生成AIを活用した動画編集とは?利用するメリットやおすすめツール、注意点を徹底解説
生成AIによる動画編集が注目されて、様々なサービスが登場しています。生成AIを動画編集にどのように活用できるのか、どの生成AIツールを使用したらいいのかなど疑問が浮かんでいるのではないでしょうか。
この記事では、動画編集で生成AIができることや、動画編集に使える生成AIツールについて紹介します。これを読めば、生成AIを活用して高いクオリティを維持しながら、効率的な動画編集を成功させるヒントになるでしょう。AIを活用して時間短縮を叶えていきましょう!
生成AIを活用した動画編集
動画編集は、生成AIの活用により、従来の作業で長時間かかる作業を大幅に効率化できるようになりました。
例として、AIが動画の内容を分析し、カット・トリミング作業など今まで人が繰り返し行っていた作業を自動的に実行してくれるため、私達を手助けしてくれます。
AIを活用した動画編集ツールは、従来の方法に比べて、効率的に高品質な動画制作を実現できるツールです。動画編集の上級者はもちろん、スキルや知識のない初心者でも動画制作ができる強い味方とも言えるでしょう。
動画編集で生成AIにできること
動画編集をする際に生成AIを活用すれば、編集作業の自動化により作業時間の大幅な短縮に繋がります。
AIが自動的にカット・トリミング作業や、背景の調整・変更といった編集作業を高いクオリティで行ってくれるため、初心者が動画編集をするハードルも下げられるでしょう。
また、テキストを入力するだけで、AIが条件に沿った画像や動画を生成することも可能です。ここでは、上記の点も含めて、動画編集で生成AIができることを3つ紹介します。
カットイン画像の生成
AIにより、既存の画像や動画を自動的に編集して、動画内容に合わせたカットイン画像の生成が可能です。また、動画編集ソフトによっては、そもそものカットイン画像を自動生成してくれる機能もあります。
例として、以下のような活用が可能です。
- ニュース動画で、カットイン画像を使用して重要な人物や出来事を強調する
- スポーツ動画で、選手の名前や統計情報の表示にカットイン画像を使用する
AIによるカットイン画像の生成で、動画の品質を向上させられるでしょう。
背景の編集
AIを活用すると、動画の背景を自動で調整・変更ができます。動画撮影の際にグリーンバックで撮影したり、カメラの設定や撮り方を気にしたりしなくても、AIが自動で判別するので動画撮影の時間短縮に繋がります。
また、AIにて背景の特定の部分を消す、映っていない箇所の生成拡張機能などもあるため、自由度も高まるでしょう。AIによる編集で従来の編集方法では難しかった、複雑な背景や幻想的な背景なども簡単に作成可能となるので動画の品質が格段に上がります。
カット&トリミング
撮影した動画のカット・トリミング作業といった編集作業も、AIで実現しました。AIが動画の内容を分析し、適切なタイミングでのカットやトリミングなどを自動的に編集してくれます。例えば、動画をシーンごとに分割したり、動画の動画の見どころとなるシーンを自動で抽出したりすることが可能です。
また、カメラのブレや音声のノイズなどのNGシーンをAIが自動で検出してくれる機能もあります。今まで人が繰り返しで行っていた作業を削減できるため、より大幅な時間短縮が見込まれるでしょう。
なお、動画編集を秒で終わらせられるAIツールについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【Synthesia】自動で動画生成できる神AIツールで動画編集が秒で終わる
生成AIで動画編集するメリット3点
生成AIで動画編集することによって、専門的な技術・知識がなくても質の高い動画編集を行える点が大きなメリットと言えます。編集の大半を生成AIで行い、人の手で微調整するだけでいいため作業に伴う時間を大幅に短縮できることもメリットです。
動画編集作業を効率化できれば、他の作業を行ったり、よりクオリティを高めたりできる時間が増えるでしょう。ここでは、生成AIによる動画編集を活用するメリットを3点紹介します。
編集の簡素化
AIで動画編集を自動化すると、誰でも簡単にかつ短時間で編集作業をしてくれるため、私達の編集作業を簡素化することが可能です。
例えば、AIツールに素材やテキストを入力するとAIが自動的に動画編集を行い、短時間でクオリティの高い動画を作成してくれる機能を持ったAIツールなどがあります。編集作業の簡素化は、初心者などの操作に慣れない方でも気軽に動画の制作を始められるきっかけに繋がります。
日常的な販促活動や情報発信など簡単な動画作成の際には、AIを活用することで効率的に大きな成果を得られるでしょう。
クオリティ向上
AIは、動画や画像抽出のほかに動画の分析も行えます。分析を行えば、特定のシーンや人物の動画をピックアップした抽出が可能です。
例えば、スポーツでは、AIを活用してスポーツの試合の動画からプレーの分析ができます。スポーツ以外の分野では、過去の出演者の顔を事前に登録すると、動画の中からAIが登録した出演者を自動的に認識・抽出が可能です。AIの活用により高度な分析結果から改善点を洗い出せば、動画のクオリティ向上に繋がるでしょう。
