【2025年最新】Xで使える最強のLLM「Grok-2」とは?各モデルの進化や活用事例、料金のほか、最新の「Grok-4」についても徹底解説!

皮肉を交えた回答をしてくる生成AIとして話題となったGrokという生成AIモデルをご存知でしょうか? これは、X(旧:ツイッター)で利用できる生成AIモデルで、その回答のユーモアさや精度の高さから利用者も多い人気のAIツールです。
そんな人気なAIツールのアップデート版であるGrok-2が、ベータ版ではありますが公開されたことで話題となっています。
この記事では、話題のGrok-2の概要やアップデート内容などをご紹介します。実際の活用事例についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
Grok-2とは?
Grok-2とは、スタートアップ企業のxAIが開発した、X上で使えるLLM(大規模言語モデル)のことです。今回公開されたGrok-2は前モデルであるGrokからのアップデート版となり、巷ではGPT-4の性能を超えるということで注目を集めています。
現在はベータ版での公開となっていますが、Grok-2の他にもより小さいモデルのGrok-2 miniも用意されており、スペックの低いデバイスでも利用できるように設計されているところも注目を集めるポイントの1つと言えるでしょう。
なお、Grokについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Grok-1.5から何が進化したのか?主な変更点まとめ
Grok-2は、単なるマイナーアップデートではありません。前モデルのGrok-1.5から飛躍的な進化を遂げています。主な変更点を整理してみましょう。
- マルチモーダル化(画像生成機能の追加)
これまでテキストのみの対応でしたが、新たに画像生成が可能になりました。 - 基本性能の大幅な向上
数学、コーディング、推論といった専門的なタスクにおける能力が格段に向上しています。 - より長い文脈の理解
一度に処理できる情報量が増え、より複雑で長い会話や指示を正確に理解できるようになりました。
このように、Grok-2はより賢く、より多機能に進化し、AIとしての総合力を大きく高めています。
Grok-2の主な特徴
前述の通り、Grok-2は前モデルであるGrokのアップデート版ということもあり、元々の機能の性能が向上したことはもちろん、便利な新しい機能も追加されています。
では、Grok-2を使うとどのようなことができるのでしょうか。次にGrok-2でできることについてご紹介します。
画像生成機能の追加
前モデルであるGrokはテキストでのやりとりしかできませんでしたが、Grok-2では、画像生成機能が追加されました。この画像生成機能には、Black Forest LabsのFLUX.1が使用されており、テキストプロンプトから簡単にクオリティの高い画像を生成できるため手軽に画像生成を楽しむことが可能です。
しかし、政治家や有名人といった他の画像生成AIでは出力できないように制限されている画像も出力できることが確認されており、場合によってはフェイク画像を活用したデマのニュースの拡散など、誤情報を生み出す可能性があります。
そうしたリスクも存在するため、画像生成機能については今後さまざまな対策が行われるでしょう。
リアルタイム情報を統合した回答
Xというプラットフォームを活用していることもあり、Grok-2はリアルタイムでさまざまな情報を統合した回答をすることが可能です。
これにより、最新情報を元にした回答を行うことができるため、タイムリーな情報を瞬時に手に入れたり、今流行りのワードやアイテムなどについても簡単に検索できるようになるでしょう。
また、Grok公開時に話題になったユーモアモードも引き続き搭載されており、他のAIモデルでは味わえない一癖ある回答を楽しむこともできるのが特徴です。
ベンチマークのスコアが高い
Grok-2は、推論、読解、数学、科学など、さまざまなベンチマークで評価され、その性能は前モデルであるGrokを大きく上回っています。

また、上記画像をみてもわかり通り、それぞれの項目を見比べてみると、ChatGPTやGemini、Llamaといった他社からリリースされているモデルと比較しても部分的にスコアが高く、その性能の高さが伺えます。
ベンチマークで見るGrok-2の性能|GPT-4やGeminiと比較
Grok-2の性能は、主観的な評価だけでなく、客観的な数値によっても証明されています。xAIが公開したベンチマーク結果によれば、Grok-2は推論、読解、数学、科学といった多様な分野で、前モデルの性能を大きく上回っています。

上の画像からもわかる通り、Grok-2は主要なベンチマークにおいて、ChatGPT(GPT-4)やGemini、Llamaといった競合の最先端モデルと比較しても遜色ない、あるいは一部の項目ではそれらを凌駕するスコアを記録しています。特にコーディングや数学といった専門分野での性能向上は目覚ましく、その実力の高さが伺えます。
Grok-2の料金
Grok-2は無料で使うことはできず、Xのサブスクリプションに加入する必要があります。

