【ConnectAI】パナソニックが開発した生成AIチャットがすごい!導入効果を徹底解説
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん、パナソニックの生成AI導入事例はご存知ですか?
パナソニックでは自社開発の生成AIチャット「ConnectAI」を業務に活用中。結果、9時間かかっていたアンケート分析の作業を6分に短縮しちゃったんです!
ということで当記事では、ConnectAIを中心にパナソニック流・生成AI活用法を紹介します。完読いただくと、生成AI時代の働き方・考え方がわかる……かも!
ぜひ、最後までお読みくださいね。
パナソニックの「ConnectAI」とは
「ConnectAI」はパナソニック コネクト株式会社が開発した、自社用の生成AIアシスタントサービスです。2024年3月現在、国内系列企業の全従業員13,400名に向けて展開されています。※1
このConnectAIは「パナソニック版ChatGPT」ともいえるツールです。具体的にはOpenAIのLLM「GPT-3.5 / GPT-4」を搭載しており、
- 生成AIチャット
- 社内文書の引用
- 検索エンジンとの連携
- 不適切利用の検知
- 音声入出力機能
といった機能を提供しているんです。今回はそんなConnectAIを徹底解剖。内部のツールやパナソニック流の活用法をみていきます。
ConnectAIを構成する生成AI・ツール
ConnectAIは「自分たちで頑張らない」の理念のもと、既製ツールを組み合わせて開発されています。具体的には、
- ChatGPT API
- Azure OpenAI Service
- RAG
- Moderation API
といったツール・機構を搭載。以下、各ツールの詳細について解説していきます。
ChatGPT API
ConnectAIにはLLMのGPT-3.5 / GPT-4が「ChatGPT API / OpenAI API」経由で実装されています。
このChatGPT APIは、ChatGPTのサービス外でOpenAIの生成AIが使えるというもの。ConnectAIの機能「生成AIチャット」に欠かせません。
そしてChatGPT APIは、ConnectAIの機密性にも貢献しています。これはChatGPT APIを通した入力をモデルの学習に使わない、という規約による恩恵です。ChatGPT APIを通すことで、社外秘も扱えるようになっているんです。
Azure OpenAI Service
ChatGPT APIと並んで、Microsoftの「Azure OpenAI Service」もConnectAIのセキュリティ性能を高めています。
このAzure OpenAI ServiceはOpenAI製の生成AIモデルが使える専用のクラウド環境です。高水準のセキュリティが魅力で、
- アクセス制御
- ローカルでの動作
- 暗号化
といったMicrosoftの技術の粋が惜しみなく投じられています。
RAG
ConnectAIの機能「社内文書の引用」「検索エンジンとの連携」には、「RAG / Retrieval-Augmented Generation」が用いられています。
RAGはベクトルデータベースに格納した知識から、質問に関係するものだけをLLMに示す技術です。LLMとの組み合わせで、学習範囲外の社内文書・ブラウザ上の情報が回答に反映できます。
なお、ConnectAI内部のRAG用ツールは未公表。ですがおそらくは、主流のRAG用ツールである、
のどちらかになるでしょう。
Moderation API
ConnectAIは「不適切利用の検知」が可能です。こちらは、従業員による目視点検とOpenAIの「Moderation API」の二段構えで運用されています。
うち、Moderation APIの機能は有害コンテンツの特定・フィルタリング。具体的には、
- ヘイト表現
- 自傷関連の描写
- ハラスメント表現
- 性的表現
- 暴力表現
といった不適切な表現への対応を開発者側で設定できる、というものになっています。※2、※3
なお、生成AIが抱えるリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説
ConnectAIが社内に浸透した理由
パナソニックはあらゆる手を尽くしてConnectAIを社内に普及させました。これまでには、
- メール作成
- 情報収集
- コーディング業務
など日々の業務への活用を奨励。あわせて従業員向けの研修で、活用法のレクチャーも行っています。
その根底にあったのは、失敗OK「早くやる」こそ正義の精神です。
これだけ聞くと賭けのようにも見えますが、実際はその逆。具体的には、
● 最新の技術はいち早く・繰り返し活用して課題を洗い出すべき
● どのみち生成AIは普及するので、「シャドーAI」に代わる方法を用意するべき
という観点から、ConnectAIの開発・普及に着手しているんです。