コスト&時間の削減
AIで動画編集を行うことで私達の作業量を減らせるため、大幅にコスト・時間の削減が実現可能です。今までの編集作業のプロセスには、専門性的なスキルや作業時間が必要とされていましたが、AIを利用すると編集作業のハードルを下げて手軽に動画コンテンツの制作を行えます。
AIによる動画編集サービスの多くが、素材やテキストを入れるだけで動画を作成するため、専門的なスキルや時間をかけずとも高品質な動画が作成できるでしょう。そのため、効率よく動画コンテンツを作成できて、コストや時間を抑えて創造的な作業に時間を充てられます。
生成AIで動画編集するデメリット3点
生成AIによる動画編集は、作業効率を劇的に高めてくれる反面、知っておくべきデメリットもあります。例えば、動画の用途によっては適さない場合や、著作権侵害などの法律に触れるリスクなどです。すべてを生成AIに任せず、編集された動画は最終的に自分で確認して、場合によっては修正が必要となります。
デメリットを把握した上で、どうAIと付き合っていくかが課題です。そこで、生成AIで動画編集を行うデメリットを3つまとめました。
細かい条件指定が不可
生成AIによる動画編集だと、音声の抑揚などの細かい条件指定が難しくなります。AIには、人間だからこそ伝わるような細かいニュアンスが理解できないためです。
また、AIが学習したルールに沿って動画編集を行うので、同じような動画になる可能性もあります。人の心を動かせる編集技術はAIでは再現できず、人の手による編集が必要です。しかし、シンプルな説明動画や広告動画の作成には適しているため、要件に適した活用方法を検討しましょう。
著作権侵害のリスク
日本では、AIの利用について定めた法律はありませんが、著作権に触れる可能性があります。著作権の侵害は、「類似性」や「依拠性」が作品中に認められるかによって判断されます。例えば、作品の表現が類似したりあえてにせたりする場合は「類似性」があるとみなされます。
また、既存のイラストを知っている上で似たイラストをAIに生成させた場合は「依拠性」と認められ著作権侵害になる可能性があるでしょう。生成AIで作成した際には、著作権侵害をしていないかのチェックが必要です。
コンプライアンス上のリスク
上記の著作権法のほかに、虚偽情報の拡散や倫理的な問題などのコンプライアンス上の問題にも意識しなければなりません。生成AIは、虚偽の情報をあたかも事実のように見せる動画を生成する可能性があります。虚偽情報の拡散は社会的な混乱にも発展する可能性もあるため、動画内容の信頼性を確認してから発信するようにしましょう。
また、AIは差別・偏見などの倫理観を組み込んだ動画生成を行っていないため、倫理的に問題のある内容が含まれていないかの確認も必要です。生成AIで生成した動画コンテンツで不適切な発信をしないよう、作成した動画コンテンツは情報の信頼性や法律などチェックした上で配信しましょう。
なお、生成AIの企業リスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIの企業利用・開発のリスクとその対策を解説!開発失敗事例も紹介
生成AI動画編集ツール8選
動画編集に活用できるAIツールは種類が様々で、それぞれに特徴や強み・料金・日本語対応しているかなどの違いがあります。AIで動画生成をしたい、本格的な動画編集をする中で生成AIを活用したいなど、目的によって使い分けましょう。
クオリティや本格的に始めたい場合は料金がかかりますが、ツールによっては無料版もあるため試しながら有料版に移行するのもおすすめです。ここでは、生成AIを使用して動画編集に役立つツールを8つまとめましたので、自分に合ったAIツールを探してみましょう。
LUMIERE
「Lumiere」は、googleが発表した動画生成AIツールです。
評価される特徴として「テキストや画像からリアルな動画を生成する」ことが挙げられます。従来の動画生成AIでは、動作がカクカクしたり動きに違和感があったりするなどのデメリットがありましたが、「Lumiere」では動画全体を一度に生成するため、よりリアルな映像が作成可能となりました。
「Lumiere」はまだ一般公開されていませんが、革新的な生成AIツールとして大きな期待がされています。
詳細 | |
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機能 | ・テキストから動画を生成 ・静止画から動画を生成 ・参照する画像から、プロンプトで指定したスタイルで動画を生成 ・静止画の指定範囲をアニメーション化 ・動画の欠けている部分の補完、装飾の追加 |
料金 | 無料 |
日本語対応 | 対応 |
公式サイト | https://lumiere-video.github.io/ |
Runway
「Runway」は動画生成AIプラットフォームのひとつです。