Xには、「ベーシック」「プレミアム」「Xプレミアムプラス」という3つのプランがありますが、Grok-2を利用するには、プレミアムプラン以上のサブスクリプションに加入する必要があります。
2025年7月末現在では、プレミアムプランの価格は536円/月(年間払い・割引適用の場合)となっています。
Grok-2の始め方・使い方【X Premium登録から基本操作まで】
Grok-2を始めるのは非常に簡単です。以下のステップで、すぐに利用を開始できます。
- Xアカウントにログイン
まずは普段お使いのXアカウントにログインします。 - Premiumプランに登録
PC版の場合、画面左のメニューから「プレミアム」を選択し、画面の指示に従って「プレミアム」または「Xプレミアムプラス」に登録します。 - Grokを起動
登録が完了すると、同じく画面左のメニューに「Grok」という項目が表示されます。これをクリックすれば、Grokのチャット画面が開き、すぐに会話を始めることができます。
基本的な使い方はChatGPTなど他のチャットAIと同じで、画面下の入力ボックスに質問や指示を入力するだけです。画像生成を行いたい場合は、「〇〇の画像を生成して」といったように、テキストで指示します。
Grok-2の活用事例
ここまでお読みいただいたことで、Grok-2の概要について大まかに理解いただけたかと思います。しかし、実際にどのようなことができるのかイメージが沸かない方も多いはずです。そこで、最後にGrok-2の活用事例についてご紹介します。
動画生成AIのモデル画像の生成
近年、動画生成AIが普及し始めており、それらを利用するユーザーも多く、SNSなどでも生成AIで作られた動画がたくさん投稿されるようになりました。そうした動画生成AIを活用して動画を生成するには、元となる画像が必要となるため、自分で絵を描けない人や写真などを用意できない人は画像生成AIを活用することも少なくありません。
しかし、利用するモデルによってはクオリティの低い画像が生成されたり、リアルな人物を生成できなかったりすることもあり、元画像の生成に苦労することも多いでしょう。
Grok-2を活用すれば、リアルな人物やアニメキャラクターのようなタッチまで、幅広いジャンルの画像を簡単かつ高クオリティで出力できるため、動画生成を行う際に利用することができます。
ミュージックビデオの作成
先ほどご紹介した通り、動画生成AIとGrok-2の画像生成機能を活用すれば、誰でも簡単に動画を作ることができます。さらに、最近では音楽生成AIの精度も高く、一部企業では音楽生成AIで作った楽曲をCMに起用した事例があるほど技術が進化しています。
これらの、動画・画像・音楽生成AI全てを活用することで新しい楽曲を作成できるだけではなく、今まで一人で制作することが難しかったMVのような動画も簡単に作ることができます。
また、利用するAIツールの利用規約や生成されたクリエイティブに問題がなければ、生成されたクリエイティブをSNSや動画投稿サイトなどにアップロードして広告収入を得る、などの副業としても活用できるでしょう。
さまざまなポストを参考にした回答の生成
近年ではテレビやWEB上の記事などだけではなく、InstagramやXといったSNSから情報収集することも多く、SNSは私たちには欠かせないツールとなりました。
しかし、SNSは誰でも気軽に投稿できることもあり、欲しい情報に辿り着けなかったり、情報量が少なく欲しい情報がなかなか手に入らないことも少なくありません。
そうした悩みもGrok-2を活用すれば解決できます。Xというプラットフォーム限定ですが、「〇〇について教えてください」とGrok-2に指示することで、ChatGPTのように回答を生成してくれるだけではなく、情報元のポストも提示してくれるため、高い精度で欲しい情報を得ることができます。
Grok-2と会話を楽しむ
Grok-2には、ジョークなどを織り交ぜて自然な文章で回答をしてくれる「ユーモアモード」が搭載されており、このモードを使うことで機械的な返答だけではなく、少し人間味のあるような回答ができるようになります。この、他の生成AIにはない機能であるユーモアモードを活用すれば、Grok-2とチャットを楽しむことができるでしょう。
また、Grok-2に「ジョークモード」「教育モード」「ストーリーテリングモード」「反抗モード」「哲学モード」などのモードを指定したプロンプトを入力することで、そのモードに対応した返答をしてくれます。
しかし、ベータ版ということもあり日本語にうまく対応できないケースも多々あるため、もう少し日本語出力の精度が上がれば、友達に連絡するような感じでGrok-2と会話できるようになるでしょう。
さらに、Grokの活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Grok-2を使う上での注意点と倫理的な課題
これまで述べてきたように非常に便利なGrok-2ですが、その強力な能力のため使用上の注意点や課題も存在します。
- 誤情報・フェイクニュースのリスク
前述の通り、リアルタイム情報と制限の緩い画像生成機能が組み合わさることで、巧妙なフェイクニュースが生まれ、拡散される危険性があります。 - 情報の偏り(バイアス)
GrokはX上の膨大なデータを学習していますが、そのデータ自体が特定の意見や思想に偏っている可能性があります。そのため、Grokの回答が常に中立的であるとは限りません。 - 著作権の問題
AIが生成した画像やテキストの著作権については、まだ法整備が追いついていない部分が多く、商用利用する際には注意が必要です。
Grok-2から得られた情報は鵜呑みにせず、常に批判的な視点(クリティカル・シンキング)を持って向き合うことが、ユーザーには求められます。
【開発者向け】Grok-2の技術詳細とAPI提供について
