生成AIのユースケース12選!国内企業における最新の活用事例も紹介
WEELメディアリサーチャーのいつきです。
世間の波に乗ろうと生成AIの利用を検討するも、どのような場面で使うべきかわからない方も多いのではないでしょうか。焦って生成AIを導入を失敗すると、多額のコストを無駄にしてしまうだけでなく、顧客や取引先の信用を失いかねないので注意しなければなりません。
そこで今回は、生成AIのユースケースをご紹介します。最後まで目を通せば、自社のどの業務や工程に生成AIを導入すべきかが見えてくるので、生成AIで業務を効率化させる第一歩が踏み出せるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
様々なユースケースに対応した生成AI
生成AIとは、学習したデータを元に、新たな情報やデータを作り出す人工知能(AI)の技術です。テキスト・画像・動画などを生成できるので、様々なユースケースに対応できます。
すでに多くの企業が生成AI関連のサービスをリリースしているのが特徴。サービスをそのまま使用する方法のほか、API経由で自社システムや外部ツールに組み込む方法もあります。
自社の業務形態に適したツールや導入方法を模索して、業務効率化を図りましょう。
なお、生成AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
テキスト生成AI(LLM)のユースケース12選
まずは、生成AIの代表格ともいえるテキスト生成AI(LLM)のユースケースから紹介していきます。
- 文章生成
- 要約
- 翻訳
- 案出し
- フィードバック・添削
- 分類・分析
- プログラミング
- ワークフローの作成・改善
- チャットボット
- 文字起こしの要約・文書化
- ローカル環境での実装
- AIエージェント
多くの方は、質問に回答してもらうといった単純な使い方しかしていないと思いますが、テキスト生成AI(LLM)だけでもこれだけの使い方が存在します。
以下で詳しくご紹介していくので、業務に取り入れられそうなものがあれば参考にしてみてください。
文章生成
テキスト生成AI(LLM)の代表的な機能ともいえるのが文章の生成です。ユーザーが指定するトピックやスタイルに基づいて、自然な文章を生成してくれます。
具体的な活用シーンとしては、ブログ記事や報告書、SNS投稿の作成などです。短時間でコンテンツを制作できるため、ライティング業務の負担を軽減する強力なツールとして利用できます。
要約
テキスト生成AI(LLM)に要約を指示すれば、長文の文章を簡潔に要約してくれます。必要な情報を短時間で抽出することも可能なため、複雑なレポートやニュース記事を理解する際に便利です。
長文の文章に対して、まずは概要を掴みたいと思ったら、ぜひ生成AIを活用してみましょう。
翻訳
テキスト生成AI(LLM)は、複数言語を理解できるため、翻訳タスクもこなせます。文章のニュアンスを保つ能力にも優れているので、仮に海外の文献を調べる場合でも自然な言語で情報を取得できます。
これからは、翻訳のたびに専用のツールを開かなくてよくなるので、業務効率が向上すること間違いありません。
案出し
文章を考える際は書き出しに詰まりやすいものですが、とりあえず生成AIで文章を生成するだけで、クリエイティブなアイデアを手軽に得る手助けにもなります。
試しに、ChatGPTを使用して案出しをしてみました。
上記のように、生成したいアイデアのイメージを伝えるだけで、生成AIがいくつか案を提示してくれます。アイデア出しに困った際は、ぜひ真似してみてください。
フィードバック・添削
テキスト生成AI(LLM)なら、文章のフィードバックや添削もお手のものです。入力した文章の誤字脱字チェックや表現の改善提案をしてくれるので、より良い文章表現を学べます。
とくに、ライティングスキル向上のために有効なため、文章力に自信がない方にこそおすすめの使い方です。
分類・分析
テキスト生成AI(LLM)は、分類・分析のタスクでも重宝します。とくに、口コミのネガポジを分類したり、アンケート結果中の感情を数値化できるのが魅力です。
なお、テキスト生成AI(LLM)で分類や分析ができるのは、膨大な量のデータを迅速に学習していることが関係しています。マーケティングや顧客サービスでの洞察を得るのに役立つため、ぜひ活用してみてください。
プログラミング
テキスト生成AI(LLM)は、プログラミング業務の効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。具体的には、コードの自動生成やエラーの修正提案ができるので、プログラミングでよくあるエラーに悩まされるストレスを軽減できるのがメリットです。
初心者はもちろん、プロンプトを工夫すれば上級者の作業にも役立つため、プログラマーの方は利用を検討してみましょう。