なお、生成AI関連のスキル習得・研修について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AI時代のリスキリングとは?メリットや成功した国内企業事例10選を紹介
ConnectAIの活用方法
ConnectAIはITから法務・経理まで、パナソニックグループ内の幅広い部門で活躍中。以下では、そんなConnectAIの用途を
- 質問への回答
- 文章の生成
- 文章の要約
- 分類
の4つに分けて解説していきます。
活用法1.質問への回答
ConnectAIの用途の中で、一番AIチャットらしいものが「質問への回答」です。
従来のキーワード検索と異なり、ConnectAIなら文章による柔軟な検索(セマンティック検索)が可能。質疑応答の形式で、必要な情報が得られます。
実際にパナソニック社内では、
- 条件を満たす樹脂素材
- キャリア実現の方法
などを知りたい場合にConnectAIが用いられているそうです。※4
活用法2.文章の生成
「文章の生成」もLLMを搭載するConnectAIの得意分野です。具体的にパナソニックでは……
- 企画発案
- スピーチの下書き作成
- テーマに沿った文書生成
- コーディング(仕様変更のないExcel関数が大の得意)
といった使い方がなされています。
活用法3.文章の要約
「文章の要約」は業務効率化に直結するConnectAIの活用法です。例えば、ConnectAIを使えば……
- 自由記述式アンケート1,500件
- 法律文書
- 会計帳簿
などなど、解読に何時間もかかる文書が一瞬で要約可能。ものの数分で目が通せちゃうんです!
活用法4.分類
LLMを搭載したConnectAIは、ある程度言葉の類似性を理解してくれます。これを応用することで……
- 自由記述式アンケートの感情分析
- 表記揺れの検出と名寄せ
などなど「分類」やそれに準ずる作業が自動化できちゃうんです!
ConnectAIの導入効果
ConnectAIはパナソニックグループ内で大反響を呼んでいます。1日の利用回数は導入後3ヶ月で、想定の5倍を超える5,800回に到達。さらに業務効率化の面でも、
ConnectAIが果たした効率化
- コーディング前のリサーチ:3時間から5分に短縮
- 自由記述式アンケート1,500件の分析:9時間から6分に短縮
- 法律文書の読解:1時間から10分に短縮
といった結果を残しているんです。ちなみに社内の戦略企画部からは、
IT の知識がなくても簡単に使えるという結論に達しました
引用:https://news.microsoft.com/ja-jp/features/230511-its-not-if-you-should-use-it-but-when-why-panasonic-connect-is-going-all-in-on-ai/
といった声が上がっています。※5
なお、国内における生成AIの企業導入事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTの日本企業導入事例をまとめて紹介!業務に導入するメリットや注意点も解説
自社用AIチャットで業務を効率化しよう!
今回はパナソニックの自社用生成AIチャット「ConnectAI」について紹介しました。
パナソニックは失敗OK「早くやる」こそ正義の精神でConnectAIを開発しています。その結果、以下のような業務効率化を達成していましたね。
ConnectAIが果たした効率化
- コーディング前のリサーチ:3時間から5分に短縮
- 自由記述式アンケート1,500件の分析:9時間から6分に短縮
- 法律文書の読解:1時間から10分に短縮
ConnectAIのようなカスタムメイドのAIツールは、企業での生成AI活用にうってつけです。AIツールの開発に興味がある方はぜひ、弊社の「サービス紹介資料」を無料でDLしてみてください!
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WEELの生成AIへのスタンス
ChatGPTやStable Diffusionなど使い勝手の良いAIサービスは沢山あります。そういったもの1度使ってみて、もっとこうしたい、こう言った使い方をしたいと言った方に向けてカスタマイズを勧めております。
もし、自社で生成AIを活用したいという場合は
1. 汎用的な生成AIツールを導入し、定着させる
2. 業務を生成AIに解けるタスクまで分解し、自動化する
のどちらかが良いと思います。
弊社では
1の場合、生成AIセミナーの実施や生成AIコンサルティングなどで、AI専門家による生成AI活用指導
2の場合、PoC開発やソリューション開発などで、LLMエンジニアやAIコンサルタントが御社にあったAIツールの開発を行います。
無料相談にてご相談を承っておりますので、興味がある方は以下からご連絡ください。
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