開発者にとって気になるのは、Grok-2の技術的な背景やAPIの提供状況でしょう。
xAIの発表によると、Grok-2は「Mixture-of-Experts(MoE)」と呼ばれるアーキテクチャを採用しており、タスクに応じて専門的な知識を持つニューラルネットワークの一部を効率的に使い分けることで、高い性能と処理速度を両立しています。
また、一度に扱える情報量であるコンテキストの量も大幅に拡張されました。
現在のところ、Grok-2のAPIはまだ一般公開されていませんが、将来的には開発者が自身のアプリケーションやサービスにGrok-2を組み込めるようになることが期待されています。
【2025年7月最新】自律型AI「Grok-4」が登場!性能の飛躍的な向上とX連携でさらに進化した次世代型エージェントモデル
2025年7月10日、アメリカの実業家、イーロン・マスク氏率いるxAI社は、最新AIモデル「Grok-4」をリリースしました。
同モデルは従来の対話型AIを超え、ツールの使用やリアルタイムの情報探索を含む自律的な処理能力を備えた次世代エージェント型AIとして注目を集めています。またGrok-4は、X(旧Twitter)との深い連携を軸に、リアルタイム性の高い情報検索やタスクの実行が可能な設計が特徴です。
Grok-4の主な特徴:ツール連携と高度な推論能力
Grok-4は、前モデル(Grok-3)から以下の点で飛躍的な進化を遂げています。
- リアルタイムのWeb情報探索・統合
X上の最新情報と連携し、常に新しい情報に基づいた回答を生成します。 - 高度なツール連携
コード実行や外部ツールを自律的に使用し、複雑なタスクを解決します。 - 長文処理能力
アプリでは最大128,000トークン、API経由では最大256,000トークンという非常に長いコンテキストウィンドウに対応します。 - マルチモーダル対応
テキストに加え、画像などの複数形式の情報を処理する能力を持ちます。(※機能は順次展開予定)
これにより、Grok-4は「調査・分析・レポート作成」といった複合的なタスクを、より自律的に遂行する能力を発揮します。
テキスト入力では日本語にも対応済み
Grokは2024年初頭から日本語に対応しており、テキストベースでの対話は問題なく行えます。また、ユーザーインターフェースも日本語で利用可能です。
ただし、画像生成における日本語テキストの出力や、一部の最新機能(特定の音声など)では、まだ日本語への対応が不完全な場合があります。
最新料金表(2025年7月末日時点)
Grok-4を利用するには、以下の有料プランへの加入が必要です。
プラン名 | 月額料金 | 特徴・補足 |
---|---|---|
SuperGrok | $30/月 | Grok-4(標準版)が利用可能。リアルタイム検索、長文処理、マルチモーダルなどに対応。 |
SuperGrok Heavy | $300/月 | Grok-4 Heavy(最上位版)が利用可能。複数のAIエージェントが協調動作する最高性能モデル。法人・研究用途向け。 |
X Premium+ | Web: ¥6,080/月〜※プラットフォームにより変動 | Xの最上位サブスクリプション。特典としてSuperGrok相当の機能が含まれ、Grok-4が利用できます。 |
※Grokの旧バージョン(Grok-3)はXの無料プランで利用可能ですが、Grok-4の機能を使うには上記いずれかの有料プランへの加入が必要です。
今後の展望:マルチエージェント化とAGIへの道
最上位モデルの「Grok-4 Heavy」は、複数のAIエージェントが並行して推論・処理を行う「マルチエージェント設計」を採用している点が最大の特徴です。これは、単一のAIが単独でタスクを処理するのではなく、AI同士が協調してより複雑で高度な問題を解決することを目指すものです。
このアーキテクチャは、マスク氏が目指すAGI(汎用人工知能)の実現に向けた重要な一歩と位置付けられており、今後のAI市場の動向を左右するキーモデルとなる可能性があります。
なお、Grok-4についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。

生成AIが当たり前になる時代

今回は、公開当初から話題となっていたGrokの進化モデルであるGrok-2についてご紹介しました。今回のアップデートでそれぞれの項目において進化しているしているだけではなく、画像生成AIの搭載など新機能も追加されました。
このように、生成AI分野においてはこれからも進化が続き、生成AIを使える人と使えない人の格差が広がる可能性があります。また、個人利用だけではなく企業での導入も進んでいることから、生成AIを使いこなせる人材はなるべく多く確保したいという企業も多いでしょう。
これからは、生成AIの利用が当たり前という時代が来ることが予想されるため、時代に取り残されないためにも、今から生成AIに触れてみてはいかがでしょうか。

生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIの導入で御社の競争力はどう変わるのか?Grok-2の可能性を、事業成長の視点で一緒に見極めてみませんか。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
生成AIを活用したプロダクト開発の支援内容は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
➡︎株式会社WEELのサービスを詳しく見る。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、大規模言語モデル(LLM)を対象に、言語理解能力、生成能力、応答速度の各側面について比較・検証した資料も配布しております。この機会にぜひご活用ください。