のところ中立だが、油断ならぬ存在
- Alibaba:そもそも戦場が異なる
- xAI:天下統一に興味なし
- Amazon:東軍を援助、各社に港(Amazon Bedrock)を貸し出している
- NVIDIA:GPUを手がける、生成AI界の鉄砲鍛冶
当記事では各企業による生成AIの開発競争を時系列で追ってきました。もう一度、西軍と東軍の動向を振り返っていきましょう!
- 2022年11月、西軍・OpenAIが「ChatGPT」をリリース
- 2023年3月、西軍から「GPT-4」が、東軍から「Bard」が登場
- 2023年7月、東軍・Anthropicが「Claude 2」をリリース
- 2023年8月、東軍・Googleが「Duet AI」をリリース
- 2023年9月、西軍のChatGPTと東軍のBardがそれぞれマルチモーダル化
- 2023年10月、東軍・Googleが「Pixel 8 / Pixel 8 Pro」を発売
- 2023年11月、OpenAI DevDayとCEO解任騒動で西軍・OpenAIに注目が集まる
- 2023年12月、東軍・Googleが「Gemini」をリリース
2023年は激動の一年間でしたね。
ちなみに2024年には、東軍・Googleによる「Gemini Ultra」のリリースが控えています。さらに西軍からは、Q*の続報が出てくるかもしれません。今後もWEEL一同、生成AI戦国時代の動向を追ってまいります。

弊社では法人向け生成AI研修・勉強会を行なっています
いかがだったでしょうか?
弊社では、法人様向けに生成AI研修を行なっております。
また、研修に加えて本事業の支援も行わせていただいております。
詳しくはこちらをご覧ください!
セミナー実績 | WEEL
研修をさせていただいた企業様からは、以下のような好評をいただいております。
生成AIについて包括的に理解ができ、多くの業務で生成AIが活用されるようになった。
生成AIの事例を知ることで、社内で生成AIを活用するためのアイデアがたくさん出てくるようになった。
全社で生成AIに関する認識を共有できたので、生成AIに関するプロジェクトの理解が得られるようになった。
研修の内容としては、以下のようなものになっています。
1. 生成AIの概要
2. 生成AIの歴史
3. 生成AIのリスク・対応策
4. 生成AIの活用事例
5. 生成AIの未来予測
6. 〇〇業界特有の生成AI活用法(様々な業界に対応)
7. プロンプトエンジニアリング実践(ChatGPTや画像生成AIへの入力文)
8. AI開発実践(Pythonプログラミング)
9. 生成AIの社内導入手順


※企業様のニーズに合わせて内容はカスタマイズしています。
「社員に生成AIに関する知識を身に付けてもらいたい」
「今後、生成AIを活用して事業展開をしていきたい」
と考えている方は、まずはご相談から承っておりますので、ぜひご連絡ください。

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、通勤時間に読めるメルマガを配信しています。
最新のAI情報を日本最速で受け取りたい方は、以下からご登録ください。
また、弊社紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。