ワークフローの作成・改善
テキスト生成AI(LLM)は、ワークフローの作成・改善にも役立ちます。とくに、Mermaid記法を活用すれば、生成AIでガントチャートやフローチャートなどができて便利です。
ワークフローの作成・改善の際に、これらのチャートを1から作ると時間がかかりますが、生成AIを使えばその手間がかかりません。生成AIが作ったチャートをそのまま使えなくとも、最初のアイデア出しとして参考にはなります。
ChatGPTでマーメイド記法を行う方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
チャットボット
テキスト生成AI(LLM)のほとんどは、チャットボットとして活用されています。ユーザーが疑問を投げかけると、それに応じた答えを返してくれるので、疑問をいち早く解決可能です。
なお、チャットボットが正確かつ最新の情報を生成できるのは、RAGを使用して外部のデータソースから関連性の高い情報を取得できるようにしているためです。
とくに、顧客サポートやFAQ対応において活用されており、自然な対話形式で顧客の満足度向上に貢献できます。
RAGについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
文字起こしの要約・文書化
テキスト生成AI(LLM)には、音声認織モデルを使用したものもあり、文字起こしの要約や文書化もこなせます。会議中の議題の要点をまとめて見やすくしてくれるので、その後の作業も捗ること間違いありません。
通常、会議中に書記が議題をメモして、その後文書化して社内に共有する流れが多いですが、生成AIがその手間を肩代わりしてくれます。会議資料の作成を手間に感じているなら、生成AIを導入するのに十分な動機です。
文字起こしについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
ローカル環境での実装
テキスト生成AI(LLM)は、ローカル環境での実装もできます。端末機器(エッジデバイス)に直接AIモデルを実装するエッジAIという方法を使えば、自社のノートPCや小型端末に生成AIを導入可能です。
ただし、エッジAIには小型LLMやGPUが必要なので注意してください。ローカル環境で生成AIを動かすには、ハード側にもそれなりの要件を求められるので、導入前に条件面の確認が必要です。
エッジAIについて詳しくは、以下の記事をご確認ください。
AIエージェント
テキスト生成AI(LLM)のなかには、AIエージェントとして活用されているモデルもあります。AIエージェントとは、特定の業務を生成AIが全自動もしくは半自動化できるツールのことです。
たとえば、ChatGPTなどをAPIでシステムに組み込んで、AIエージェントとして使用している企業があります。問い合わせ業務の自動化などに役立ち、既存業務の負担削減につながるので、ぜひ利用を検討してみてください。
その他生成AIのユースケース
上記ではテキスト生成AI(LLM)のユースケースをご紹介しましたが、次からはその他の生成AIのユースケースをご紹介していきます。
以下にその他生成AIの種類とユースケースをまとめたのでご覧ください。
- 画像生成AI:アイキャッチ・サムネイル・バナーの画像素材作成
- 動画生成AI:プロモーションビデオの作成・動画の編集
- 音楽生成AI:ミュージックビデオの作成・投稿動画用の音源作成
上記の生成AIは組み合わせて利用されるケースも多いです。たとえば、画像生成AIで生成した画像と音楽生成AIの音楽を組み合わせて、1つの動画を制作するといったこともできます。
それぞれの得意タスクを組み合わせることで、より完成度の高いコンテンツが出来上がるので、ぜひ試してみてください。
国内における生成AIの活用事例・具体的ユースケース5選
ここからは、国内における生成AIの活用事例や具体的なユースケースを紹介していきます。
今回紹介するのは、以下5つの企業・自治体です。
- 横須賀市
- アサヒビール株式会社
- パナソニック コネクト株式会社
- KDDI株式会社
- LINEヤフー株式会社
以下でそれぞれのユースケースを詳しくみていきましょう。
①横須賀市
神奈川県横須賀市は、コリニア株式会社と連携して、RAGを活用した生成AIツールの実証実験を実施しています。※1
これは元々、職員が契約締結業務に必要なマニュアルや規則を見つけ出すのに手間がかかっていたことがきっかけとなり、職員の負担を軽減することを目的として始まりました。
RAGを活用したのは、自治体独自のルールに対応した回答を生成できるようにするためとのことです。既存の生成AIにはできないことも、RAGを使用した生成AIならできるようになるので、こうした姿勢は真似していきたいものですね!