「Runway」では主に、既存の動画データから新しく動画データを生成できる「Gen-1」、テキストデータや画像から動画データを0から生成できる「Gen-2」の機能があります。また、他の動画生成AIと比較して一般的な動画編集機能や画像生成AI機能があるなど、できることの多さが特徴です。
簡単な操作で高いクオリティの動画生成ができるため、プライベートでの思い出映像の編集だけでなく、短いPR動画などの本格的な動画にも活用可能です。
詳細 | |
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機能 | ・動画生成/編集機能 ・画像生成/編集機能 ・3Dモデル生成機能 ・オリジナルの学習モデル構築機能 ・動画編集機能 |
料金 | Basic : 無料 Standard : 12ドル(約1,800円)/月Pro : 28ドル(約4,200円)/月Unlimited 76ドル(約1,1324円)/月 |
日本語対応 | 非対応 |
公式サイト | https://runwayml.com/ |
Pika
「Pika」はAI技術によるビデオ作成プラットフォームです。
初心者でも、テキストや画像から簡単にクオリティの高い動画生成ができます。このプラットフォームを活用すれば、3Dアニメーションやカートゥーンなど幅広くビデオ作成や編集が可能です。
「Pika」は5500万ドルの資金を調達し、多くの投資家から期待を集めており、今後の展開が注目されています。将来性の高いツールなので、無料版から利用してみてはいかがでしょう。
詳細 | |
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機能 | ・動画から動画の生成も可能 ・スマートフォン用の動画も作成可能 ・動画内の特定の箇所にプロンプトを適用 ・動画時間の延長が可能 |
料金 | Basic : 無料Standard : 10ドル(約1500円)/月Unlimited : 35ドル(約5250円)/月Pro : 70ドル(約10500円)/月 |
日本語対応 | 日本語入力は対応 |
公式サイト | https://pika.art/home |
Pixverse
「Pixverse」は、無料で使用できるAI動画生成ツールです。
作りたい動画のテキストや画像を入力すると、AIが自動作成し4秒程度の動画が作れます。GoogleアカウントかDiscodeアカウントで登録するのみで利用できて、無料で何度も動画生成が可能なので、気軽にAIによる動画生成を行ってみたい方におすすめです。
いろいろなワードを入力してみて、自分が納得する動画を作れるまで試してみるのも楽しいかもしれません。
詳細 | |
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機能 | ・4K解像度へのアップスケール機能 ・30fpsでのビデオ生成 ・高度な画像処理と動画編集機能 |
料金 | 無料(商用利用は不可) |
日本語対応 | 日本語入力は対応あり |
公式サイト | https://pixverse.ai/ |
Filmora
正式名称は「Wondershare Filmora」で、Wondershare 社が提供する動画編集ソフトです。
操作方法がわかりやすく基本的な動画編集の機能がそろっているので、初心者には使いやすい動画編集ソフトといえます。「Filmora」は無料版もあるので、使い心地を確かめてみるのもいいでしょう。
ただし、無料版だとロゴ(ウォーターマーク)が映像内に入るため、本格的に動画編集を行う場合には有料版として利用する必要があります。
詳細 | |
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機能 | ・AI機能 ・動画編集機能 ・音声編集機能 ・テキスト編集機能 ・無料版にはロゴの透かしがある |
料金 | 無料プラン : 無料個人向け1年間プラン : 6,980円/年個人向け永続ライセンス : 8,980円 |
日本語対応 | 対応あり |
公式サイト | https://filmora.wondershare.co.jp/ |
Adobe Premiere Pro
「Adobe Premiere Pro」は、アドビが出している動画編集のソフトウェアです。プロも映画の編集に使うツールでありながら、使いやすいUIのため初心者でも十分満足できる仕様になっています。
また、YouTubeやTwitterで投稿する動画作成から映画で使用する映像まで、幅広く利用が可能です。他のAdobeソフトを使用していれば、連携が可能でPhotoshopなど他のアプリとのデザイン統合ができます。
本格的に動画編集をしたい場合や他のアドビソフトを使用している方におすすめです。
詳細 | |
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機能 | ・自動で画像サイズを変更できて多くのメディアに対応可能 ・AIが自動で編集ポイントを検出 ・AIが自動でテロップ入力 ・外出先でもスマホやタブレットから動画編集可能 |