②アサヒビール株式会社
アサヒビール株式会社は、Azure OpenAI Serviceが提供している生成AIを用いた社内情報検索システムを導入しました。※2
社内に点在している技術情報を整理・効率的に取得できるようにすることで、グループ全体の知見を生かした商品づくりや業務効率化を図っていくとのことです。
ただ社内の情報を表示するだけでなく、Azure OpenAI Serviceによる100文字程度の要約も同時に表示されるとのことなので、かなり利便性は高そうですね!
③パナソニック コネクト株式会社
パナソニック コネクト株式会社では、テキスト生成AI(LLM)をベースに開発した自社向けのAIアシスタントサービス「ConnectAI」を運用しています。※3
国内全社員約12,400人に展開するなど、かなり大規模な計画ですが、社内全体で挑戦している人を応援する文化が浸透しているおかけでスムーズに導入できたとのことです。
質問のやり取りや戦略策定の基礎データ作成に活かすことで、社内全体で1年間の労働時間を合計18.6万時間も削減することに成功しています。
④KDDI株式会社
KDDI株式会社は、あの有名な「三太郎シリーズ」のCMを生成AIがアニメ風にリメイクして、2024年1月より地上波で公開しています。※4
具体的には、過去の三太郎CM約160本から歌詞の内容に沿った厳選シーンを生成AIがアニメーション化しているとのことです。
生成AIで自分だけの三太郎MVを作る特設サイトも公開されているので、気になる方は実際に使ってみてください。
↓以下、三太郎MVの作成について予想してみた記事になります!
⑤LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は、RAG技術を使用して開発した独自業務効率化ツール「SeekAI」を全社で導入しています。※5
技術関連の社内ナレッジ共有・共同作業ワークスペースツールや社内Q&Aを参照できるようになったそうです。具体的な成果として、エンジニアが技術スタックの検索・選定にかける工数・時間を削減できたと公表しています。
テスト段階ではあるものの、広告事業のカスタマーサポート業務の正答率は98%を記録しているとのことで、同社は生成AIの導入に手応えを感じている様子です。
なお、生成AIの法人利用方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIのユースケースを把握して実際に導入してみよう
生成AIは、すでに多くの企業がさまざまな場面で活用している強力なツールです。まずは、生成AIのユースをケースを把握して、自社のどの部門・工程に取り入れられるのか検討してみましょう。
本記事でも紹介した生成AIのユースケースを再度まとめました。
【生成AIでできること】
- 文章生成
- 要約
- 翻訳
- 案出し
- フィードバック・添削
- 分類・分析
- プログラミング
- ワークフローの作成・改善
- チャットボット
- 文字起こしの要約・文書化
- ローカル環境での実装
- AIエージェント
上記を参考に、自社業務と相性の良さそうな用途を見つけて、生成AIを導入してみてください。
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最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIの適切な導入と運用で、業務の効率化とコスト削減を実現できます。豊富なユースケースと導入事例を参考に、自社に最適な活用方法を見つけましょう。
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