料金 | Premiere Pro単体プラン : 2,728円/月 Creative Cloudコンプリートプラン : 6,480円/月 |
日本語対応 | 対応あり |
公式サイト | https://www.adobe.com/jp/products/premiere.html |
PowerDirector
「PowerDirector」はサイバーリンク社が開発した動画編集ツールです。
直感的な動画作成が可能だったり編集に必要なツールが豊富にあったりなど、初心者からでも簡単にクオリティの高い動画編集を行えます。動画編集に必要なカットやエフェクト、字幕やBGMなど基本的な機能は備わっており、編集モードを使い分ければ本格的な編集からAIによる自動編集も可能です。
個人で動画制作を始めてみたい方や、YouTubeを始める際に動画編集を行ったことがない方にもおすすめといえるでしょう。
詳細 | |
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機能 | ・この一本で一通りの動画編集ができる ・編集モードが5種類で用途によって使い分けられて、AIによる自動編集モードがある ・動画の縦横比(アスペクト比)を変更できる |
料金 | 通常版 : 16,980円12か月プラン : 6,700円/年 |
日本語対応 | 対応あり |
公式サイト | PowerDirector |
Canva
「Canva」は、オンライン上で使用できるグラフィックツールです。
61万点のテンプレートや1億点の素材があり、誰でも簡単にあらゆるデザインを作成できます。パソコン以外にもスマートフォンやタブレットのアプリ版がありアカウントを共有できるため、通勤中や外出時の隙間時間の作業も可能です。無料版でも基本的な機能を利用できるため、動画編集を気軽に始めやすいツールとなっています。
また、回数制限はありますが、画像生成AIと動画生成AIも無料版で利用可能です。使用してみて本格的に動画編集をしたり、生成AIを活用したりしたい場合は、有料版の「Canva Pro」にするといいでしょう。
詳細 | |
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機能 | 簡単にプロ品質のデザインを作れる1億点以上の素材(写真、動画、オーディオ、グラフィック)60万点以上のテンプレートパソコン・スマホでデザインできるドラッグ&ドロップの簡単操作オンラインでの共同作業簡単な出力(共有・SNS投稿・ダウンロード) |
料金 | Canva Free : 無料Canva Pro : 12,000円/年 |
日本語対応 | 対応 |
公式サイト | https://www.canva.com/ |
動画編集できる生成AI端末「Pixel 8 Pro」
「Pixel8 Pro」に搭載されている生成AIの動画編集が注目を集めています。
例えば、「動画ブースト」機能を使えば、色・明るさ・手ぶれ補正・画像の粗さを自動的に調整して、まるで実物を撮影したかのような高品質な動画を簡単に撮影可能です。
また、撮影した動画の音声編集機能にも「音声消しゴムマジック」があり、動画内の声やノイズを自動的に分けて音声ごとに音量を設定できる機能もあります。スマートフォン1台で簡単に動画編集できる日が近いかもしれません。
なお、生成AIの動画編集の使い方について詳しく知りたい方は下記の記事を併せてご確認ください。
→動画編集・イラスト未経験の私が、生成AIツールを駆使したら簡単にAI漫画を作れてしまった件
生成AIツールを活用して効率的な動画編集を実現しましょう
生成AIを活用すると誰でも気軽に動画編集ができます。初心者でもAIを活用することで、専門的なスキルがなくても高いクオリティの動画作成が可能となりました。また、普段から動画編集をしている方も時間短縮に繋がり、他の作業などにも取りかかれます。
しかし、人の心を動かす動画にはやはり人の手が必要です。AIの強みと人の強みをそれぞれ理解して、目的にあった使い分けが大切になります。AIによって自分の作業時間を短縮して、自分のスキルを磨きクリエイティブなことに時間を使いましょう。
WEELの生成AIへのスタンス
ChatGPTやStable Diffusionなど使い勝手の良いAIサービスは沢山あります。そういったもの1度使ってみて、もっとこうしたい、こう言った使い方をしたいと言った方に向けてカスタマイズを勧めております。
もし、自社で生成AIを活用したいという場合は
1. 汎用的な生成AIツールを導入し、定着させる
2. 業務を生成AIに解けるタスクまで分解し、自動化する
のどちらかが良いと思います。
弊社では
1の場合、生成AIセミナーの実施や生成AIコンサルティングなどで、AI専門家による生成AI活用指導
2の場合、PoC開発やソリューション開発などで、LLMエンジニアやAIコンサルタントが御社にあったAIツールの開発を行います。
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